INTERVIEWS

ARAI LAZER

90年代後半にVJとしてクラブと関わり始めました。VJとしては4、5年活動していて、映像作品を作るうちにトラックの制作に移行していった感じです。そして昨年の夏CARIZMAからオファーをもらって、今年の1月にデビューしました。 VJをしていて映像と音をよりリンクさせる為にはどうしたらいいんだろう?と考えた時にトラックの構造をもっとよく知る必要を感じました。トラックの展開や構造を勉強するには自分で作るのが一番だろうと思ってまずは4つ打ちジャンルを作り始めた、というのがきっかけですね。最初は遊びで作っていたっていう感覚だったんですが、作っていくうちにファッションショーやイベントで使う音楽の制作を依頼される様になって来たんです。そういうのを繰り返しつつ、4年くらい前からは今のスタイルで本格的にトラックを作り始めました。 クラブミュージッックやライブハウス系の音楽との出会いは中学の時聞いていたスチャダラパーに始まるJラップ、OFFSPRINGとかメロコアもよく聞いていました。テクノに関しては高校の時に聞いたJeff MillsのMIX UPの影響がすごく強いです。SQUAREPUSHER、APHEX TWIN、NINJA TUNEレーベルなんかもよく聞きました。テクノでもそれ以外の音楽でも好きな部分は共通していて、速いか、激しいか、そして両手を挙げれるかって所ですね(笑) もともと始めたきっかけは全然関係なかったんですよ。バンドをやっていたのが幼なじみで、そいつにテクノ好きならパーカッションもやれるよなってバンドに入れられました(笑) でも入ってみたらおいしいネタが転がっていたんですよ。バンドとしての曲の構成の仕方とか個人のトラック制作にも生かされています。逆にARAI LAZERとして作ったリズムパターンをバンドに取り入れてみたりもしますし。ちなみに今日も朝まで作ってましたよ、今回はいい素材が手に入りました(笑) デビューシングルになった「SNR753」をMySpaceにアップしていたんですが、昨年夏前に僕がCARIZMAのMySpaceにリクエストしたところしばらくしてレーベルオーナーのMOAさんから「SNRいいじゃん」っていうメールの返信をもらいまして。初めてMOAさんに会ったのが去年のWIREでした。 もともとアルバムに対してのテーマがあった訳ではないのですよ。先にシングルの「SNR753」、「Star Dancer」、「Rumbull Rocka」があって、すべてファンキーでパーカッショングルーヴの強い曲ばっかりだったので、じゃあアルバム全部パーカッションで行ってやるよ!っていう勢いで作りました(笑)その中でパーカッションだけでなくネタものを刻んでトラックを作ったり、出来上がった曲を聴いて自分の持ち味を再確認する事も出来ました。 その時その時の気分とかノリを大切にしているので、毎回こだわる部分は違います。ただまず出来た曲を部屋で聴いてみて自分が踊れるか踊れないかっていうのはいつも重要視しています。独り泥酔して部屋で踊り狂っていますよ(笑) 基本はMACでシーケンスソフトにAbleton Liveを使っています。サンプリングで、ネタを引っ張ってくる場合もあれば、自分で打楽器を叩いて録音する場合もあります。自分のライブの際も基本はPCでのMIX中心ですが、今後は色々機材を追加する事も考えていますよ。
ANGEL ALANISのリミックスはすごくスマートな出来なので、ミニマルやエレクトロハウスが好きな人にもフィットすると思います。KAGAMさんのリミックスは出来上がったものをすぐにMOAさんから直接受け取ったのですが、それで帰りの車で聞いた時にハンドルをガツーンと叩いて、やられたって思いました!で、MOAさんにメールで、犯された気分ですって送りました(笑)その後しばらく新曲作っていてもこの曲の事を意識しちゃいましたね、でももう落ち着きました。いい意味でその後の分のトラックを進化させてくれたと思います。 あくまで自分のノリは一緒なので特に違いを意識はしていません。CARIZMAもCITTA MUSICもダークなものは出したくないというのはありました。ただCITTA MUSIC周辺のDJ陣にはMANIAC LOVE系のハードテクノの流れがあると気にはしています、リリースされている曲にはそういった部分で違いが出ていると思います。 ここ数年テクのシーンではミニマルが主流になっていたじゃないですか。僕自身がもともとハードな音楽が好きだったので聞くものがないから自分で曲作り始めたってのもあるんですよね(笑)ただ最近たまたま聞いたCarl CoxとかMonika Kruseの音には「戻って来てる」感があって、ハードなグルーヴとかトランシーなトラックが徐々に復活している気がしています。ミニマルの反動でまた新しいテクノの流れが生まれて、その中で自分の曲がスパイスの一つになればいいなと思っています。 自分の作った曲に対して客観的に判断が出来れば自分のセンスをどんどん伸ばせると思います。まあ、あんまりガッつかずに楽しみながら曲を作っていくのが一番だと思います! ありがとございました!