INTERVIEWS

13souls - ファンキーでソウルフルな生音集団

13souls・洋介(以下洋):最初は出演するイベントや、関わってくれる周囲の人達や、視線が変わって来てたりしてたりだけだったんですが、FREEDOM RECORD、8月のランキングで4位になってたり、JET SETのjapaneseで5位で全ジャンルトータルで40位だったり、流石にびっくりしましたね、無名の新人ですから(笑)ちゃんと評価して頂いているのだなと…客観的な視点が持てました。

13souls『Six Strings With Love』
http://www.clubberia.com/Release/Detail/?id=2707 洋:去年の夏に友人の紹介で、渋谷のThe Roomで毎月第4木曜日に開催されているパーティー"音ノ源"に出演して、オーガナイザーのmic.bに出会ったのが始まりです。"音ノ源"はHIP HOPなのに、JAZZやSOULがあって、広い意味でJAZZが好きな人達で。凄くDOPEな音楽をかけているのに、音楽的にキャッチーなイベントなんですよ。その詳しくても詳しくなくても楽しめる間口の広さに共感し、13soulsはここしかない!!と思いました(笑)13soulsは、実は特にクラブミュージックをやっているという訳では無 いんですが、60年代や70年代のブラックミュージックシーンに影響され、マービン・ゲイの「I Want You」のレコジャケみたいなライブがしたくてやっているんです。黒人達が楽器を演奏し、男も女も踊り狂う、そんなライブをデザインしたくて、僕は深夜の渋谷のアンダーグラウンドをけものみちの様に徘徊していたのです。 洋:青山のLOOPや蜂、渋谷のFAMILYやOrganbar、後はClub AsiaやVUENOS、PLUGなどすべて渋谷)ですね。ドラムやアンプのない場所に、機材を持ち込んでライブしてました。 洋:僕自身が、まだまだ沢山の素晴らしいミュージシャンに出会いたいというのが一つ、後は、ミュージシャンと言っても様々で、彼らにも得手不得手があります。場面に合った方にお願いしないと、結局お客さんが喜ばないライブになってしまうと思うんです。 洋:キーボードのMAKO-T君に初めて会った時に、彼の素晴らしいプレイに感動し、是非一緒にライブをしたいと話したところ、ここにいる彼(mabanua)を紹介してくれたんですが、初めて彼のプレイを目の前にした時はショックでしたね。ドラムがスピーカーから鳴るような錯覚を覚えましたよ。話を聴いてみると、何でもトラックメイキングをされているとか…その時すでに、今回の僕のアイディアは閃いていたのかも知れませんね。僕が憧れていた、90年代のサウンドを、彼のビートセンスなら表現してくれると思ったんです。 mabanua(以下M):作る曲がメロディー主体で聴き易く、お、こいつ良い曲作るじゃん!!みたいな驚きが最初にあって、単純に曲が良いから一緒にやりたいと思いました。 洋:大きく分けて二つあるんですが、まずは僕のような無名のギタリストの話を親身になって聞いて下さったorigami PRODUCTIONSのYoshi Tsushima氏、Remixを手がけてくれたmabanuaに、深い感謝と尊敬の念を込めて。今や海外と国内、両方のアーティストの作品が楽しめる時代。僕は、その狭間でギャップに苦しんでいたのに、origami PRODUCTIONSの作品は、あっさりとその高いハードルを飛び越えていたのです。mabanuaの1stアルバム「done already」は、jurassic5のAkill The Mc、Arrested developmentのEshe, Kev Brown等、海外のビッグアーティストが共感、参加し、世界中で高い評価を受けています。そんなmabanuaが、僕のギターをサンプリングしてくれるなんて!!これはA面しかない!!と思いました。これが僕の心情的な理由ですね。もう一つは、せっかくアナログで出すんだから、買ってくれた方が楽しんでくれる様な仕掛けを何か考えたいと思ったんです。僕は元々サンプリング世代なんですが、僕みたいに、サンプリングされたレコードから生音にハマっていく人って多いんじゃないかな?と。そんな世代において、A面にサンプリングされたRemix、B面に元ネタを入れると言うのは、実は自然と共感して頂けるのではないんだろうか?と思ったんですね。当時、友達同士で元ネタばらしが流行ったんですよね。「この曲、マジやばくね?ていうか、元は○△×の曲がオリジナルなんだぜー!」…みたいな(笑) 洋:僕とmabanuaの関係性を全く知らず、レコードを買って頂いた方が、AB両面聴いて、ああ、このフレーズがこう入って、これが元ネタなんだあ!なんて見つけた時は爆発的に面白いし、ワクワクするじゃないですか。そういう、一枚で二度美味しい作品にしたかったんです。 M:そうですね、トラック聴いてもらえば解かるんですが、メインはギターなので、主な上物はギターがほとんど、鍵盤などは隠し味で、原曲で自分が叩いたドラムでサンプリングし、基本的には、ギターとドラムで成立してもおかしくないモノになっています。派手さは無いですが、渋めの仕上がりで、ギターとドラム、二人の関係 性を、より良く表現していると思います。

洋:あまりこちらからメロディーやラップを乗せて(イメージを)縛るより、買って頂いた方に、mabanuaの最高のビートに乗って、それぞれ好きにラップしたり、メロディーを乗せたりしてもらって、自分だけのステージを作って行ってもらえたら最高です。 洋:全くその通りです!! M:"Shades of Blue"は、どちらかと言うと、海沿いのカフェやレストラン、リゾート感があります。"get high"は、もっとアンダーグラウンドでdopeな感じ、ちょっとヤバめな所に入り込んでしまった感じ。その舞台の違いを表現できたら良いなあと…テーマは同じ夜でも、シチュエーションを変えて、二面性のある感じにしたかったんです。 M:初めての試みなんで、正直戸惑いましたが、結果的に売れてるみたいなんで良かったんじゃないかと思ってます。 洋:僕自身は、決してJAZZプレイヤーではないんですが、大きく見てJAZZや、それに系統する60年代や70年代のソウルミュージックに、アニメを通して影響されているんじゃないかな?ディズニーは勿論、チャーリ-ブラウンとスヌーピー…スヌーピーの原題は"PEANUTS"この辺からPeanuts Productionに所縁がありますね!!(笑)アメリカのエンターテイメントの影響が強い。 洋:そうですね、やはりBlueと言う言葉には特別想い入れがあって、明るい赤、暗い青、重なり合う場所に、ある種Blue Noteがあって。生まれ育った湘南の海…明け方のブルーから、夕日が沈んで夜の闇に呑まれて…そこには色んな感情が相まって、僕ならではのBLUESが生まれて欲しいと思っています。 洋:そうですね、誰もが一度は聴いたことがある様なフレーズから、ええ!?こんなの!?と言うマニアックなものまで入れてみました。是非何度も聴いて、探して遊んで下さい! M:レコーディングの手法として一発録りだったので、ライヴをしているかの様な質感で演奏出来たし、"Shades of Blue"自体(元々)一番好きな曲で、ライヴで演奏した事もあり、体に染み付いています。どの曲をレコーディングするかと相談されても、真っ先に代表曲 "Shades of Blue"を選んだと思います。一つ一つ音を重ねて録音して行くのとは、また違う良さが有り、爽快感がありました。 洋:今回アナログをリリースして見て、いかにリスナーの方の生活に入り込んでコミュニケートしていくかが、音楽性と同じくらい大事な事だと痛感しました。今後はいまお世話になっているThe Roomで、スペシャルゲストを招いてのライヴレコーディングに取り組んで行きます。それから、2009 11/28(sat) 深夜に最近仲良くなったDJ七福氏のイベント、BOGOS!!@渋谷JZ Brat(http://bogos.exblog.jp)に出演します!!最高なDJに生演奏、ダンスを交えての一夜。当日、13soulsはドラムにmabanua、ベースにROOT SOULこと池田 憲一氏。さらにはPeanuts Productionのアナログ第1弾『チカテツキロク』をリリースした、mic.b a.k.a 73Pike set、『チカテツキロク』に参加したCELLO A..K.A MASSANをゲストに、東京の夜を彩ります。13soulsの"shades of blue"はもちろん、"チカテツキロク"のバンドセットも楽しみにして下さい!!それから、壊れた楽器をジュエリーとして甦らせる僕のサイドプロジェクト"STILL ROCK"も乞うご期待!! M:はい。"laidbook"とは、配信が中心の時代にこそ、パッケージにとして出す可能性を探ってみようというorigami PRODUCTIONSのコンセプト。手にとって飾って欲しい、永く手元に置いて欲しい。音楽のみならず、グラフィックデザイナーが集まって、こだわりのアートカードが入っています。これは簡潔に言うと、雑誌の様な感覚で月1で出していくCDですね。中身は7曲入りのCD。グラフィックデザイナーと、ミュージシャン自身も手がけているアートカードが10枚。それらが一つになったものが毎月第1水曜日に発売にしていきます。外観にもこだわっているのが、手にとって見てもらえれば解かると思います。価格も1,000円とリーズナブルです。あとは、レーベルメイトでトラックメーカーのSingo Suzuki(Bass)、Singo Sekiguchi(Gt)らと一緒にやっているバンド、Ovallが来年頭にアルバムをリリースします。 洋:このレコードは、色々なリスナーの方に楽しんで頂けるよう、生活の隙間に入って行けるようなコンセプトのもと産声を上げました。現場でラップやシンガー、DJやダンスをされる方、おうちで音楽を楽しまれる方、部屋に飾って頂ける等など、是非想い想いのBLUEに彩ってもらえますように。

M:とりあえずコンセプトとしては、13soulsの洋介君の言ってくれた通り
で、そこに共感し、心を込めて作りました。すごく良いアナログです。
-ありがとうございました!