INTERVIEWS

Side B - 1stアルバム「Primitive」の中身を語る

ITA(以下 I) & 中村料理(以下 N):ありがとうございます!いよいよって感じです! I:今回はOMBのレーベル、FRAME Recordingsからリリースんですが、今年の4月に彼のレーベルから出た、Makotraxの「What a Fxxxing」ってシングルにリミックスで参加して、そのリミックスをOMBが気に入ってくれて、今回のアルバムの話が上がりました。

N:もともと「アルバムを出したい」って、ずっと2人で話をしてたんだけど、なかなか実現に至らなかったから、今回はすごくいい機会に恵まれました。OMBと話しをして「リリースするならタイミング的にも絶対今年だね」って話になりました。 I:音楽業界を見ると、年々CDのセールスが落ち込んできてるし(笑)。出すなら今年中だなってことになりました。

N:今回はすべて初収録の曲ですが、そのうち何曲かはもともとライブでやってた曲です。確かにスケジュールはタイトだったけど、昔作った曲をリエディットしてブラッシュアップしたので、その分少し余裕がありました。

I:でも、もともとあった曲でも、かなり手を加えて磨き上げたので、以前よりすごくよいものに仕上がったと思います。相当時間かけたよね?

N:何回も聴きなおしてリエディットしたからね。 I:自分たちもデジタルリリースや、ダウンロードサイトを利用して1曲単位で買ったりしてるけど、デジタルはやっぱり形に残らないのが寂しいですね。僕らは自分たちの作品をCDという形にして残したかったので。

N:僕らはレコードを買って育ってきた世代なので、ものをコレクションするって気持ちが今でも強いんです。 N:やっぱりアルバムなので、最初から最後まで飽きないように聴いてもらえることを重視しました。

I:アルバムを聴いてもらうときは、やっぱり最初から最後まで聴いてもらいたいです。

N:基本は現場志向な4つ打ちのダンストラックなんだけど、家でも聴けたり、i-Podに入れて街中でも聴けるようなものを作りたかったので、5分前後の短めの曲とかも入れるようにしました。

I:DJユースなトラックは7分前後の長い曲が多いけど、家で聴いてると飽きちゃうこともあるので、展開をまとめたものもあります。 I:僕は3曲目の「1,000,000 cal」と4曲目の「Ho, Ho, Ho!」 かな。

N:僕は5曲目の「Chimpanzee」と6曲目の「Do You Forget」かな。1番最後の「Bitter But Sweet」もエンディングっぽくて好きだな。 I:3曲目の「1,000,000 cal」は今回のアルバムのために作った新曲なんだけど、ベースラインがウネウネしてて、トリッピーな展開を表現しました。 N:この曲は戦国時代の合戦をイメージして作りました。なのでイントロ部分でホラ貝を吹いている音を使っています。イントロ部分をホラ貝の音だけで引っ張っているので、ビートインと同時に合戦が始まった感が出せていると思います。

I:頭の中では完全に戦(イクサ)のイメージで、今となっては「戦(イクサ)か、三途の川」にしか聞こえないです(笑)。

N:実はこの曲は最初、Salmon君がやっているレーベル”WC Recordings”用に作っていたもので、それもあって、彼のレーベルカラーの和っぽいテイストが盛り込まれているんです。

I:原曲はもっとホラ貝の音が多かったんだけど、それを少し削ったり、ベースラインとかもいじったりしてリエディットしました。

N:原曲はもっと戦(イクサ)ですよ!ホラ貝吹きまくりですから(笑)。

I:やっぱりこの曲も好きだな。このアルバムの中で「1,000,000 cal」と「Ho, Ho, Ho!」は1番自分のDJスタイルに近い曲ですね。DJでも使いやすいです。 N:この曲もフロア栄えを意識して作りましたね。3曲目~5曲目にはアルバムの中でもとくにフロア栄えする曲を持ってきたかったので、うまくアルバムの中のピークを表現できた曲だと思います。 I:この曲はMarcellus Nealyっていう友達の声を使っているんだけど、アース・ウィンド&ファイアーの「September」ってあるじゃないですか?あの曲の有名なフレーズ”Do You Remember~”って部分を使って、昔マッシュアップを作ってライブだけでやっていたんです。そのときにMarcellusに頼んで”Do You Remember”っていう声ネタを録ってもらったんだよね。今回それを使おうかってことになって曲に乗せてみました。

N:マッシュアップを作ったときは、結局Marcellusに録ってもらったのは使わなくて、しばらく彼も僕らもその声ネタの存在を忘れていたんですが、今年の春先ぐらいに突然それを思い出して、せっかくの美声をこのまま使わないのはもったいないと思い、彼の歌声をメインに1曲作ったんです。 I:アーティストのスタイルによってさまざまなんだけど、9曲目の「Parallel Lines」って曲が聴く人のスタイルに関係なく誰にでもなじんでくれる曲だと思います。アルバムの中で1番聴きやすい曲だと思いますよ。 I:8曲目の「Ping Pong」は思い入れがありますね。

N:以前ニューヨークでライブする機会があって、その会場が普段は卓球場として使われている場所だったんです。そのパーティーの思い出を曲にしておこうと思って作った曲なんですが、今回はそれを少しブラッシュアップして収録しました。タイトルも卓球場だから「Ping Pong」(笑)。

I:そのオーガナイザーのreSOLUTE(http://www.resolutenyc.com/) は毎回めずらしい場所でパーティーをするんだけど、本当は野外でやる予定が当日雨が降っちゃって、急遽卓球場を使ってやることになって、とりあえず会場に行ってみたんですよ。中に入ったら、ちょうど会場を仕込んでいる最中で、すごく広い所に卓球台がポツンと1台だけ残されていて、そこで中国人のタンクトップきたオジさん2人が卓球やってたんです。その周りでパーティーのスタッフがバーを作っていたり、スピーカーを搬入してたりしていて、衝撃的でした(笑)。

N:でも人も結構集まって、500人以上は入ったかな。あのパーティはおもしろかったな。それもあって、思い入れのある曲でもあるし、そのときの思い出を曲として残しておきたかったんです。 I & N:ベルギーはおもしろかったね。

I:ライブをやった場所はブリュッセルから1時間くらい行った町で、そこは普通に栄えているんだけど、泊まったホテルが、町から車でしばらく走ったところにあるオーガナイザーの家の近所にあって。周りは運河と緑しかない場所で本当に田舎だったから、すごくリラックスできました。

N:そうだね。多分1時間くらい外をランニングしてても1人、2人ぐらいしかすれ違わないような所。だからすごくリラックスできたよ。 N:キャパは300人くらいの小箱なんだけど、お客さんがみんな温かかった!

I:「おまえ本当に東京からきたのか?」みたいに、みんなすごく気さくに話しかけてくれて。フランクな感じが日本にはない、いいところですよね。

N:ライブに関しては、会場の照明が暗いというのもあって、ブースからフロアがぜんぜん見えなかったので、ライブやってるときはお客さんのリアクションがわからず正直不安だったんですが、あとで映像で見てみたら結構盛り上がってました(笑)。 I:12月26日(土)は吉祥寺に最近できたCLUB SEATAってところで、今作のアルバムタイトルにもなっている、僕らがやっているパーティー「Primitive」で、リリースパーティをやります。

N:ぜひ遊びに来てください!