INTERVIEWS

Mathias Kaden

子供のころはよくヒップホップを聴いていて、とくにコレって決まったミュ-ジシャンが好きだったわけではないんだけれども、どちらかというとラジオを聴いていたね。 1994年に初めてハウスっていうものを聴いたんだ。そして1995年に初めてレコードを買ったね。テクノなどよりも、ハウス寄りの音楽を買うことのほうが多かったのかな。当時はMasters At Work、Ron Trent、Kerry Chandler、Josh Winkがすごく好きだったね。 音楽制作を始めたときは、自分の持っていたコンピューターとプラグインしか使っていなかったんだ。サウンドが好きだからって理由と、コンピューターを使って音楽を作るよりも楽しいから、今はハードウェアをメインに使っているよ。 このアルバムは、自分自身と自分の音楽性にとって新たな挑戦だったね。それは自分の心の中の、自由になりたがっている部分を全部解放したような感じなんだ。最初はコンセプトはなかったね。ただ「自分の中のハートに詰まっているもの」と、「自分にとっておもしろいもの」を音楽として表した感じかな。 この名前は3年前に思いついた。その当時、自分は新しいスタジオに引っ越して、そこのスタジオが入っている建物の番地が10だったんだよ! 最初、ダブのトラックを日本人の声で作ろうと思っていたら、去年「The Labyrinth」に出演したときに、友人の紹介でトモミと知り合って声を聴いて思いついた。「kawaba」はとくに自分の思い入れがあるトラックだよ。ヨーロッパ人にとっては、すごくエキゾティックで興味深い声に聞こえるんだ。日本人にとってもそうだといいと願っているよ。 今は週末が空いていることはないね。本当に自分は日本人なのかもしれない。毎日働いているよ。 “Freude am Tanzen”は、2003年に親友のアーティストMarek Hemmannと一緒に最初のEPをリリースしたのがきっかけかな。”VAKANT”は2005年にレーベルオーナーALEXにデモを送ったら、彼は早速気に入ってくれて、リリースに至ったんだ。
ほかにも”MOON HARBOUR”は 友人のDaniel Stefanikを通じて知り合いになって、今ではレーベルオーナーのMatthias Tanzmannとも仲のいい友達だよ。 僕の故郷はゲラっていうところで、イエナの隣にあるんだ。イエナにはしょっちゅういるけれども、自分の家はまだゲラにあるんだ。僕の町は東京とは間逆のところ。東京にあるものはイエナにはまったくなくて、イエナにあるものは東京にはない。クラブはないし、夜遊びに行けるような場所もない。おいしいレストランもなければ、もちろん日本食レストランはこの町にはない!若い人は都会に出てしまっていてまったくいないし、仕事もない。でもその代わりに静けさと森、自然がたくさんあるよ。 01: Tarron Trekka – Artys Iisii / Freude am Tanzen

02: Horacio – Horacio is Back / Cynosure Records

03: Mathias Kaden – Studio 10 / Vakant

04: 2000 and One – Heritage Remixe / 100% Pure

05: Joke 004 / Joke Records

06: Matthew Dear & Seth Troxler – Hurt (Martinez Dark Soul Remix) / Spectral Sound

07: VA - Mooharbour Joints Vol 1 / Moonharbour Records

08: Guillaume & The Couto Dumonts – The Secret is in the Pudding / Oslo Records

09: Mountain People / Mountain 008.1

10: Juno 6 – Oh Jemine / Oh Yeah Records 全部完璧だった。WOMBでの「Organza」は最高だったよ。大阪のTRIANGLEもよかった。東京公演も大阪公演もすごく完璧にオ-ガナイズされていて、トラブルもなくて旅の間中ずっと安心していられたよ。
「The Labyrinth」は、僕が参加したフェスの中ではすごくよかったフェスティバルのひとつだよ。あんなフェスははじめてだった。フェスではダブばっかりが聞こえてきたよ。すごくインスピレーションが湧いたね。それがきっかけで「kawaba」も生まれたしね。 寿司と鶏肉料理と、いろんな種類の汁物がすごく好き。日本食は今まで試したものは全部すごく好きだった。生卵もおいしいけれど、自分の胃にはもしかしたら合っていないかもしれないな。 TECHNIQUE(※東京・渋谷のレコードショップ)に行ってすごく感動したよ。新しいものも入っているし、とにかくいいものはなんでも揃えている。大半のドイツのレコード屋よりもよっぽどいいね。世界で1番いいレコ-ド屋のうちのひとつだと思う。 もちろん!すごく好きな店だよ。僕の好きな機材がたくさん置いてある。何時間でもあそこにはいれるよ。大きい機材を飛行機に積んで帰れないのが残念だけど。 むずかしいね。 どの都市も好きだけれども、やっぱり緑や山のある風景が好きかもしれない。 日本で知り合った多くの人は、僕の名前をうまく発音できなかったんだ。だから彼らのために名前を簡単にしてあげようと思って、日本語の名前を考えたんだよ。ゲラはドイツのど真ん中の壮大な森、緑にかこまれている。だからミドリ。僕の名前は「マティ・緑!」 うん!5月に日本にいくよ。今回は、お寺や伝統的な日本の古い文化を見て、日本という国をもっと知りたいな。あとは仲のいい友達と一緒に舞踏のコースを受ける予定なんだよ。 日本の人々は世界でも最高のオーディエンスで、尊敬できるオーディエンスだから、いつまでもそのままでいてほしい。 

マティ・緑