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Sound Pellegrino

まず今年はシングル「Bart Bmore」をリリースして、すぐにチャートでナンバーワンを記録したかな。それからTeki LatexもPara OneもそれぞれEPを出して、新しいサウンドと新しい方向性を提案している。そして僕らが期待しているRubix、French Fries、Bambounou、Noob、Renaissance Man、Jesse Rose, Tony Senghore、Momma's boyといったプロデューサーによる、僕らの楽曲のリミックスも発表されたね。 僕がレコードを買い始めて、本気で音楽に興味をもったのは90年代初めごろかな。その当時はもっぱらヒップホップにはまっていたね。Dr.DreやGファンクみたいな西海岸ヒップホップがほとんどだったけど、Redman、EPMDとかthe Hit Squad、ほかにもNative Tongues系や、ビギー、ウータンも聴いていたなぁ。あとはR&Bもちょっと聴いてたね。でも年が経つにつれて、もっとエレクトロニックな音楽ばっかり聴くようになったね。やっぱりDaft Punkに代表されるようなエレクトロニックサウンドは、どの当時のフランスでは多大なる影響を及ぼしていたからね。そのあとはIDMだとか、レーベルではWarp、Big Dada、Chocolate Industries、Tigerbeat6だとかのヒップホップとエレクトロニックサウンドのちょうどいいところみたいな音にハマったよ。それから、よりクラブっぽい、踊れるハウスとテクノに移行して。Squarepusher、Disco D、Feadz、Para One、Diplo、Switchなどは、そのプロセスの上では影響を受けたかな。 恥ずかしいものは何もないね。趣味の悪いトランスとか、ハードテクノとか、ガバみたいな音をたまにかけるけど、僕らのファンはどうもわかってくれないね(苦笑)でもかけたいときは、どうにもできないんだ!
あるときは、深くてソウルフルでイケてるハウスが、またあるときは、超オバカでクレイジーなサウンドが大好きだし。こういった音楽的矛盾が、Sound Pellegrinoを唯一無二のものにしているんだと思うよ。 Soul Clap、Kink、LOLboys、StayGold、Funkin Matt、The Walk & Roger72、Azari & III、Bambounou and his Youngunz crew、the Club Cheval一派(Myd、Sam Tiba、Canblaster、Panteros666)あたりかな。あとBrodinskiは今1番好きなDJの1人だね。そしてLVIS1990とBok Bokによるレーベル"Nightslugs"は最近本当にいい音をリリースしてる。
またレーベルが成功するためには、今の音楽業界ではライブだとか公演することがとても重要視されてるよね。僕は実際はライブにはあまり興味ないんだけど、DJとしてのパフォーマンスは本当に大事なことだと思っているよ。僕はDJセットで実現されるような人間臭い部分に魅了されているんだ。ステージ上ですでにでき上がったセットを演奏するライブパフォーマンスは、1個もキーをミスしないような神技プレイでも、ターンテーブルほどの魅力がないんだよね。
DJはダンスカルチャーにおいて大切な要素であって、僕たちのおもな収入源はDJプレイとなっているわけで。現場ではいつも何かが生まれて、何かが起こっている。僕らは、僕らのレーベルショーケースをSound PellegrinoのDJと共に作り上げることによって、自分たちのレーベルのアイデアやポリシーをそこで表現していきたいんだ。 挙げきれないぐらいたくさんいるよ。今思い浮かぶのは、Martinez Brothers。この2人は、本当にいいディープハウスのDJで、何度も彼らのギグを見ているし、本当に彼らとパーティーを一緒にやりたいぐらい。いずれはリミックスもオファーしたいよ。 日本では何度もプレイしてるよ。世界でも3本の指に入る大好きな国だよ。日本でのギグはすばらしいよ。オーディエンスがDJをすごくリスペクトしてくれる。何が起こっているのかをしっかり見ているし、精神的に深い部分で音楽と繋がっている。うわべだけで楽しんでいるヨーロッパのオーディエンスよりも、深い音楽への思いがあると思うんだ。TTC時代からいつも感じていたんだけど、日本人は僕らのフランス語の歌詞の意味がわからなくても、それを話せる人たちよりもそのムードを汲み取ってくれていたよ。
それに日本には友達もたくさんいるんだ。Big-Oやフェノメノンのクルー、DexpistolsとRoc Traxのファミリー、RevolverのKiri…、まだまだたくさんいるよ。去年はクロージングラインでPhenomenonとコラボレーションしたし、これからも日本人クリエイターと視覚的なものや音楽面でたくさんコラボレーションする予定だから、期待していてほしい。あとは中国や韓国での初ギグもとても楽しみだよ! ここ数年abletonを使ってDJをしてきたけど、最近はシンプルに、パイオニアのCDJ1000を2台とDJM800に戻したよ。これがとても使いやすくて、「シンプル・ザ・ベスト」という僕らの理念にかなっている。 絶対にSoul Clapだね。彼らはクラシックナンバーから産まれるディープなリエディットをたくさん作っている。そのあとはMasters At Workによるthe braxtonsのリミックス"The Boss"だとか、King BrittによるJosh One「contemplation」のリミックスみたいなソウルフルなハウスかな。あとDrexciyaのサイドプロジェクト「The Other People Place」も本当に本当に大好きだよ。これが現時点での僕らのアフターアワーズセットリストだね。 オーストラリアと北アメリカツアーから戻ってきたばかり。シドニー、メルボルン、L.A.、シカゴ、モントリオールなどなど、すごくいいギグを終えて帰ってきたばかりなんだ。本当によかった。で、今年はほかに「Exit Festival」っていうMissy Elliott、Erol Alkan、Boyz Noise、David Guettaがヘッドライナーとして出るヨーロッパの大きなフェスに出演するよ。あとはFabricでもプレイするかな。8月にはヨーロッパで何回かDJするんだけど、ほどほどにこなして、ちょっと休暇を取りたいなぁ。この夏は本当にめちゃくちゃ忙しいからね。
制作面では、目下「Dinosaurs with Guns」のリミックスEPを制作中だよ。あとScion A/V(米国版TOYOTAブランド"Scion"の音楽プロジェクト)からリリースされる、コンピレーションアルバムが控えているんだ。秋には期待のプロデューサー、Panteros666のファーストEPをリリースする予定。彼は、トロピカルハウスとガバをミックスしたような、ダークで不思議ですばらしいサウンドの持ち主なんだ。こういった新人アーティストを発掘して、彼らが世界的なスターに成長するのを見届けるのはおもしろいことだよ。