熊野:アートワークもペンで描いたみたいな、かわいい感じの。Bonjour RecordsとかiTunesで買えるようになるんじゃないかな。
Alex : リリースパーティーもあって、ちょうど僕もそのときヨーロッパを飛び回ってて、タイミングよくリリースパーティーにも出られたんだ。毎週の水曜日に夏限定で、セーヌ川沿いのエッフェル塔の下でRespectっていうオーガナイザーチームがやっている「ete d'amour」っていうパーティーがあって、そこでやったんだけど、リゾートっぽいところでとてもよかったよ!ガンガン踊るっていうよりは、もうちょっと社交的っていうか、おしゃれな感じで。
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3~4年前に、イタリアのファッションカンパニーで"Slam Jam"のレーベル"Reincarnation"の1番最初のタイトルを出して。で、そこから新しいEPを9月に出す予定だね。
彼らと交流があって、この間Tokyo Black Starのライブでヨーロッパに行ったときに、ボローニャで「Robot」っていうフェスティバルがあって、彼らもそのフェスに関わっていたり。すごいおもしろい動きをしてるんだよね。遊びもして、ちゃんとファッションビジネスもやって、音楽も、パーティーもやって。CARL CRAIG & THE INNERZONE ORCHESTRA「Live In Rome」っていうDVDを出してたりとか、Daniele BaldelliのCOSMIC SOUNDのミックスCDを出したりとか、すごいおもしろい動きをしてて。ずっと彼らと交流を持って、これからも一緒にいろいろやりたいなと。ちょうどアルバムを出したときも、僕らとInnervisionsとSlam Jamで一緒にスカーフを作ったんだよね、シルクの。それを限定ボックスセットに入れて。
熊野 : あとはね、Shigeru Tanabuさんが"UnderTone Recordings"っていうレーベルを始めたのかな。で、藤枝伸介さんのフリージャズみたいな、現代音楽みたいな曲のリミックスをやって、今度リリースされるんですよ。ダンスミュージックとかそういうカテゴリの音ではなかったんだけど、これがまた音響的に攻めようかと思ったら、どこからそうなった(?)っていう感じになっちゃって。原曲がすごくいいんだよね、和っぽくて。琴が入ってたりしてしびれるんだよね。配信日は未定だけど、iTunesとかBeatportで買えます。
このレーベルはチャレンジしてる感があるんだよね。1枚目はテックハウスだったのかな。で、Tanabuさんもリミックスやってて、僕はそれではベルリンっぽい感じのリミックスで。だから割とダンスミュージックっぽいことをやっていくのかなと思っていたら、今回がフリージャズっぽい感じだったから、おもしろいなぁと思って。曲聴いて、アレックスに「これどう?」って言って聞いたら、「Yeah!」って。で、そのままTanabuさんに電話して「Tokyo Black Starでやっていいですか?」って。
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一同 : (爆笑)
No Milk : レコードの盤にはそう書いてあるんですが、残念ながら配信はカタカナや日本語が入っているとそれができないらしいので、配信用には英題がついています。今回のリリースは日本人アーティストによるEPで、東京でディープハウスをやっているRodenionとKez YMと3人で1枚を出しています。せっかくだから日本語が入っているおもしろいジャケにしたいっていうリクエストがAndy VazってYOREのレーベルオーナーからあって。「YORE」って「昔」っていう意味らしいので、盤自体にも「昔レコーズ」ってプリントされているんです。正規リリースで"YORE"から25番目のリリースになるんだけど、せっかくだったら遊び心が入った感じにしたいって言われて。みんなそれぞれ邦題と英題と両方用意して、アナログ盤だけはカタカナとか漢字を使ったりして。ヨーロッパの人が手にとっておもしろいんだろうなって。
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日本人のコネクションで作ったものがヨーロッパにディストリビュートされるのは、すごくおもしろい経験だし、もっといろいろできることがあるのかな?って思ったりしてて。配信では"whatpeopleplay"が、たまに日本人のアーティストをピックアップしてくれるので、そういう意味ではああいうドイツのシーンとうまく関わりができて、そのうちむこうに行けたらいいなって思ってます。
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扱っているモノの幅は広くて、液体から、見たことないような装置から、普通に業務に使えるような電線からヘッドフォンまで。音に関わるもの、音響製品の総合ブランドということですね。
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あとはおもしろいもので「PHD」というのがありまして、これは今までの音を出す装置とまるっきり違うやり方でいい音を出すものなんですが、それを渋谷のHarlemさんの導入していただくことが決まりまして。6月末から現場でガンガン聴けるようになっています。みんなびっくりするぐらい音がいいです。
No Milk : 空間自体の閉塞感がなくなったりとか、音の輪郭がはっきりわかって、体に染み入るって感じで。音の立ち上がりを正確に再生すると、耳のフォーカスが楽に出来て、音楽がより楽しくなると思いますよ。
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あとはヘッドフォンを出しますので、そのテクノロジーをヘッドフォンに応用しています。これは今いろんな人に聴いてもらったり、評価をもらっているんですが、評判がとてもいいです。プロフェッショナルの中でもトップの人たちにすばらしいって言われてますね。今のところダメって言われたことはほぼないですね。それぐらい自身があります。ホントはどの製品もそのぐらいのレベルにあるんですが、ほかと比べるものがないものが多いので、少しずつみんなに体験してもらいたいですね。
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No Milk : ほとんどが新しい発想のおもしろい製品です。
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Alex : elevenには1回「Time Warp」のときにデモで使ってもらって、すごい興味は持ってもらってますね。あと「gallery」だね。クリプシュのシステムでやばかったんだよね。
No Milk : あとはゴールデンウィークにUNITであった、dj KENTAROやHIFANAの KEIZOmachine!やDJ UPPERCUTが出ていたイベントで使ってて、非常に評判よかったですね。エンジニアのUrbanさんも「スタジオにいるみたいだから、調整が目に見えるようにできて楽しい」って言ってくれて。来てたお客さんが気づいてくれてたかどうかはわからないですけど、いい音だったのは間違いないですね。
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Alex : 僕もヨーロッパでツアーしているときにみんなに聴かせたりとかして、ヘッドフォンのほうはAmeのフランクだったり、Dimitri from Parisとか、Dixonとかに聴かせてます。Steve Dash(注)と一緒にIntegral SoundsをやっているGeorgeにもサポートしてもらってて、すごいいい評価をもらっています。あとCarlos Mendesっていうグラミー賞をもらっているエンジニアで、CommonとかJustin Timberlakeを手がけている人もヘッドフォンが欲しいって言ってくれてて。海外に関しては始まったばかりだけど、トップスタジオに何件か行っていて、今コメントを待っているところです。
(注:世界中のクオリティの高いクラブを手がけるサウンドシステムデザイナー)
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No Milk : まずはHarlemで体感っていうのが、現状のクラブでは唯一できるところなので、ぜひそちらで体感してみて下さい。
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