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Tomoyuki Tajiri (note native) × 山本晋平 (LOVE&HOUSE)

山本:始めたきっかけ……そうですね、「LOVE&HOUSE」を始める以前からも、「エンタテインメント」という括りの中で大きなことがしたかったという願望が強かったのです。「エンタテインメント」といっても、一概に音楽だけではなく、映像も、ファッションも、ダンサーなどのパフォーマーも、デコレーションも、そこで遊んでいる空間の雰囲気も、関わっているスタッフも……包括的な意味合いを含めた空間。人が本当の意味で「時間を忘れて楽しむことに没頭して感動して……」そんな、男の子は勇者になれて、女の子はシンデレラになれる(笑)ディズニーランドみたいな、そんなエンタテインメントを作りたいっていう漠然とした想いがあったんですね。ディズニーランドってすべてが完成されているじゃないですか (笑)。そんな若いころ、20歳前後のときに、恵比寿ガーデンプレイスで開催されたイベントに招待されて遊びに行ったのですが「ビョークのデザイナーのショー」がメインのパーティーだったのです。それがもうすごくて。コンセプトも映像も音楽も照明も、ショーもランウェイを歩くモデルさんも、そこに集まって楽しんでいるお洒落な大人たち、もうすべてが当時の僕の目には「完璧」に映ったんですね(笑)。もう「パーティー!!」って感じで。それで何かすごく刺激を受けて「何か小さくても継続するイベントをしなきゃ」って思い立ったというのが「きっかけ」でした。とりあえず、誰もが楽しめる大きなエンタテインメントを作る「きっかけ」をまず作らなければと思ったのですね。そして不動前の"Sure"というバーから「LOVE&HOUSE」は生まれたのです。それから4年間くらいは、今思えば、本当に大変でした。今でも大変ですがお蔭様で、今では本当に優秀なスタッフや関係者やDJやVJが「LOVE&HOUSE」には集まっています。「LOVE&HOUSE」が続けられていられる秘訣のひとつは、そこにあると思っています。 田尻:7年前というとレコード屋で働きつつも実はアーティストへ転身したいという気持ちから、いろいろと試行錯誤してたころですね。DJとして都内のいろいろなクラブでプレイさせていただいてまして、渋谷の"The Room"でもレギュラーイベントをやらしていただいていたりと。そのなかで、今回のイベントご一緒させて頂くDJ KAWASAKIさんとも出会いました。今でもたまに"The Room"には遊びに行きますね。 田尻:レコード屋勤務時代から仕事の傍ら、都内各所で著名DJさんのサポート的役割や身内で開くイベントなどで活動していたのですが、やはり徐々にプロになりたいという欲求が湧いてきました。レコード屋に来るさまざまなジャンルの著名DJさんにも当時からいろいろと相談していたのですが、アーティストアルバムをリリースして認知度を上げることが僕にとっては先決だと決心したのが主なきっかけですね。 山本:実は初めて田尻さんを知ったきっかけは、とても失礼な話しなのですが、僕からではないのです。毎回のブッキングなどを「LOVE&HOUSE」のディレクターの後藤と相談しているのですが、そのときに、彼が田尻さんの曲を猛アピールしてきて、田尻さんの曲を彼から聞かせてもらって「あ、LOVE&HOUSEに合うじゃん!」と思って、すぐにオファーさせていただきました。確か1stアルバムのときだったような気がします。 田尻:僕が思う「ラブハ」の特徴は、まず間口が広いということ。普段クラブとは縁のない潜在的なユーザーを誘いリピーターへと変えてしまう。ある意味ディズニーランドに似た中毒性を感じますね。おそらく遊びに来ているお客さんもリピーターが多いように感じます。リピーターを作ることって簡単なようでイベントを打つ上でもっともむずかしいことだと思います。またDantzさんやTAKUYATOKYOさんはじめレジデントDJのレベルが大変高いということ。ゲストのサポート以上の立ち位置を完璧にキープしつつ、それがお客さんにまで浸透していると思います。間口が広く、一歩踏みこんだらコアな世界感も体現させてくれる。そんな特徴が「ラブハ」にはありますね。 山本:もちろん国内アーティストを中心にゲストにむかえてパーティーを制作するというのが「LOVE&HOUSE」を定着させるためのしばらくの方向性でした。ただ、なんで7周年でAnanda Projectだったかというと、僕が彼らのことを大好きだったからですよ(笑)。彼らの作る楽曲がすごく日本人が好きな哀愁あるメロディーなこと、それとライブのときの歌唱力だったり。これも勝手な思いなのですが、「あーLOVE&HOUSEに合うだろうな」ってずーっと以前から思っていたのです。それでたまたまよくしてくれているDAIJIROさんというDJの人と話していたら、たまたま"King Street Sounds"の担当者さんと繋げてくれて、話が盛り上がってフィックス!みたいな感じでした。だからこれからも海外のタレントであろうと、国内のタレントであろうと、「LOVE&HOUSE」のコンセプトに合うと思ったときは、有名無名関係なく積極的にチャレンジするつもりです。「LOVE&HOUSE」はまだまだ未完成なパーティーなので、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思っています。もちろん田尻さんの4thアルバムのリリパも……。 田尻:自分のDJセットにはもちろん、昨年リリースしたミックスCD「Naturally」にも収録した「Kiss Kiss Kiss」を生で聴けたのは感動的でした。バーカウンターの周りでショット乾杯をしているお客さんにも「この曲はとりあえず聴いとけ!」って言いたかったですね(笑)。後ろの方で見ていたのですが、本当に鳥肌もののライブでした。 山本:第1印象が温かかったです!!選曲もエッジが利いた選曲から、ハウシーで温かい選曲まで、本当に幅広く、常にフロアを意識して「サスガ!」って感じでいつも楽しんでいます。でもプレイ全体を通してガツガツしたイメージが一切ないんですよ。エッジが利いたガツガツしたセットでも何故か温かい。なんか田尻さんの人柄が滲み出ているようなそんなところが、僕は大好きですね。オーガナイズをしていて、よくDJの人の楽曲の趣味とか、音に対するこだわりとか、どうしても見てしまうのですが、もちろんそういうモノって大事だと思うのですが、人柄さえも音を通して伝えている、なんかそういうDJの人ってあんまりいないなって、そう素直に思います。でもそういうところは僕はすごく大事だと思います。DJってあくまで伝える人じゃないですか。伝えるものが何か、それが楽しいのか、おもしろくないのか、オーディエンスはいつでも素直だと思うんです。僕が田尻さんのDJから感じるものって、ウマサとか技術的なことは大前提にあるけど、そういう人間味だったりそういう部分ですね。 田尻:2008年2月にデビューして、その年の5月にはすぐブッキングしてくれたことは今振り返っても大変ありがたくうれしい想い出です。そのとき自分のプレイはこのパーティーに合うなと感じましたね。そこから2ndアルバムのリリパまでも何度か出演させていただいたり、イベント以外でもお付き合いさせていただいたりと、LOVE&HOUSEとはお仕事以上の繋がりを感じております。

山本:確か2年前でしたよね?2ndのリリパファイナルって。お客さんもたくさん入って、大盛り上がりでしたよね。あのときの盛り上がりようは、上のスタッフルームから見ていて、途中でジーンときました。今でも鮮明に覚えています(笑) 山本:素敵なリリースパーティーに仕上げることですね!田尻さんの存在を「LOVE&HOUSE」を通して1人でも多くのオーディエンスに伝えたいと思います。ゲストの田尻さん、DJ KAWASAKIさんをはじめ、「LOVE&HOUSE」のレジデント陣、クオリティが評判高いVJ陣、内装、ともに、たくさんの楽しみが詰まっています。ぜひ「LOVE&HOUSE」を知っている人も、知らない人も、みなさんのお越しをお待ちしています!

田尻):まずはダンスミュージックの醍醐味を、会場の"WAREHOUSE702"のすばらしいサウンドシステムで感じていただきたいですね。また来たいとみなさんに感じてもらえるようないいDJプレイができるようがんばります。「LOVE&HOUSE」がもつ中毒性を感じていただけたらなおよいですね。もちろんオリジナル曲もたくさんかけようと思ってますのでぜひ遊びに来て下さい!