INTERVIEWS
< >

Martin Landsky

僕は、今流行っているようなエレクトロニックミュージックがまだなかったころに育って、当時流行っていた70年代後半~80年代前半のファンクやラップをよく聴いていたんだ。Quincy Jones、Fatback、Grandmaster Flash、Herbie Hancock、D-Trainとか、名前を挙げたら切りがないぐらいたくさんのアーティストから影響を受けたんだ。このファンキーな音楽のルーツが、今の自分の音の中にも生きているよ。僕の音楽のすべてはヒップホップ、ディスコ、ハウスから始まっているともいえるね。 僕が覚えている限り、初めてのレコードは両親からのプレゼントで、SergeiProkofiev「Peter and the Wolf」で、クラシックの楽器を使った子供向けのミュージカルで、とってもユニークな芸術作品だったよ。自分で初めて買ったレコードはKim Wildeの7インチ「Kids In America」で、10歳のころだったかなぁ、ジャケットのKimの写真に一瞬で恋に落ちたんだ!(笑) ベルリンという街では、僕が知らない間にもいつも何かが起きているんだ。ベルリンの代表的なクラブ、"Panorama Bar"、"Weekend"、"Watergate"は、今もっともアツイ場所だしそれと同時に、たくさんの小さなクラブが毎週のようにオープンしたりクローズしたりを繰り返しているんだ。そのすべてを知ることはできないくらいにね。 もちろんこのトラックには思い入れがあるよ。オリジナルバージョンはJohn Tejadaの傑作だし。Johnはすばらしい友人であり、ずいぶん前から、そして今でも僕のもっとも好きなアーティストでもあるんだ。それに僕の音楽が進化していく中で、彼には大きな影響を受けてきたと思う。だから、実はこの作品を作ることに対してプレッシャーを感じたけど、オリジナルが持っているヴァイブスをそのままに、オリジナルのすばらしさを引きだせる作品にしたかったんだ。それは簡単なことではなかったけど、最終的にはそう悪くない作品になったと思っているよ(笑) まず、僕はレーベルのただのアーティストだよ。ただレーベルとは親密に繋がっているけどね。僕たちは、全員が友達同士で、一種の家族ともいえるかも。ただ、僕自身はレーベルのコンセプトや方針的なことには携わっていないけどね。だからもしかしたら、僕は事情に精通していないのかも知れないね(笑) 。
僕の意見としては、1つのレーベルを10年以上一貫したスタイルで運営していくのは結構大変なことなんだと思う。レーベルの独自のスタイルを打ち出した上で、音を進化させて、常に限界を超えながら新しい挑戦をする。常に進展し続けないといけないからね。"Poker Flat Recordings"は、それがよくできているレーベルだと思う。新しいアーティストのプロジェクトをいくつかやっているけど、それはレーベルの音を改めて定義することになっているし、ニューヨーク在住のアーティスト「Manik」の最新作がリリースされたばかりだけど、それはまさに"Poker Flat Recordings"な音だね。
そしてたくさんのサイドプロジェクトがあるけれど、それらがレーベル自身の新鮮さとおもしろさを保持することになっているね。たとえばデジタルサブレーベル"PFR"のクラシックシリーズがそうなんだけど、「Sweat(on the walls)」は、このシリーズからの最初のリリースだね。今後もスペシャルコンピレーションとか、いろいろなリリースの予定があるよ。次の特別版は、今春「Forward To The Past」というコンピレーションがリリースされるよ。それは超スペシャル版なんだ(笑)。 僕は日本が大好きなんだ。それがまず僕の日本に対しての印象かなあ。僕は、日本の伝統的なところと、とっても新しいところのバランスが本当に素敵だと思うし、それは日本のいたるところに見られると思う。文化、建築、芸術、音楽、ファッション、食べ物、それらすべてがユニークでカッコイイ雰囲気を作り出していると思う。特に僕のようなヨーロッパ人には、本当に異文化だし、新鮮だし、すばらしいね。そう、僕は日本食が大好きでそれもとっても楽しみだね。 日本には「田中フミヤ」「Ken Ishii」「Satoshi Tomiie」のような有名なアーティストがいるね。僕は「Ryo Murakami」が好きで、彼は"Poker Flat Recordings"からもリリースしたね。「Kuniyuki Takahashi」と"Mule Musiq Label"も僕のお気に入りで、ディープで洗練された音がカッコイイと思う。あっ「西本タケシ」も絶対に忘れてはいけない。彼は「I'm not a Gun」のプロジェクトを「John Tejada」と一緒にやっているけど、それはあり得ないぐらいすばらしいし、新しいサウンドの音楽だね。あとそう、ほかにも何人かとってもいい日本人のアーティストがいるんだけど、僕の脳は記憶することに長けていないんだ。ごめんね(笑)。 実はまだ知らないんだ。というのは、僕はただ今やるべきことをやっていて、それがいつかよい結果を出すことになればいいと思っているからなんだよ。だから特別なプランとかはないんだけど、エレクトロニックミュージックは、僕自身の価値観の中では芸術の形であって、それを通過して自分自身を表現したいと思っているんだ。プランについては、神のみぞ知るといった感じだね。 これはさっきの質問ですでに答えていることかもしれないけど、僕は音楽を通して僕自身を表現したいし、世界中の人に何かを伝えたいと思っているんだ。そしてそれを誰かが聴いてくれたらうれしいよ。 日本で1番印象的だったことは、日本のクラブとクラブに来ている人たちは、音楽に対して多様性があって、とてもオープンな雰囲気があるということ。クラウドはヨーロッパよりもオープンだし、彼らはまずアーティストの音をよく聴いて、そのあとで好きか嫌いかを決める。アーティスト的にはそのことに対して敬意を払いたいね。
日本のエレクトロニックダンスミュージックシーンがよりすばらしいものとなるためにも、ずっとこのヴァイブスを持ち続けてくれたらいいと思っているよ。もし日本の人たちがこのオープンな雰囲気と音に対する探求心をなくしてしまったら、シーンは本当につまらないものになってしまうからね。
それでは、みなさんにWOMBのダンスフロアで会えることを楽しみにしているよ!