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Timmy Regisford

はい、100%そうです。 Adam Riosは私の下で働いているんだ。私は彼の面倒を見始めてからもう2~3年が経つ。私が制作するとき、いつも一緒に行っているよ。彼は最近自身のプロダクションもやり始めているね。彼は私にとって新しいQuentin Harrisみたいなものさ。以前私はQuentinのことを育て上げ、そして今彼は独り立ちした。まだたまに彼と共作しているが、独立している。アダムは次の波だ。私は常に一緒に制作する新人を探し、彼らが育ったら、独自の道を歩ませるようにしている。 アメリカでは市場の現況のお陰で、注目している若者はすごく少ない。これは現在音楽を簡単に手に入れられるということにも起因している。多くのアーティストは自身の作品をきちんとリリースしていない上、リリースする方法さえを持っていないので、レコード会社も苦しんでいる。しかし、作品を出しているアーティストは、リリースする方法を探り、traxsourceなどからリリースしている。私が思っていることは、最近の新鮮で良質なディープ・ハウスは、ほとんど南アフリカからリリースされているということ。これはよく探さなければならない。南アのディープハウスのシーン、またLouie Vega、"Tribe"やその他いくつかの小さなレーベルなどが現在のハウスシーンを活気づけていてくれていると思うね。 「Suffering and Smiling」のミックスは私自身が手がけたものなんだ。今、私はフェラ・クティの音楽をリミックスしたアルバムを制作している最中。今フェラ・クティについての映画をハリウッドの大手の映画会社が制作していて、この映画のサウンドトラックになるんだ。今私自身としても、全く新しい企画なのだ。 ええ。彼の自宅に訪問したことがあるんだ。 実は私は彼と商談したことがある。はるばるナイジェリアまで行ったよ。モータウンから出すために、彼自身のカタログを買収するために、200万ドルでオファーしたんだ。そしたらフェラは窓に歩み寄り空を眺め、「神々からの助言を受け取ろうとしている」と言った。それから「いや、また来てくれ。来年会おう」と返事されたんだ。 また"ザ・シュライン"に行き、フェラのライブを見たよ。恐らく私の生涯の中ベストコンサートだったね。朝の2時から8時まで音が止まらず、6時間ぶっ通しで演奏していた。恐らく彼自身が亡くなる3年前、90年代の初旬ころだと思う。信じられないほどすごかった。 トニー・アレンは最近フェラ・クティの息子であるシェウン・クティとコラボレートしているよ。 アフリカン・ミュージックに関する知識は、すべてナイジェリアと100%フェラ・クティの音楽から始まった。どこまで深究したかというと、フェラの息子のフェミと契約を交わしたぐらいだ。フェラに会いに行く目的は彼自身のカタログを買収するためではあったが、手放したくなかったので、フェミと契約することに対して了承してくれた。それで、フェミと2枚のアルバムを手がけた。その後最近になり、私はフェラの音楽をリミックスする権利を取得した。パリの連中と私はフェラ・クティのカタログの一部を所有しているよ。 いや、FKO社から出した音源と、フランスのパリのいくつかの小さなレーベルから出したものだ。FKOという会社を運営している2人のフランス人が、フェラ・クティの全カタログと遺産を管理、所有している。最近彼らは全カタログを"Knitting Factory"(レーベル)にライセンスしたばかりだ。「フェラ!」のミュージカルにも出資し、全カタログを使用する権利を5年取得している。 最近フランスではフェラ・クティの全カタログ収録ボックスセットを出したばかりだ。30~40枚のアルバム、全カタログがこのボックス・セットに入っているんだけど、チェックした?すごくいいよ。 恐らく今まで手がけたミックスCDの中で初めて、多くの未発表の音源を収録した。その他のCDには、既発音源ばかり収録していた。本作では、最新の音源から、まだ発売されていない音源をより多く収録したかったんだ。これらの音源をクラブでプレイすれば観客は聴けるが、まだ入手困難なので、本作を手に入れ聴く機会をファンにプレゼントしたかったんだ。 自分のスタイルを変えなかったことだ。信じていることと好きなことに誠実であったこと。何年か前はより商業的な領域を確保するために、よりハードな音楽をかけることができたかもしれない。身売りせず、ソウルフルな音楽と付き合い続け、時代の変化に左右されず、自分自身に取って音楽から感じることを変えず、自分が信じていることに誠実であることを誇りに思っている。 若いころ、自分は歌詞とボーカルが好きだと学んだ。私は歌ものが好きで、それから離れなかった。いくら音楽伴奏がすばらしくても、もし歌詞とボーカルが付随していなかったら、またもしクラブにいてインスト音楽を30分ぐらい聴き続けていたら、そのうち嫌気がさすのではないかと思うね。感受性が引きつけられる何かを聴く必要があると思う。音楽(インスト/伴奏)を聴くことで、完全に満たされないのではないだろうか。音楽は誰かが何かを歌っていなければ、我々の気を引くことはできないのではとさえ思うね。 毎週来ていただくお客さんに対して、誠実であり続けること。これはとてもむずかしいことなのだ。彼らは私の家族のようなもで、毎週末稼いだお金を払い、長年私のことを見に来てくれているので、愛憎が絡み合った関係みたいなものなのだ。彼等が求めているものがあり、私自身もやりたいことがあるので、むずかしいのは彼らを満足させること。一方では長い間遊びに来てくれていて、彼らも成長したく、また他方で何人かはクラシックスを常に聴きたがり、変わりたくないと願っている。その状況に私自身は離れたかったのだ。なぜかというと……。 いやいや、私はクラシックスをかけるのに進展的ではあったが、今は新しい曲をかけることに徹しているので、それほどプレイしなくなったというだけだ。恐らく私はクラブでアフリカの音楽を初めてプレイしたと思う。私自身がやろうとしていることは、誰かが喜んでくれることだ。それを理解してくれている人に集中したい。新しい音楽をプレイしなければ、私自身も成長出来なくなるので。古い音楽はもうかけられないね。 安全性だね。昔はクラブは安全だったが、今は安全ではないね。面倒なことがありすぎて。たとえば入り口でバッグチェックされたり。ナイフを持ち込もうとするお客さんもいるし、暴力とかはもううんざりだね。80年代、90年代の初頭は、クラブに拳銃が持ち込まれることはまずなかったね。当時のニューヨークははるかに安全だったが、今はそんなに安全でなくなった。 変わりゆく時代の象徴だね。すべてが進化し、人々はよりイライラしていて、より凶暴になっている。 今はいつでもどこでも、暴力沙汰が起きてもおかしくない感じになっている。昔、ダンスクラブではこんなことは一切起きなかった。 音楽をやっていたり、音楽が好きなみなさんに対してこれだけ言いたいが、最初に歌の要素に注目してから、伴奏を聴いてほしいね。音楽は常に変わるが、たとえばもしあなたがスティーヴィー・ワンダーの曲を知っているのであれば、まず彼自身が歌っている歌と歌詞を知ってほしい。次にその伴奏ではないかと思う。ライオネル・リッチーや、他のすばらしいソングライターにも同じことがいえる。みんな彼らが作曲したすべてのビッグヒットで、歌われている歌詞を認識していて、決してその曲の伴奏ではないのだ。 君自身にとって、ポップとはどのような音楽のこと? それはポップではないよ。 君にとってのポップとは何なのか説明するよ。説明するために紙を下さい。これは私自身が音楽業界で仕事し始めたこと、学んだことだ。あなたは「ポップ」という。私は「ポップ」をこちらに置く。(ティミーは大きな丸を描き、ポップと書く)ここにはR&Bを置く。(ポップの丸から線を引き、R&Bの丸を描く。以下同様)そしてダンスをここに置く。そして、ロックをここに置く。ラップ……。ラテン……。
ご覧のとおり、これらのすべての音楽ジャンルはポップである。ポップとは、R&Bのジャンルの中もっとも人気のあるものはポップである。ラップの中、もっとも人気のあるものはポップである。ジャズ、ラテン、その他でも同様に、ポップは人気あると意味する。なので、ポピュラーミュージックとはあなたが選択したいかなるジャンル内でもっとも人気があるものなのだ。ライオネル・リッチーはR&Bで、スティーヴィー・ワンダーもR&Bで、ジェイZはラップだ。しかし、これらはすべてポップミュージックであり、それぞれ人気があり、そのジャンルの中のベストなものだ。なので、ポピュラーはある一種の音楽ブランドではなく、あなたが聴いているいかなる音楽の中のベストなのだ。 ということはあなたはR&Bを聴いて育ったのさ。それはその当時ポップミュージックではなくR&Bだった。 それはポップなR&Bミュージックだ。 現状維持を続けるかと思うね。どこか途中で、今音楽を作っているアーティストが歌手を探すセンスを磨き、音楽制作することは努力が必要だと認知し、いい歌を作曲する作曲者を探し、本当に歌える歌手を見出し、いい歌、歌詞と音楽を上手く組み立てる才能を開花させない限り、現状維持が続くと思うね。
いくつかのレコード会社は境界線を引かなければならず、「我々はこれを出したいが、あなたがやろうとしていることをより拡大させ、より良くしたい」と言わなければならない。恐らく4~5年に一度、ある特定のレコードは隙間を通り越し、ダンス系のアーティストがメインストリームに入り込むことはできるが、我々はいい歌と歌詞の音楽を出さない限り、何も変わらないと思うね。 思い当たらないね。どのアーティストが成功し、ヒットするのかわからないよ。今は、レディ・ガガを見るとわかる。彼女の音楽はダンスだ。すべてのダンス・ミュージックで人気を得ることができる、彼女はその成功例だ。彼女よりも前にに成功したのは、マドンナだ。マドンナの音楽もダンスミュージックだよね。
ということは、4~5年に一度隙間をくぐり抜けたアーティストがビッグになるが、ソウルフル(ボーカルハウス)のシーンではむずかしいと思う。このシーンの音楽は、うまく音楽市場内の他のジャンルを超越することができないからだ。 日本のお客さんには、かなり音楽の教養があることだね。とくに東京の観客は新しい音楽に対してすごくオープンで、彼らは、思いっきりパーティーしに来てくれる。これはなぜかというと、彼らは毎週は私のDJプレイを体験できないからだ。ニューヨークではこの手の音楽を、毎週どこかのクラブで聴くことができるので。なので、年に何回か来日するとき、来てくれるお客さんは思いっきりはしゃぐ準備万端だ。それは私に取ってうれしいことさ。そして、彼らが持って来てくれるエネルギーに私はインスパイアされ、17~18時間続けてプレイすることができる。 このCDを買いに行ってみて下さい。恐らくあなたが聴きたい、まだリリースされていない、多くの新しい音楽が収録されているので。