INTERVIEWS

Hiroshi Watanabe aka Kaito

"Kompakt"のレーベルメイトでもある「Popnoname」と僕との共作を"Fountain Music"から昨年リリースした後からレーベルとの繋がりができ、今回のリリースに至りました。 今回のミックス依頼を受けたのは通常のスタイルではなくあくまでも「レーベルの音源のみを使う」という企画でした。僕の中でその括りを設けて逆に、どこまでおもしろいものができあがるのか?と、とても興味が湧いてきました。自分にとってのテーマは持たず、可能性と挑戦という気持ちが大きいです。今作品のタイトルやミックスコンセプトと題しているものは、レーベル側が先に用意していたもので、僕が決めたプロジェクトではないということです。 レーベルが今までにリリースした音源を、当然ですが全ては知りませんでした。ただ、このミックスCDを作り上げるにあたり、じっくりと全ての楽曲を聴きこみセレクトしていくにつれ、どんどんイメージが膨らんできました。レーベル音源は、とてもミックスしがいのある素敵なトラックがたくさんありました。 レーベルエクスクルーシブミックスというのは基本的には、より多くのアーティストを可能な限り入れながらも、レーベルカラーを打ち出しつつ、自分自身のDJのスタイルをも盛り込み、自分自身がかけたい、使いたいと思えるトラックを奇麗にバランス良く分散させる。正直、簡単ではないです。例えば単純に音だけを辿ってセレクトしていってしまうと、気がつくと同じアーティストの曲が多く選ばれていたりする時もあります。でもそれではミックスCDとしては成立しませんので、好きな曲とアーティストのバリエーションを同時に配慮していきます。このプロセスにはおもしろさと難しさが常に混在しています。 ここ近年、僕のDJのセッティングはいつも通りなのですが、録音は自宅のスタジオでしました。Mac Book ProにTraktor PRO2、Vestax TR-1MK2を使用し、Native InstrumentsのAUDIO6とX1も追加しています。最終的にはVestaxのPMC-580PROに通して、そちらでもエフェクトを使用しています。 ここまでの短い間隔でのミックスは、よほど現場で自分の持ち時間が短い場合でない限りはしないです。ただ、自分のDJスタイルとして言えるのは、「常に1曲だけがかかっている状態を可能な限り少なくする」というポイントは同じです。延々と何かが重なり合っている状態を常に楽しんでいるミックスが多く、TRAKTORで可能な限りのパフォーマンスを自分なりに常に模索しています。 今の時代で考えるならばある意味、挑戦だと感じています。ネット上にはいくらでもDJミックスが聴ける環境がありますし、ラジオやライブレコーディングされた音源など…とその数は限りないです。そういう状況下で、ミックスをリリースするという行為は、やはり"挑戦"という言葉が1番今は合っているのかも知れない。当たり前ですが「商品として」、というボーダーラインがそこにはあるので、制作に入る前に分かっている訳です。そういう気持ちで魂を込めた1つの作品である! と前提でいえば、楽曲リリースもDJミックスのリリースも意義としては同じであると思います。 その他にもいくつかミックスCDはリリースしてきていますよ。ただ、過去にリリースした「Contact To The Spirits」に関しては、今作と同様に"Kompaktの音源"というレーベルの括りで作られていました。当時も今も楽曲に対して、「どうその場の感覚でミックスを楽しむのか」という考えは何も変わっていないし、今後も同じだと思っています。ただ、表現方法がいろいろと広がっていくのは間違いないでしょうね。 自分の場合、実はダンスミュージックの真髄を知るために始めました。当時、まだボストンにいた頃ですが、日夜楽曲制作、自分なりの音を探し求めている時に感じたのは、「この音楽はやはり頭だけで考えて作るのは不可能だ」ということ。当たり前のことに気付き、DJという行為を通じ体感しなくては、本当の意味で作り手側として大事な要素を見落としてしまうだろうと思ったことが全てでしたね。 爆音でかけたいと思えるものをひたすら、思うがままにセレクトし、延々と繰り返すだけだと思います。そこが自身の中でシンクロしていくと自然にお客さんと自分もシンクロし、一体化していくのだと思います。最終的にはフロアにいる皆と共に時間の感覚のない空間を音で埋めつくし、音だけに身を委ねることができるようにしています。 自分がこれだけPCを現場で使用してきていますし、これはDJに限ったことでないと思っていますが、デジタルから始めた人、アナログから始めた人、どちらのやり方も成立します。あくまでも僕の意見ですが、何を使うかではなく、どうフロアという空間を演出するのかが、もっとも重要なのではないでしょうか。デジタルであれ、アナログであれ、フロアをロックするかどうかはそのDJに懸かっている訳です。本当の意味で、ダンスミュージックの心地よさがどこにあるのかを感じることが可能ならば、後は「何を選択するか」は個人個人の選択に過ぎないと思います。 当然です。これはもう別の質問でも答えた通りですが、DJという立場に立って見えるものはとてつもなくこの音楽へのヒントが詰まっています。DJ活動は制作には刺激だらけです!!! それはお客さんの方が何かを感じるとしたら感じているのかも知れないですが、自分自身の中ではそれがあるとして何かを探ろうとはしていませんね。あえて言うならば、僕ら日本人だからこそできるDJの手法というものはたくさんあるだろうと思います。日本人が持つ繊細さ、わびさび、独自の文化、全ては表現の基となるでしょう。そして、それらを知りうるためにも自分が1度海外へ出て行くのは、見つめ直すのに良い機会になると思います。 自分が成功者だと到底思えませんし、僕も聞きたいくらいです。ただただ何か情熱をぶつけ続けているだけです。この件も、あえて言うのであれば積極的に一歩でも二歩でもとにかく未知の体験へとひたすら踏み込んで行くということなのでしょうね。 自分ではとても答えにくい質問ですね。僕は音を空間演出の1つとして常に捉えています。あとは、リスナーが感じたままで良いです。知らぬ間に音が聴き手の心に溶け込んでいてくれれば…それだけで良いです。 素晴らしいDJやクリエーターはたくさんいますので断定できないです。ただ、積極的に日本の自分よりも若い世代のクリエーターが作る作品には常に目を向けていますし、素敵な作品がたくさんあります。このシーンが今よりもさらに活性化していくためにも、新しい世代のより積極的な活躍が重要ですからね。 本音で言ってしまうと、アーティストという括りや言葉は好きでないです。震災後も、活動や思いは変わらず、ただ一層存在意義というものを強く高めているのは確かです。より的確には、アートという物を捉えて何かを作っていると思ってはいないです。むしろ、より生々しいものでありたいし、人間そのもので在ってほしいと考えています。 幾つかのアルバム制作だったり、多岐に渡る構想は多くありますが、変わらずずっと音楽を作り続け、DJやLIVE活動を通じてより多くの人と繋がっていきたいと思っています。 発売日:2月29日(水)
レーベル:PLAZA IN CROWD by FOUNTAIN MUSIC

FOUNTAIN MUSICは、2008年のレーベルのパーティーで融合して以来、Hiroshi Watanabeの世界最上級DJテクニックに全信頼を置く。ミックスは、もの凄いブレイクエネルギーを発揮し、今までの"FOUNTAIN MUSIC"の楽曲をその何十倍の力と技術で向上させ、美しさをそのままに広大なスケールでコンセプトを表現することに成功している。
楽曲は、大御所のKen Ishii & Dave Angelのコラボレーション、Hiroshi Watanabe & Popnonameのコラボレーション、DJ Yellow、Foog & Temma-Tejeコラボレーション、DJ Wadaのリミックス、DJ Sodeyamaのリミックス、Sans Soleil、synethesysほか、今後期待されている"FOUNTAIN MUSIC"からアルバムを予定している若手、Tsuguharu x HayashiやAlveol、また、ヨーロッパで人気のcaTekkやLife Recorder他全26曲が収録されている。
Coco Chanelが20世紀初頭にファッションで世紀を導いた様にCENTURY GROOVE INNOVATIONは、世紀を相手取ったグルーヴで21世紀を導くことになるだろう。

●トラックリスト
01. Hope / synethesys
02. Liquid / P. Laoss Bottom Shaking Remix - Martin Schulte
03. Pulsar / No'mad
04. Run - TEMMA-Teje
05. Free My Soul / Ney Faustini
06. Black Man / Luis Gaviria
07. Synchrotation / Low Orbit Satellite
08. Falling Drops - Original Mix / Life Recorder
09. dumb / Foog & TEMMA-Teje
10. Sensual / Alveol
11. Tranzylvania / Original Mix - DJ Yellow
12. Ghosts of Gratiot / Louis Haiman
13. Last Sirtaki Feat. Annette Sihler / Original Mix - Peter Clamat
14. The Future Is Now / Thopa
15. Type E pre master / Ken Ishii & Dave Angel
16. The Sound Of Breaking Waves / Original Mix - caTekk
17. Blokium (Unbalance Remix) / Gonzalo MD
18. Compulsion / DJ Wada Remix - Little Nobody
19. ome Back Together caTekk remix / Peter CWB Mooka
20. Moulinex / Sans Soleil
21. Rim de for / Tsuguharu Hayashi
22. Setsuna / Yousuke Kaga
23. Cherry Breaks Dj Sodeyama Remix / Hiroshi Watanabe & POPNONAME
24. escape / Dublee
25. All Around The World / Original - dsitb

Concept : Shinji Tokida
Artwork : Takehiko Kitahara
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