INTERVIEWS
>

I WANT YOU

少し大袈裟な表現になってしまうのですが、日本が戦後に経済の発展を目指したピークを経た現在、僕たちが目指すべき未来の豊かさというのは、人生をどう生きるか?というテーマの中にあって、それにはさまざまな文化が重要な役割を担うと考えています。「I WANT YOU」は、僕たちが考える/楽しめる文化を伝えることをしっかりと自覚した活動の場になればと思っています。 まず、楽しむということ、あたりまえだけど重要なことです。(笑)
「I WANT YOU」での重要な活動として、各都市でのローカルネットワークの形成があります。これまでは、東京以外の都市では、イベント採算のことなんかもあって、ゲストとして現地のイベントに参加するということが多かったわけですが、「I WANT YOU」に関しては、可能な限り、フルメンバーで各都市に出向き、そこで僕たちが考えるイベントを体感してもらうということを大切に考えています。自分たちが考える「楽しみ」を妥協のない形でプレゼンテーションしつづけることで見えてくる新たな可能性があると思います。同時に開催するワークショップにもぜひ参加してもらいたいですね。ワークショップといっても、オープンな交流の場という感じです。 自分たちと音楽/文化の未来にできることは何か?と思ったことですね。
僕は日本からパリに移って12年目を迎えたのですが、ここ数年、日本で自分がすべきことは何だろう?と考えることも多くなっていて。これは、僕に息子が生まれたことなんかも関係しているのかもしれませんが、自分が日本人として生まれた意味みたいなことを考えていました。
最初は、単に東京以外でパーティーをやろうという簡単な気持ちで、eater / AOKI takamasa / kohei / tomoho という古くからの友人たちをさそって始まったのですが、最初のパーティーをした後に、何か漠然とした可能性を感じたんです。それが何かはその時には明確ではなかったのですが、真剣に考え始めました。その後、デザイナーとしてMAA / Hisaも含めた今のメンバーでの活動の構想へと発展しました。 現場での熱量の交流は、単なる情報なんかとは比べ物にならないということですね。100の知識なんて、1の経験の前には何の意味も無いと思いますよ。だから、やはりパーティーの現場に来てほしいですね。パーティーではプロのソムリエに「I WANT YOU」のためにセレクトしてもらったワインも用意しています、美味しいお酒飲みたいですから。(笑)

音楽は理解するものではなくコミュニケーションの手段です、どう理解したっていいし、どんな音楽が好きでも嫌いでも構わない、楽しめればそれは幸せなことだと単純に思います。僕は映画音楽やクラシックの作曲もします、クラシックの畑の人の中にはクラブミュージックのことを低能な音楽だと思ってる人たちもいますが、僕は逆にそう思ってる人って可哀想だな・・・って思います。好き嫌いで判断するのは自由ですが、上下で物事を判断するのは、ほんとうに貧しいことです。音楽を楽しんで、踊って、人と知り合って、美味しいお酒を飲む、豊かな文化ですよ。踊るって人間の根源の快楽ですから。(笑) パリの自宅には簡単な作曲のセットで、東京の自宅にスタジオがあります。それらを行き来しながらですね。もちろん、管弦楽とかは大きなスタジオを使用しないと無理ですが。 映画を観ることが多いですね。
後は、諦めるとか。(笑) 全てに思い入れがあるので、答えに困りますが。半野喜弘名義での「Lido」というアルバムと、2007年にスイスで作曲/初演した航跡/WAKEという交響楽が、僕自身の全体像に近い作品だと思います。 上記の2作品ですね。Lidoは足掛け5年かかったし、航跡/WAKEは60人を超えるオーケストラ編成でおまけにスイス人/ドイツ人などの混合だったので、ほんとうに大変でした。格楽章や響きなんかを、具体的に言葉として説明しないといけないとか、その哲学を明確に伝えないといけないとか、音楽以外の部分でも大変でした。 RADIQでの12インチのリリースはいくつか話があるので制作しようかと思っています。後は、台湾映画と中国映画の映画音楽をやっています。中国映画は大規模なものなので、断続的に来年迄作業は続きます。 よりボーダレスにいろんな要素を取り込んでいきたいですね。音楽だけではなく、我こそはっていうアーティスト待っています。こんなことやりたいっていうアイデアもどんどん取り入れていきたいですね。