INTERVIEWS

沖野 修也

はい。ジャズレジェンドの登場です。ハード面で去年程の改革はないですが、ソフト面では伝説的なジャズミュージシャンが出演することで新たな次元に突入したかなと。今までは、クラブジャズとクロスオーバーミュージックのアーティストが出演するイベントだった訳です。しかし、今年はMiles Davis やArt Blakeyと共演歴のあるCarlos Garnettが参加することになったんです。僕が好きなジャズの中でも、もっとも多くプレイして来たスピリチュアルジャズの巨人が、70年代のダンサブルな楽曲をTCJFでプレイするというのは事件だと思うんです。ジャズのフェスティバルは数多くありますが、クラブで人気のあるジャズミュージシャンが出演しても、クラブで人気のある曲を演奏するとは限りませんからね。TCJFのオーディエンスのためにレジェンドが、キラーチューンだけをプレイするのは画期的なことだと思います。 ヘッドライナーは、Carlos Garnett feat.Bembe Segue。Bembe Segueは、去年震災で来日がキャンセルになった後、しばらく連絡が取れなかったんですよね。何でも脳梗塞で生死を彷徨ったとか・・・。奇蹟的に復活を遂げ、来日が決定しました。しかも、彼女は過去、KYOTO JAZZ MASSIVEと彼女のソロ名義で2度Carlos Garnettのカバーをやっているんですよ。今回の共演は彼女にとって念願の対面でもあるんです。そして、The Brand New Heaviesのボーカル、N'Dea DavenportがDJ KAWASAKIとPA LIVEを行ないます。彼女は僕のソロにも、DJ KAWASAKIのアルバムにも参加してるんですが、両者の曲を歌ってくれる予定です。TCJFのオフィシャルコンピにも収録されるShuya Okino feat.N'Dea DavenportのDJ KAWASAKI REMIXもやります。ライブでは、国内からもう1組。ニューアルバムをリリースし、今年のFUJI ROCK FESTIVALにも出演し、最高のテンションで乗り込んでくれるであろうMountain Mocha KilimanjaroがTCJF初登場です。DJは、7月にバンドでBLUE NOTE東京でのライブを終えたばかりのJazzanovaからJürgen von. Knoblauchがやって来てくれます。日本勢は、去年プレパーティーで素晴らしいプレイを披露してくれたCHARI CHARIこと井上薫氏。今年、スピリチュアルジャズの名門レーベル"BLACK JAZZ"のミックスCDをリリースしたDJ Mitsu The Beats。方やマイアミのソウル/ファンクの名門レーベル"TK"のコンピレーションをリリースした黒田大介氏も参戦決定。その他にも、高円寺のレコード店、UNIVERSOUNDSのスタッフでもあるRyuhei The Man。名古屋在住のクリエーター、Brisa。The Room屈指の人気パーティー、CHAMPから冨永陽介、Oibon、大塚広子の3人。僕の右腕でもあるBLACK EDITIONこと佐藤強志。TCJFでは海外アーティストの窓口になってくれているYukari BBもDJとして名前を連ねています。もちろん、僕、沖野修也も出演しますが、今年は弟好洋とKYOTO JAZZ MASSIVEとしてTCJFでは初のDJプレイなんですよね。 レジェンドと若手の融合でしょうか。Carlos Garnettを筆頭に、Bembe segueはブロークンビーツのレジェンドだし、N'Dea Davenportはアシッドジャズのレジェンドだと言えるでしょう。JazzanovaのJürgen von. Knoblauchならフューチャージャズのレジェンドだし、井上薫氏も黒田大介氏もそのキャリアから言ってDJとしては十分にレジェンドの領域に達していると思います。一方、モカキリ、Mitsu君、Brisa、Ryuhei The Man、CHAMPは若手というか次世代ですよね。その両者が融合することで、クラブジャズとクロスオーバーミュージックの"現在"みたいなものを検証できるのではないかと思っています。今、僕達は何処にいて、これから何処に向って行くのかということを見極めるためにも。 いろいろなフェスティバルがありますが、そのまま世界に持って行けるような内容にしたいんですよね。集客のために音楽的に妥協したくないし、海外から来た人に「日本ってこんなもんか・・・」とも思われたくない。それに、世界基準をクリアできる日本人アーティストが結集することでメッセージを発信しているという側面もあるんです。国内だけに目を向けていないで海外を視野に入れることで可能性を拡げることができるという。そもそも、DJなんてものはいつも世界基準で物事を考えていた筈なんですが、いつの頃からか音楽業界に取り込まれてしまって目先の利益と売名のために妥協を良しとする人種に成り下がってしまった。もちろん、皆がそうではありませんが・・・。世界基準にこだわるというのは、質より量を求める安易な風潮に対する強烈なアンチテーゼでもあるんです。 基本は僕が好きなアーティスト、しかもリリースがあった人が候補に挙がります。実行委員からの提案もありつつスケジュールや条件を交渉しながら最終的に選考されて行きますね。限られた予算の中でブッキングしているので、そう多くの海外勢を招聘することはできませんが、逆に世界に通用する日本人アーティストをラインナップに揃えるというミッションも確立されています。僕の意向は全面的に反映されていますが(笑)、僕もいくつもの候補を出して決定のプロセスではスタッフの意見にも耳を傾け、多様な人に楽しんでもらえる人選を心がけていますよ。 そうですね。さしずめ、TCJFは巨大なタマリバ!と言ったところでしょうか?観るも良し、飲むも良し、踊るも良し、喋るも良し・・・。単に出演者の方だけを向いてワーッと盛り上がるのではなく、思い思いのスタイルで楽しんで頂きたいですからね。その空間、そして、ブッキングに込められた意図やラインナップから読み取れる僕の想いみたいなものも共有してほしい。つまり、パフォーマンスを楽しむだけでなく、TCJFが描くストーリーにも興味を持ってもらえるといいかなと。キャンプと修学旅行と夏祭りが合体したような野外フェスは僕も大好きですが、TCJFは、僕が考えるタマリバ=音楽や人との出会いがあるクリエイティヴな空間の、年1回のスペシャルヴァージョンだと解釈して頂いて構いません。 やはり、Carlos Garnettのライブでしょう。70年代に彼が自己のバンドを率いて5枚のアルバムをリリースしているんですが、その中からなんと恐れ多くもこの僕、沖野修也がフェイバリットを選び、御本人に演奏して頂くという特別なパフォーマンスですからね。しかも、パナマから乗り継ぎを含めて30時間もかけてやって来てもらえるんですよ!20年以上前に大阪の中古レコード屋で彼のアルバムをジャケ買いして以来、いつかライブを観たいと思っていたんですが、まさか自分が呼んで、自分が選曲して、バックのミュージシャンも僕が選抜するとは夢にも思っていませんでした。ホント、感無量です。 引き続き巨大なタマリバであり続ける(笑)という基本方針はありつつも、会場のチョイスや内装や展示にもこだわりたいですね。建築やインテリア、デザインを愛好する人が集うような音楽イベントにしたいんです。そういう意味では、僕はライフスタイルフェスティバルを目指しているのかもしれません。 僕はThe Roomという小さな空間をプロデュースしていますが、そこで全てが表現できている訳ではありません。それ故に、規模の大きなイベントでThe Roomのスピリットを継承しながら、The Roomでできないことを実現するのがTCJFなんです。この両者は共に僕にとっては大切な存在です。もちろん、騒いでいいですが、インスタントな興奮よりも、震えるような精神的な高揚感を体験してもらえるようなイベントにしたいと思っています。このインタビューを読んで興味を持って頂けたら、ぜひ遊びに来て下さい!宜しくお願いします。
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