INTERVIEWS
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Jürgen v. Knoblauch

引っ越ししたばかりなので、自分用の小さいスタジオを今セットアップしているところだよ。それ以外は以前と変わらずだね。DJしたり、レコード買ったり、仲間たちと音楽をチェックしたり、新しいJazzanovaの曲について話し合ったり。ただ、今は家族もいて忙しいので、以前ほど活動できてないかもしれない。大きな変化は、Jazzanovaに関連するレーベル"Sonar Kollektiv"を仲間と一緒に運営しだして、彼らがA&Rなどを手伝ってくれているよ。 バンドをやることは、われわれにとっていつも大きな夢だったんだ。初めにバンド展開していくことになった時は、全員が携わっていて、今も関わってはいるけど、今ではどちらかというとパートナーであるJazzanovaのStefan Leisering(ステファン・ライゼリンク)とAxel Reinemer(アクセル・ライネマー)が主にバンドでの大きな役割を担っているんだ。初期のころの彼らは、スタジオのみでの仕事をやってくれていたけれど、今ではバンド活動での素晴らしい経験をスタジオワークへも持ち込んできてくれているよ。私はみんなと一緒に旅してバンドのパフォーマンスの後にDJしたいんだよね。 DJとライヴ活動は、われわれのルーツであり、多様性を含んだ活動なんだ。われわれはバンドだけど、普通のバンドではなく、もはやファミリービジネスのような組織でもあるんだ。その内のだれかが作詞をしたりパフォーミングしたり、その傍ら、われわれの楽曲を、われわれのレーベルである"Sonar Kollektiv"で契約したり。家族のように一丸となってビジネスをしていることでのデメリットも当然あるとは思うけどね。 TCJFは今まに行ったフェスティバルの中でも最高なイベントだよ。それこそ前述したように、ライヴバンドとDJセットを関連づけたイベントであり、私はそのスタイルがすごく好きなんだ。そのような音楽性を併せ持ったイベントが好きで、両方のスタイルで音楽のパフォーマンスを融合させる事で生まれる、素晴らしい音楽的宇宙ができあがるんだ。TCJFの最後に出演者であるバンドのメンバーたちが全員再集結し演奏するさまを観るのがいつも楽しみなんだ。 彼がまだマンディ満ちるのツアーマネージャーで、ヨーロッパツアーに同行していたときベルリンで会って少しだけ話したのがはじめだった。確か1997年かな。けれど、その翌年私の日本ツアーでちゃんと会ったのがはじまり。それ以来彼は、われわれの友人であり、パートナーでもあり、Jazzanovaのツアーをオーガナイズしてくれるだけではなく、ポテンシャルのある日本でのパートナーを紹介し繋いでくれたり、"Sonar Kollektiv"のプロモーションもしてくれているが、忘れてならないのが、好きなDJであり、そしてパートナーでもあるのは、彼の横にいる弟、沖野好洋もだ。ひとつ心残りなのは、我々のベルリンでのパーティー「Kaleidoskop」に2人が出演する機会があまりなかった事だ。でも近い将来実現するかもしれないし、それは、だれにも分からないよ。 Carlos Garnettの"Mystery of Ages"は、私のDJに深く影響を与えていて、それは私だけでは無いはず。"今なぜここにいるのか、そしてどこへいくのか"という曲中の歌詞のラインは、ジャズダンスやDJシーンにもピッタリなフレーズだと思うんだ。このシーンにいる皆は昔は一緒にやっていても、そのうち人とは違う道を模索し、それぞれの道を開拓していくなかで、多くの発見と共にその道を歩んでいると思うんだ。 われわれのレコード、「Of all the things」に収録された"Morning Scapes"という曲を完成させるため、2008年に一緒にスタジオで作業したんだけど、彼女のリリックの書き方には衝撃を受けたな。リリックはリズムにうまく乗るようパーフェクトに書かれており、しかもそれをわれわれのスタジオで、セッションしている間に書いてしまった。脱帽!彼女は素晴らしいパフォーマーであり、レコーディングの最中も非常にクリエイティヴでかつ温かい空気感を醸し出していたよ。いつものように。 アントニオーニの映画「Red Desert」のサントラ的なものをこれからレコーディングして、バンドでの演奏もする予定だよ。それからJoe Bataan"Ordinary Guy"のバージョンを作って、それは"Sonar Kollektiv"から近いうちリリースする予定。その傍ら次作にもとりかかっている。できればまた日本のアーティストとも何らかの形で近いうちコラボしたいと思っているよ。Watch out! 筋の通った"フォーマット"をいつも追随するように。世の中にはその"フォーマット"がたくさんあり、多くの人々がそれを追求し、素晴らしいことを成し遂げている。TCJFはその1番良い例で、多様性があり、自由な形式とカラフルな側面を持った音楽のシーンを確立している。 The Beetle Presents Tokyo Crossover/Jazz Festival 2012
2012年9月29日(土)
The Garden Hall(恵比寿ガーデンプレイス内)
Open 17:30(Main Floor 18:00 ) / Start:18:00
http://www.tokyocrossoverjazzfestival.jp/