INTERVIEWS
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Timid Boy

10代を過ごした1990年代からエレクトロミュージックに夢中になり、南フランスでレイブパーティーを知り、Jeff Mills、Plastikman、Aphex Twin、Derrick Carterなどのアーティストたちからテクノ、ハウスミュージックに出会ったんだ。

1995年からは長い時期のベッドルームDJを経て、バーやクラブでプレイするようになった。2002年からは真剣にDJ活動を始めた。Ellen Allien主宰のBPitchイベントのレジデンシーとしてRex Clubでプレイし始めた頃だね。それからはギグが増えていったよ。

楽曲制作は2007年から開始したんだ。遅いスタートだったけど、Richie Hawtin、Loco Dice、Laurent Garnier などがプレイしてくれたから結果はすぐに得られたね。

それから音楽ジャーナリストの仕事(僕はフランスエレクトロミュージックの雑誌「Trax」の副編集長を長年やっていた)を離れて、アーティストとして100%フォーカスすることを決断したんだ。その後は、自身のレーベル「Time Has Changed」をスタートして、Carlo Lio、Oxia、Kiki、Mihai Popoviciu、Re-UP、Alex Costa、そして僕のレーベルパートナーである Acumen などのトラックをリリースしているよ。 僕は日本をとても愛している。お世辞とかではないよ。来日する前は日本について知らないことが多かったけど、実際に訪れてみて本当に素晴らしかった。みんな優しく、親しい、キュートな人たちばかりだ。日本の料理も素晴らしいね!
世界中の人は日本人が音楽を愛してリスペクトしていることを知っているよ。みんな情熱的で、トップDJたちがいつも日本に訪れている。だから日本では、音楽を本当に愛しているオーディエンスの前でプレイすることを知っている。前回のツアーは、期待を裏切らなかったよ。初来日の10日間はとても楽しめた。今回また日本を訪れることができて、とてもハッピーだよ! フランスのシーンについて語るなら、パリと地方都市との違いを理解してもらいたい。地方のクラブは再度活気づいている。1990年代は良かったけど、2000年の後半は盛り上がりに欠けていたよ。けど地方のシーンは全体的に盛り上がっている。パリも2000年後半は良くなかったけど、現在はクラブミュージックがどこにでもある。毎週たくさんのパーティーが開催され、色んな場所で多様なお客さんが来ているよ。日曜日のデイタイムイベントも豊富だね。アフターの後に日曜の昼下がりにエレクトロミュージックを楽しめるようになっている。パリのシーンが生まれ変わったから、本当に最高だよ!
「Sundae」というイベントが日曜イベントのコンセプトをパリに広めたんだ。彼らのイベントは夏では1番だね。「Concrete」は未だ新しいイベントだけども、大規模でラインナップはいつも素晴らしい。今年の夏には、「Te Island」や「Diabolo」というイベントも開催された。夏場に日曜イベントが4つも開催されるなんて、悪くないよね!もちろん、"Rex"や"Showcase"などのナイトクラブも盛り上がっている。外に遊びに行かなくなった人には、現在のパリはあまりオススメできないよ! 影響を受けたアーティストはいないよ。影響というよりは、Jeff Mills、Richie Hawtin、以前のDarren EmersonやDerrick Carterは、僕の人生を変えた。Aphex Twin、Boards of Canada、Plaid はとても好きだった。Maurizioも忘れられないね。2000年後半のMarco Carolaも素晴らしかった。Guy Gerberの人柄と音楽観には感動したね。 アイデアはシンプルだよ。自身のレーベルを持つということは、自分が出したい時に自身のトラックをリリースできるということ。もちろん他のレーベルからもリリースしたいけど、自身のレーベルで持てる自由度が好きなんだ。新しいアーティストも育て、ファミリーを作りたい。このアイデアは上手く実現できているよ。
音楽的には、とてもオープンだ。みんな同じスタイルではなく。個性のあるアーティストでファミリーを作りたいんだ。ディープハウスからテクノまで、このレーベルには僕自身の音楽に対する多様性が反映されている。 その国から音楽的にインスピレーションは受けないよ。けど、日本でのギグは驚きばかりで、大好きになったよ。New York も良いね。プレイして数日オフで過ごすのが好きだよ。 「減らすことはより多くを得ること」が僕の音楽アプローチだね。たくさんのプラグインや機材が世の中にあるけど、楽器を増やし過ぎることで自分を見失うことはしたくないんだ。使っているのは、AbletonとVSTがメインだね。あとは、マイクで自分の声を録音して、そのサウンドも使っている。また、古いインディーロックからサンプリングするのも好きだ。ゲームみたいな感覚だよ。他には、友達が持っているビンテージのシンセも使っている。 トラックを作り始める前には、常にメインとなるアイデアは考えて進めている。頭の中にあるアイデアを上手く音にできたら、だいたいそのトラックは自分が好きなものだ。それは良いトラックでもあるよ。 たくさんいるね。僕のレーベルからリリースしたアーティストたちはどれも素晴らしい。特にアルゼンチンのJuan Zolbaran だ。ルーマニアのMarcmanにも注目している。また、"guts from Columbia"、"The Room"のEl Cartel del Medelinも好きだね。 Alex Flatnerのレーベル「Circle」からのリリース、イタリアのレーベル「Moan」からのリミックスを控えているよ。 皆にまた会えることをとても楽しみにしているよ。踊ってパーティーしよう!