INTERVIEWS

Keng

高校時代に学んだ黒人奴隷解放の歴史とディスコフリークだった親の影響で、もともとはヒップホップやR&Bなどのブラックミュージックが大好きでした。20歳の頃に聴いていたJ-WAVEのラジオ番組 Soul Trainで紹介されていたfowlというイベントに行き、はじめてDJを見て聴いた時に単純に「カッコいい!」と思ったのがきっかけです。クラブに行ったのもそれが初めてだったので、初めて行った箱がYellowです。その時のDJはHasebeさんとWataraiさんでした。それと後で知ったことですがSoul Trainには現在AIRでedenというイベントを開催しているShotaro Maedaさんが携わっていました。AIRで見つけたedenのフライヤーで名前を見た時に、まさかこれの名前は!と思いedenに行って聞いてみたところ、やはりそうでした。悩み多き18歳の頃からSoul Trainを毎回聴いていて、音楽以外にもたくさんの事を教えてくれた自分には欠かせないラジオ番組だったのでAIRで初めて会って話した時はとても嬉しかったです。Yellowに行った翌日には新宿アルタにあったCISCOに行きターンテーブル2台とミキサー、レコード数枚を買いDJを始めました。その後、21歳の時にはHarlemで行われていたKomoriさんがレジデントのApple PieというR&Bのイベントで数年間DJをやっていた経験があります。 2007年3月に友人に連れられ、渋谷のRootyで行われていたunsugarless rageというイベントではじめてハウスを聴きました。そこで、店長を務めていたToru Takedaさんやイベントのクルーに感化されいろいろな刺激を受けると共に「踊る楽しさ」や「遊び方」、「ハウスの良さ」を知りました。そこからハウスのレコードを買い集めはじめました。しかし当時はさまざまなことで壁にぶつかり悩み、心身共に体調を崩していました。けっこう重症で半年は安静にしなさいと医者には言われていましたが、2007年8月、周囲には療養のため京都に行くと言い、内緒でサンフランシスコに行きました。そこでOMというレーベルのヒップホップのアーティストを目当てにクラブに行きました。しかし目当てのアーティストではなく、ハウスフロアでDJをしていたFred Everything、Miguel Migs、Mark Farinaに大きな衝撃を受け、一気にハウスフリークになりました。その後、ロサンゼルスに南下し、約1ヶ月間各地を転々とし帰国。
2007年9月、RootyでハウスDJのキャリアをスタートさせました。Rootyでは本当にたくさんのことを学ぶと共に、たくさんの方と仲良くなり、その仲間とクラブに踊りに行くようになりました。初めてイベントを主催したのもRootyです。そのイベントでWOMBのイベントブッキングに関わっている方と出会い、2008年10月にDAY&NITEというイベントを立ち上げました。そのイベントでは金曜日や土曜日に無い、ハウスミュージックの打ち出しを行いました。そこではたくさんのスタッフに支えられながら、オーガナイズやブッキング、ブランディングやプロモーションなどたくさんのことを学びました。
その後、サンフランシスコにいた時にすごい日本人アーティストがいるぞ、とたくさんの現地の方から噂を聞き、帰国後も大好きだったHideo Kobayashiさんに2010年の2周年の時に出演して頂き、そこでWAREHOUSE702で開催されていたSEASONSというイベントへの出演のオファーがあり、レジデントを務めることになりました。2010年6月のHideo Kobayashiさんのセカンドアルバムリリースパーティから参加し、ファイナルまで参加しました。SEASONSではたくさんの先輩方に出会い、ご指導を頂き、とても勉強になりました。 はい、2009年2月にドイツ・フランクフルトとイギリス・ロンドンに行く機会がありました。フランクフルトではSven VathのcocoonとATAのRobert Johnsonに行きました。ハウスというジャンルにおいて日本のシーンと比較すると、とても異質でした。しかしとても新鮮で新しいスタイルを打ち出しており、これがジャーマンハウスかと体感すると共に、音楽には地域性があると確信しました。体感した事を教訓に、自分のスタイルに反映させたいと考え、イギリス・ロンドンへと移りました。短期間でしたが、ロンドンで感じた事はドイツと違い多民族文化でそれがハウスにも反映されていた事です。しかし、同じ他民族文化のアメリカとは明らかに違いました。
ロンドンでは3つのイベントに行きました。Freerange、Dark Energyのイベントともう1つはロンドン在住の友人に勧められて行ったHolicです。FreerangeではJimpster、Tony Lionni、Lovebirdsを聴き、Dark EnergyではMilton Jackson、Shur I Kanを聴きました。当時Holicは日本人が主催しているとは知らず、帰国してからTomoki Tamaraが主催している、日本発のイベントだと知りました。Holicは今年2012月1月と9月に日本でもギグを行い、私にとって一番グローバルかつ世界水準のハイクオリティなイベントだと思います。また同年生まれで親交のあるTomoki Tamuraはアーティスト、DJ、レーベルマネジャー、オーガナイザーとしてとても尊敬する一人です。2013年も日本で開催されることをとても楽しみにしています。 1つは、フロアと調和し一緒に踊っている感覚でプレーすること。もう1つは、海外で体感した事を私固有の視点や方法で表現すること、その中で日本のアーティストの曲を必ず入れ発信することです。 個人的には海外に全く引けを取らないと思います。飛び抜けて流行しているアーティストはいないものの平均的なレベルは高いと思います。特に自分の周りで言うと、今回のCDにも楽曲提供してくれているYoshitaca、同じく12月に初のフルアルバム『OUTDRAW』をリリースする京都を拠点とするMasanori Mikami、来年2013年初旬にリリースを控えるKikiorixや若手で注目しているのはTEMMA-Teje、Yosaです。もっと世界で知ってもらいたい人間的にも大好きなアーティストです。 block.fmで聴いていたSodeyamaさんの番組イマココニイルキミの中の彼の1つの言葉がきっかけとなりました。「何かを自分の手で作り、発信する」という言葉です。この言葉でまずはDJとして何かを作り発信しようと決心し、今年2012年5月5日の私の誕生日にUniteというレーベルを立ち上げました。今回のミックスCDはアーティストからのライセンス取得からJASRACへの登録、許可取得、デュストリビュートの前までを今までお世話になった方の多大なサポートやご指導の元、すべて自分で行いました。自分でやることで周りの方々のあたたかい応援の気持ちや将来への期待感と熱意を実感し、今後を展望するのに大きな力となりました。みなさん本当にありがとうございます。今後も末永くよろしくお願い致します。 12月20日はDOMMUNEへの出演、12月21日は"solfa"でMasanori Mikamiと共に "W"というリリースパーティが開催されます。ハウスDJを始めるきっかけとなり、ミックスCDへ楽曲を提供してくれたFred Everythingがリリースを祝して約5年ぶりに来日します。さらに日本人プロデューサーとして1番尊敬する『Fasten Musique』のYoshitacaやWMCに出演し独自の視点で様々なリリースを重ねるNebu SokuのKai IshikawaさんとMegumilkさんのお二人。そしてRoom2には「EUREKA!」を主催する若手注目株のMidori AoyamaとAiko Morita、「Drop」を主催するTatsuya OuchiとSota、来年2013年初のアルバムをリリースするAki Yoshioka、solfaのピックアップイベントstroboからSatoshi Onishi、更にwide-awakeクルーも出演します。

11/22 TBA
12/4 @ solfa(Ustream)
12/6 @ WOMB
12/9 @ Fai
12/12 Mix CD release!!
12/14 @ Loop
12/20 @ DOMMUNE(Ustream)
12/21 @ solfa "Release party" 『One』
Mixed by Keng(Unite)
Masterded by Hideo Kobayashi(Sonic Vista Studio Japan)
Designed by Kikigraphix(Kikiorix)

発売日:2012年12月12日(水)
品番:UMKG001
レーベル:Unite
価格:¥2,100(Tax included)