INTERVIEWS

Chicane

- まずあなたの生まれた場所や子供時代、家族について教えてもらえますか?

生まれはロンドン郊外のバッキンガムシャーという小さな街で、男ばかりの3人兄弟なんだ。子供時代は毎日が楽しくって遊びまわっていたよ、いろんな遊びを考えたりするのが楽しかったよ、もちろん音楽も好きだった。でも僕は、失読症だったから読書と算数の訓練がほんとに大変だった。それでもクリエイティブなことをやりたかったから、本格的に音楽に向き合う前はグラフィックデザインをやっていたんだ。
 
- 子供時代には音楽教育は受けてましたか?

もちろん、ギター、ピアノそれにバイオリンを習っていたよ、ほんとにレッスンが嫌だったけどね(笑)。でもそれは、僕が作曲に興味を持つ前の話で、本格的に音楽に向き合うようになってからはレッスンがほんとに役に立ったよ。その時も失読症との戦いは続いていて、譜面も読むことができなかったからね。
 
- 初めて買ったレコードは何か覚えてますか?10代のころ好きだったミュージシャンは?

初めて買ったレコードはたぶんジャン・ミッシェル・ジャールの『オキシジェン』じゃないかな?彼は、僕がエレクトリックミュージックにはまるきっかけとなったミュージシャンなんだよ。
- ティーンエイジャーの頃のヒーローは?

う~ん、特に思いつかないな...。その頃は、ホバークラフトに夢中だったんだ。

  - 1988年から1991年、アシッドハウス、マッドチェスター時代、セカンド・サマー・オブ・ラブと呼ばれた時代はあなたにどんな影響を与えましたか?

あの時代はすべてにおいて特別な時代だったね、あらゆるものがクリエイティブで、多くの素晴らしい音楽が生まれたから当然大きな影響を受けたよ。なによりもインディーロック、ハウス、ヒップホップ、ジャンル関係なくミックスされて最高に刺激的な時代だった。
僕も多くのプロデューサー同様、スポンジのようにこのムーブメントからいろんなことを吸収して1996年の自分のデビュー曲のリリースに辿り着いたんだ。まさに僕にとってあの時代は、その後のすべてに繋がる正しい道の途中だったと思うな。
 
- 初めてのクラブ、もしくはレイヴ体験について教えてもらえますか?

そんなにグラマラスな体験ではなかったよ、サウスエンドのクラブでN.Joyがライブをやっていた。でも、それからイギリス中のクラブに行きまくったよ(笑)。

  - 「Offshore」リリース以前、あなたの大好きなDJは誰でしたか?また、大好きなトラックも教えてもらえますか?

ポール・オークンフォールドとスティーヴ・オズボーンのプロダクションは、ほんとに好きだったよ。とくにU2のリミックスはどれも最高だったし当時のオークンフォールドは、ほんとに素晴らしいDJだった。DJとしては、サシャとディグウィードが好きだった。特にサシャとディグウィードは「Offshore」にほんとに大きな影響を与えているよ。
 
- 「Offshore」のオリジナリティーは、素晴らしいと思います。この曲ができた時のことを教えてもらえますか?

「Offshore」は1996年の夏の終わりに降りてくるようにできたんだ。僕は、その時なんとかして夏の終わりの言葉にならないフィーリングを閉じ込めようとしていた。夏の終わりの夕暮れに心にひろがるメランコリーのような、言葉にできない感情をつかみ取って封じ込めようとしたんだ。その時に開けたアイデアは「Offshore」ができたその後も、そして今でも僕を捉えて離さないよ。



  - 1stアルバム『Far From The Maddening Crowds』はダンストラックだけでなく、さまざまな要素と表情を持っていますね。まるでクラッシックや映画のサントラのようであったりとても知的な構成となっています。タイトルは、どこからきているのですか?

タイトルは言葉遊びなんだよ。もとはトーマス・ハーディーというイギリスの作家の『Far From Madding Crowd」(邦題は画「遥か群衆を離れて」)』という有名な本からとったんだけど、現代のクレイジーな日々の生活から離れるっていう意味を込めてあるんだ。
自分の音楽についてよく話すことなんだけど、僕の音楽は多くの要素が込められているダンスミュージックでありワイドスクリーンのようなヴィジョンのあるものなんだ。
このアルバムには、僕の音楽観の重要な要素がすべて詰まっている。でもその1つ1つは言葉にできないものなんだ。そしてアルバムを通して、1曲目からラストまでの流れにも意味があるんだ。それは個別にダウンロードされる今の音楽にはないものだよ。
 
- そうですね、アルバム全体が1つの物語のような印象ですね。どんなことからインスピレーションを受けたんですか?

僕はほとんど本が読めないから映画が多いよ。リュック・ベッソンの『グラン・ブルー』の大ファンなんだ。

  - 1997年の『Far From The Maddening Crowds』から2001年のセカンド『Behind The Sun』までの5年間は、多くのダンスレーベルが活躍し、UKダンスシーンが最高に盛り上がった時期でした。当時あなたが注目していたクリエイターやDJは誰でしたか?

この時期は、オーキーとサシャの時代だったよ。彼らが時代をリードしていたんだ、多くのレーベルやクリエイターのクオリティーも素晴らしかったしね。
  - セカンドアルバム『Behind The Sun』は、全世界で大きなヒットとなりました。またこの時期のシーンの盛り上がりはとても印象に残ってます。アルバムの成功は、あなたの人生を変えましたか?またこの時期の思い出などあれば教えて下さい。

僕自身は人が思うほど成功したと思ってないんだ、自分ではファーストアルバムの完成度にまだ満足できなかったから『Behind The Sun』ではより高い完成度を目指しただけなんだ。結果はまた別の話だと思っている。これは僕の意見だけど、アーティストは常に前進していなくてはいけない。より良い作品を目指し前を向き続け、次の作品のことを考えていないとならない。1996年より僕はプロデューサーとして進化している。そしてさらに先に進むことに集中しているからあまり過去を振り返ることをしないんだ。いま1番気になっているのは、次のアルバムのことだよ。
 
- 『Behind The Sun』の世界的な成功のあとメジャーであるWEAレーベルと契約しますね、しかし完成していたアルバム『Easy To Assemble』は、ついに発売されませんでした。何が起きていたんですか?
 
非常に興味深い時期だった、僕がWEAと契約している間に、すべてがゴミのようになって終わってしまった。このアルバムのプロモがメディアに配られる少し前に、WEAと契約していたアーティストやスタッフの多くがWEAを離れてしまったんだ。突然のできごとで、その後、そのことを知らない人たちが契約も終わっているのにプロモを配りインターネット上に流れてしまった。ロシアでは海賊版までリリースされたんだ。
その後もなんとか使えるパーツを整理したり、このひどい状況から抜け出す努力をしたんだけど、そんなことがあったからアルバムはだめになってしまった。僕としては、思い入れのあるアルバムだったから『Easy To Assemble』をオリジナルの曲順でやるスペシャルライブをやろうと思っているんだ、まだアイデアの段階だけど。
 
- 2007年には正式なサードアルバムである『Somersault』を自身のレーベルである〈Modena〉から発売しますね。多くのメジャーがあなたのリリースに興味を持っていたと思いますが、インディーレーベルでのリリースを選んだのはなぜですか?

ほんとに多くのオファーがあったんだけど、メジャーとの仕事は、ほんとにクリエイティヴではないんだ。この時期、もうすでに多くのオファーは、レコードの契約としてでのものではなく、アーティストとしての活動すべてに渡るものだったんだ。やはり僕は、自分の運命は自分で切り開きたいと思うから自分ですべてのことを決断できる方法を選んだだけだよ。

  - そうですね、それではちょっと質問を変えて制作について聞きたいと思います。1995年、あなたが本格的に制作を開始した時はどんな機材でスタートしたんですか?また現在の制作スタイルも教えてもらえますか?

当時は、ローランドのS750というサンプラーと初期のCubaseだったよ。すべてのことに慎重にやらないといけなかったから集中力が必要だったね。
今はMACでLogicを使っている。もちろんソフトシンセもプラグインも大量に使うよ。当時との最大の違いはなんといってもトータルリコールがすぐに可能なことだね、だから6曲ぐらい同時に進行することができるし、思いついたアイデアをその場で試すことができる。1曲を最後まで完成させないといけなかった当時では考えられないよ!
- PCスペックとソフトウェアの進化で誰でも簡単に制作ができるようになったことについてはどう感じますか?また最近のEDMのようなダンスミュージックについてはどう思いますか?

音楽に関わらずテクノロジーの進化はいつも人々に多くのことを可能にする。簡単に制作ができるようになったのは、悪いことではないと思うよ。僕の今までの経験や感性は僕自身のものだからね、自然とEDM(なんて間抜けな名前なんだ!)みたいなものから距離は追いてるしね。ダンスミュージックが金儲けの道具になっている、それがいまアメリカで起きていることだよ。でもどんなにダンスシーンがひどいことになっても、僕は自分の音楽に集中するだけだよ。
 
- ありがとうございます、最後に僕を含め多くのファンがあなたの来日を15年!(笑)待ってました。ライブを楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

ようやく日本に行けることになってほんとに嬉しいよ!ライブをするのが待ちきれない、みんなで最高のパーティーを一緒につくろう!
 
 
- Event Information -


タイトル:THE WONDERLAND -MAGNIFICENT-
開催日:6月8日(土)
会場:ageHa
時間:23時
料金:DOOR¥4,000、SPECIAL ADV¥3,000、REGULAR ADV¥3,500、ageHa MEMBER¥3,000
出演:【ARENA】CHICANE [LIVE 2.0 / U.K.], YODA [HORIZON], s_y_n [Landscape], VJ:SO IN THE HOUSE, MASAKATSU ITO, LIGHTING:MIURA, and more

■詳細
http://www.clubberia.com/ja/events/208909-THE-WONDERLAND-MAGNIFICENT/
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