INTERVIEWS

MINILOGUE

- まず最初に聞きたいのですが、あなたたち2人は全く異なる音楽的バックグラウンドを持ちながら、(クラシック音楽の英才教育を受けたSEB、RAVEフリークのアンダーグラウンドDJのMARCUS)、統一された世界観を持つMINILOGUEという音楽を一緒に作る作っている訳だけど、音楽観の違いが問題になったりはしないのかしら? スタジオワークの時にはお互いに担当パートが明確に分かれたりしているの?

Sebastian:バックグラウンドというのは、過去にとどまっているものではなくて、いつでも自分たちのすぐそばにある物だと思ってる。それは僕らが人生をジャーニーしていく中で得た物を懐柔して、音楽観たるものに形を変えていくんじゃないかな。だからバックグラウンドというのはどちらかというと過去ではなく、現在進行形に近いものだと捉えているんだよね。僕とMarcusがそれぞれ全く別の音楽シーンから来たという事実は、今現在の僕らのアーティストとしての基盤や状況を構築するのに必要不可欠だったと思う。異なる考えを持っていたおかげで、共に音楽制作をしていく中で、お互いに影響しあい、成熟しすることができたんだと思うんだ。僕はMarcusに比べてクラシカルな音楽のバックグラウンドは持っていると思うけど、それって遠い過去の話だし、今となっては実際のスタジオワークの中ではそれほど重要な事ではなくなっているんだよ(もちろんいい意味でその経験がトラックに影響することは今でもあるけど)。最近ではMarcusも僕と同じくらい楽器を使って自分自身を表現できるし、僕も彼と同じようにDJでお客とジャーニーすることができる。そしてもちろん今や僕もマーカスと同じくらいのレイブフリークだよ(笑)。

だけどね、『Blomma』を制作していく中で気が付いた事がある。それは制作のプロセスにおいては、過去に自分が得たもの(バックグラウンドだね)をどう調理していくかを考えるのではなくて、今目の前に起きている事を見て、感じる事を表現するのにすべての力を注ぐ方がよりリアルな音楽になるんじゃないかって事。まっさらの状態で自分の感情の赴くままに音をつないでいくっていう感じかな。つまりアプローチの仕方が変わったんだよ。

あと僕らは即興でジャムする時には、お互い決まった役割に固執しないようにしてる。ずっと同じ事をやっていると視野が狭くなるし、インスピレーションも降りてこなくなる。だからスタックしないように、フレキシブルな形でお互いすべてのパートを好きなように演奏するように心がけてるんだ。とにもかくにも"感じたまま"に演奏をフローさせて行く事が大事で、「今この状況にもっとも合うのはどんな音だ?」「ここはどっちが演奏するのがいいんだ?」っていう風に進めていかない方がいい。特にパートを決めない方がより自由度が高いし、マジカルなケミストリーが生まれやすくなると思うんだよ。聞いて、感じて、内なる宇宙の扉を開いて、ありのままを素直にフローさせていくことで自分たちの音楽をよりクリエイティブに昇華させていくことができるんだよ。こういった感覚の話を言葉で説明するのはとても難しいね。僕らもまだ学んでいる途中だから。

  - 1作目の『Animals』は「Dance」と「Ambient」の2枚組でしたね。『Blomma』では、即興で録音した未編集の45分におよぶロングトラックを入れてくるあたり、とても大胆で勇気のある試みだと思いますが、一切の妥協なく創造力が誘うままに作り上げたという印象を受けます。それについてどう思いますか?

Marcus:なるほどね、よく観察してくれてありがとう。だけど、あの未編集のロングトラックをアルバムに挿入する事で何かを伝えよう、なんて意図はないんだ。アルバム収録曲をクリエイトしていく過程で、ごく自然に、まるで予め決められていた予定調和のごとくあのトラックを選んだんだよ。不思議な感覚だった。お互い何も言わずに同じ提案をしたからね。「いいアルバムに仕上がるぞ」という手ごたえと期待感は、こういった事から感じられるよね。実は数年前まで、僕らは音楽に対してすごくロジカルに考える風潮があったんだ。この楽曲はここにくるべきで、この4小節の次はこのスケールで進行すればフロアは爆発するだろう、とかね。だけどそれだと限界がある。さっきの話ではないけど完全に作られた予定調和の世界なんだよ。それに気が付いてから僕らは何年もかけて、瞬間の感情をミックスデスク上で表現できるか?という課題に取り組んできたんだ。もっと直観的に、もっとダイレクトに、という事を試行錯誤してきたんだよ。何をかけるべきか考えるより、感じるままにプレイできるように、僕らの内側でまだまとまってレアな状態で渦巻いている感情を、どうやったら外界へそのままの形でフローできるか。それができれば僕らの音楽性が、よりリアルに直観的に出せるようになるだろうと思ってね。

そもそも僕たち人間は二次元的な考えの中で生きている。「いいか、悪いか」「上がるか、下がるか」「右か左か」のようにね。だから楽曲制作をする時もこの二次元的な考えに基づいて判断してしまうんだよ。「好き嫌いか」、「この曲をかけるか、かけないか」とかいつも判断を迫られている。いい音か悪い音かを考えるのはもちろん悪いことじゃない。だけどそれってこの宇宙の法則の中の一面を捉えているにすぎないと思うんだ。じゃあ仮に「今」の瞬間を捉えることができたなら、どうなると思う? きっと創りだす音楽に今までとは違った現象が起こるはずだよ。それは時間という概念を超えた先にある何かなんだと思う。つまり時間という概念に縛れた中で作るクオリティとはまた違ったもので、二次元的な判断に左右されることなく紡いだ音楽は、別次元の質感を持ったリアルミュージックへと昇華すると思うんだ。
 
- 1作目の『Animals』は「Dance」と「Ambient」の2枚組でしたね。『Blomma』では、即興で録音した未編集の45分におよぶロングトラックを入れてくるあたり、とても大胆で勇気のある試みだと思いますが、一切の妥協なく創造力が誘うままに作り上げたという印象を受けます。それについてどう思いますか?

Marcus:なるほどね、よく観察してくれてありがとう。だけど、あの未編集のロングトラックをアルバムに挿入する事で何かを伝えよう、なんて意図はないんだ。アルバム収録曲をクリエイトしていく過程で、ごく自然に、まるで予め決められていた予定調和のごとくあのトラックを選んだんだよ。不思議な感覚だった。お互い何も言わずに同じ提案をしたからね。「いいアルバムに仕上がるぞ」という手ごたえと期待感は、こういった事から感じられるよね。実は数年前まで、僕らは音楽に対してすごくロジカルに考える風潮があったんだ。この楽曲はここにくるべきで、この4小節の次はこのスケールで進行すればフロアは爆発するだろう、とかね。だけどそれだと限界がある。さっきの話ではないけど完全に作られた予定調和の世界なんだよ。それに気が付いてから僕らは何年もかけて、瞬間の感情をミックスデスク上で表現できるか?という課題に取り組んできたんだ。もっと直観的に、もっとダイレクトに、という事を試行錯誤してきたんだよ。何をかけるべきか考えるより、感じるままにプレイできるように、僕らの内側でまだまとまってレアな状態で渦巻いている感情を、どうやったら外界へそのままの形でフローできるか。それができれば僕らの音楽性が、よりリアルに直観的に出せるようになるだろうと思ってね。

そもそも僕たち人間は二次元的な考えの中で生きている。「いいか、悪いか」「上がるか、下がるか」「右か左か」のようにね。だから楽曲制作をする時もこの二次元的な考えに基づいて判断してしまうんだよ。「好き嫌いか」、「この曲をかけるか、かけないか」とかいつも判断を迫られている。いい音か悪い音かを考えるのはもちろん悪いことじゃない。だけどそれってこの宇宙の法則の中の一面を捉えているにすぎないと思うんだ。じゃあ仮に「今」の瞬間を捉えることができたなら、どうなると思う? きっと創りだす音楽に今までとは違った現象が起こるはずだよ。それは時間という概念を超えた先にある何かなんだと思う。つまり時間という概念に縛れた中で作るクオリティとはまた違ったもので、二次元的な判断に左右されることなく紡いだ音楽は、別次元の質感を持ったリアルミュージックへと昇華すると思うんだ。

  - 〈Cocoon〉からリリースするにあたり、アルバムの内容に関して、事前に何かしらレーベル色を入れるような指示はありましたか?

Sebastian :Marcusと僕は人生における考え方はもちろん、音楽制作の過程においても、お互いを束縛することなく自由を与え合ってきた。お互いに興味がある事を教え合い、厳しいけど素晴らしい旅路を楽しみながら過ごしていこうと誓い、それを目標にしてきたんだ。自由であるという事は愛そのものだと思うし、束縛せず、物事をありのままにしておくことは愛を割かつことだと思う。自由でないと感じることはとてもさみしいよね。だから僕らは愛の素晴らしさを感じられるよう、お互いアイデンティティはもちろん、周囲へも自由な関係でいたいし、いつでも愛を降り注いてでいたい。それが僕らの考えなんだ。〈Cocoon〉との関係は、僕らが理想としているこの対人関係が、現実社会において形を為した初めてケースだったように思う(対人間ではなく対組織/会社という意味で)。僕らが『Animal』のリリースの件で、初めて〈Cocoon〉とコンタクトを取った時も、彼らから全く束縛もコントロールも感じられなかった。『Blomma』の時も同様で、僕らはデモ音源とアートワークを送っただけ。彼らはただ素晴らしいと言っただけ。僕はその時、このような自由を与えてくれた事に本当に感謝したし、深い意味で〈Cocoon〉は僕らの事を愛してくれていると分かったんだよ。

  - アルバムに使用してる音はとても有機的ですよね。ベルやパーカッションをはじめ、アコースティック楽器をたくさん使っているように思うのですが、どんな楽器を使っているんですか?

Sebastian:僕らがライブセッションで使うのは、自分たちでセットアップした機材がぎっしり詰まった2m幅のミキシングデスク2台。PCのメインソフトにはソフトシンセやサンプルを使用するためにAbelton Liveを使って、アレンジと編集にはそれぞれ1台ずつAllen & Heath Xone 4Dミキサーを使っている。ドラムマシーンやアナログシンセからのサウンドはこの4Dを通してミックスされるんだ。それにバイオリンなどのジャム楽器を場合によって取り入れる感じかな。これはMINILOGUEやSON KITEのレコーディングをする時のスタジオ用のセットと全く同じ。ミキシングデスク以外は使用しないっていうのはけっこうな制限のように聞こえるかもしれないけど、この制限もまた『Blomma』の制作過程にはとても重要な事だったんだよ。

  - 『Blomma』を聞いていると、時折Brian EnoやTangerine Dreamのようなクラシックアンビエントのエッセンスを感じます。アンビエント/エレクトロニカシーンで好きなアーティストは誰ですか?

Marcus:うーん、好きなアーティストを1人だけ挙げるのは難しいな。世の中は素晴らしい音楽がたくさんあって、どれも独自のテイストを持っているからね。僕は家で音楽を聴く時は、(おそらく世の中のみんながそうしているように)自分が今どんなムードなのか、どんな環境にいるかをよく考えて曲を選ぶんだけど、Brian EnoやBiosphereのような自然と調和したナチュラルサウンドで作られた音楽はお気に入りの1つ。人工的な音に阻害されないナチュラルなアンビエントトラックはとても好きだよ。

  - 2人は故郷のスウェーデン、マルモーにずっと住んでいるけど音楽シーンはどんな感じなの?

Marcus:僕らはマルモーから郊外へ1時間ほど車で走った田舎町に住んでいて、スタジオは僕とSEBの家のちょうど真ん中にある森の中にあるんだ。だけど僕は基本的に自分の街にどんな音楽シーンがあるのか全く知らない。全然クラブとかに行かないんだよ。ただ、聞いたところによるとマルモーは町の大きさに比べて、多種多様な文化があるんだって。スウェーデンのベルリンみたいな場所ってところなのかな。

  - 2人はレーベルを移籍したり、ジャンルを変えたり、いろんな人たちとコラボレーションをしてみたりと、いろんな変化を楽しんでいるように見えるけど、将来的にはMINILOGUE以外のものは出てきそうなのかしら?

Marcus: SON KITEという別ユニットがあって、今、アルバム制作の真っ最中。さらにIMPSというユニットもやっているけれど、それが今後どのような形になるかは、僕たちにも分からない。MINILOGUEと同じように、スペシャルな音楽になるだろうという予感はあるね。僕らはあらゆる音楽からインスピレーションを受けたいと思っているし、いろんなアーティストとコラボレーションしていきたいと思ってる。同じ事をずっと続けていると、心も体も頭も休まることがないように思うんだ。変化は必要だよ、そう思わないかい?

Sebastian:僕らはライブセッションを通して違うジャンル/テイストの音楽に通じる扉を開くことができたんだ。扉を開けるというのはオープンでいると言う事。自分の内なる宇宙に続く扉を開けて、今起こっていることを素直に受け入れる事なんだ。難しいところはね、精神状態などによってその扉は著しく顔を変えるから、いつでも僕らにとって魅力的で、ワンダフルな扉が開けるわけじゃないって事。コラボレーションに関しては、いろんなアーティストと試しているよ。日本ではKUNIYUKIというアーティストと一緒にジャムセッションをやった事がある。ここ数年で言えば、Mathew Jonsonとは年間を通してセッションライブをやることが多いかな。今年も彼とは5か所以上のギグが予定されているんだよ。さっき言ったように、扉はできるだけ空けていたいと思う。それによって明日どんなことが起こるか分からないからね!

  - 『Blomma』のプロモーションライブの予定はあるのかな?

Sebastian:感じるままにできるだけたくさんのライブショーをやりたいと思ってる。ただ日常生活に支障をきたさない頻度で、というのが大前提。僕らはライブに対して情熱を持ち続けるために、毎日の生活をとても大事にしてるんだ。『Blomma』のPRライブという事であれば、今の僕らのライブスタイルは『Blomma』をレコーディングした時と全く同じ仕様だから、これから行うライブはすべて『Blomma』をフィーチャーしたものだと言えると思う。

  - ダンスフロア仕様の『Blomma』のリミックストラックなんてあるのかしら?

Sebasitan:うん、可能性はあるね。その扉も開いておこう。
- Release Information -

アーティスト:Minilogue
タイトル: Blomma
レーベル:Cocoon Recordings
フォーマット:CD
価格:¥2,800-
発売日:4月24日

●トラックリスト
CD1(Dance)
1:Everything is all you've got
2:Atoms with curiosity that looks at itself and wonder why it wonders
3:Forgotten memories
4:Existensberattigande
5:Nor coming nor going

CD2 (Chill)
1:E de nan hemma?
2:Mellan Landet
3:Evaporerar ut fran sitt gomstalle

■詳細
http://www.clubberia.com/ja/news/3583-Minilogue-5-Blomma-4/ - Tour Information -

6月6日(木)大阪"CIRCUS"
6月7日(金)名古屋"CLUB MAGO"
6月8日(土)代官山"UNIT"

■詳細
http://www.clubberia.com/ja/news/3674-Minilogue/
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