- 特に90年代半ばくらいまで一貫して言えるのはアイディアの宝庫だったということですね。 -
- 本作のリリースが実現するまでの経緯から聞かせていただけますか?
90年代の音源を使ったミックスCDを出したいと僕の方からレーベル側に提案しました。というのも、もともと僕が人と同じものをかけるのが嫌いなのですが(笑)、ここ数年はEDMに代表されるような世間的に流行している音楽にあまりピンとこないこともあり、90年代の曲を聴き返したりしてやはりいいなと感じて。だから、レギュラーイベントでも時々かけたりしていたんです。
- 本作のテーマは「Back To 90's」ですが、なぜ今だったのでしょう?
何となく一昨年くらいから海外の若手アーティストが作るサウンドから90年代っぽいシンセサイザーのニュアンスを感じていたことが関係しています。当時シンセを使う時に多かったのは、コードサンプリングしたもので、そういったサウンドを耳にする機会が増えてきましたよね。大ヒットした曲ではないけど、今90年代の音楽を掘ってサンプリングしているんだろうなと。そういう曲と混ぜながら僕のイベントでも90年代の音源をかけたりしているわけです。今回収録したArmand Van Heldenの「Break Da 80's」や、Pump Frictionの「That sound(Club Mix)」などをかけたら、当時を知らない若い人たちも大盛り上がりしたことがあって。やっぱり、格好良い曲は時代を超えて響くんですよね。
- 当時、野崎さんはどのような活動をされていましたか?
僕が10代半ばのころに90年代になったわけですが、高校の時に僕の周囲ではダンスミュージックが流行していたんです。それでオリジナルのダンスミュージックを作ろうということになり、僕がシンセなどを既に持っていたこともあって、トラック制作のまねごとを始めていました(笑)。その後、大学に入ってからもアカデミックな作曲の勉強は続けつつ、夜は連日のようにクラブ通いしていました。大学になって友人とクラブでイベントを主催するようになったりしていたので。
- 90年代のトラックを改めて聴いて感じた魅力とは?
単純に曲自体の内容や、曲の構成、サウンド面だったり、こういう機材だからとか多くの視点がありますが、特に90年代半ばくらいまで一貫して言えるのはアイディアの宝庫だったということですね。それはトラック制作の機材面での制約も大きいのですが、できることが限られていると知恵を振り絞るんですよ。レコーディングできるトラック数にも制限があるので、どうアレンジしたらいいか、すごく考えられている。ダンスミュージックは機材の進化とシンクロしていますが、制約があったからこそ生まれたのであろう、今聴いても斬新なアイディアが盛り込まれています。僕が最も衝撃を受けたのが、ジャミロクワイの「Space Cowboy David Morales Remix」です。これは僕のリミックスの概念をガラッと変えてくれたトラックで、ボーカルの声をこんな感じで連打してもいいんだ、切ってしまっていんだと。大胆なシンセ音を重ねていたり、今だに発見があるトラックが多いですね。
- 本作のミックスCDで特に注意した部分は?
楽曲の権利関係の許諾の兼ね合いもあってインディ系レーベル作品を中心にしたのですが、そうなるとどうしてもレーベルに偏りが出てしまうので、そうならないように選盤したところですね。
- では、本作で最も思い入れのある楽曲を教えください。
好きな曲が多いので難しいですね(笑)。例えば、Masters At Workの「I Can't Get No Sleep(Ken Lou 12” Mix)」などは、個人的に“ザ・90's”というトラックです。ボーカルがインディアだったり、いろんなリミックスも出ている曲で、今聴いても当時を思い出しますね。
- 音楽以外で90年代の思い出といえば?
本当に夜遊びしていた思い出だけですね(笑)。あとは、アカデミックな作曲の勉強だけでなく、ダンスミュージックやジャズ、ブラジル音楽など、毎日のように新たな音楽を知ることができた時代だったと思います。僕が若かったことも関係していたんだろうけど、いろんなことを吸収しまくっていた時代でしたね。
- 今後のリリース予定などがあったら教えてください。
春までには出したいですね。現在は方向性を考えているところですが、ダンスミュージックではないことは確かで、“架空のサウンドトラック”とでも言える内容にしたいなと。これは個人的にずっとやりたいと思っていたことです。
- リスナーの方々にメッセージをお願いします。
単純に僕と同世代で、リアルタイムで90年代にクラブに行っていた人にも聴いてもらいたいし、最新のダンスミュージックだけでなく、それ以外も知りたいという若い世代にもぜひ聴いてもらいたいです。それは歴史を知るといった視点ではなく、なぜクラシックと呼ばれているのか感じてもらえるはずなので。 - Tour Information -
[DJ]
12月20日(金)Release Party Love Tribe @ 代官山AIR (Special Guest Dimitri From Paris)
12月21日(土)京都Jazztronica!! @ 京都METRO
[LIVE]
12月26日(木)@ ビルボードライブ東京
12月29日(日)@ ビルボードライブ大阪
12月30日(月)@ 名古屋ブルーノート
[SPECIAL EVENT]
LOVE TRIBE 7th Anniversary& Album Release Party決定!!
2014年2月21日 (金) @ 代官山AIR
- Release Information -
アーティスト:
Mixed By Jazztronik
タイトル:
Love Tribe Presents Back To 90’s Mixed By Jazztronik×AIR(DAIKANYAMA TOKYO)
発売日:
12月18日
価格:
¥2,500-
●トラックリスト
Armand Van Helden / Break Da 80's
Earth People / Dance
X-Press2 / London Xpress (Original Mix)
Club Ultimate / Carnival 93 (The Mardi Gras Mix)
Pump Friction / That sound (Club Mix)
Byron Stingily / Get Up (Everybody) Parade mix
DJ Sneak / You Can't Hide From Your Bud
Bam Bam / Give It To Me
Barbara Tucker / I Get Lifted (Armand's "Lift Me Up" Mix)
Adonis / No Way Back
Masters At Work / I Can't Get No Sleep (Ken Lou 12” Mix)
Hardrive / Deep Inside Remix
Blaze / Wishing You Were Here
Atmosfear / Motivation (Dimitri from Paris’s Motivated Respect Mix)
Groove Collective / Everybody (We The People) (Eric Kupper Mix)
Joe Claussell / Agora E Seu Tempo
■clubberia Release Page