- 斬新だったと思いますよ。ヴィジュアル系ロックバンドにテクノの要素をのせていたっていう(笑)。 -
- World Sketchの3作目となる今作「The World Ends」では今までと比べてエレクトロニックの要素が強くなった印象を受けましたが、ご自身ではどう思われますか?
クラブのお客さんが今までヨコノリだったのが、ここ3年くらいでタテノリになってきたので楽曲も自然とそれに対応した、という流れになりました。現場での体験をもとから作風に変化が生じたといった感じでしょうか。今までの楽曲をそのままかけちゃうとお客さんがさーっと引いてしまったりしたこともあったので(笑) 。
- いつ頃からお客さんが変わったと感じましたか?
ちょうどDavid Guettaがいろいろなアーティストとコラボしていたあたりからですね。EDMの影響が大きかったと思います。
- 今作に関して音楽面で影響を受けたアーティストはいますか?
どちらかというとサイバーよりエレクトロの方が好きなのでZeddやAviciiですね。若手でとんがったことをやっている彼らから、すごく刺激を受けています。
- 今作のコンセプトはありますか?
通して聴いていただけるとわかると思うんですけど、前半はEDMから入って中盤でハウスに戻ってまたEDMになるという構成なんです。今までのお客さんにも聴いてほしかったので、上手くバランスをとって作りました。
今回3年くらい前から制作していたのですが、この3年トレンドの流れがすごく速かったので何回も作り直したんです。 5回くらいアレンジし直した曲もあるんですよ。普通、アーティストやDJはクリエイターの方と一緒に作業されているので1度で終わらせますけど、僕の場合は全部自分でできるので納得のいくポイントを見つけるのに時間がかかりました。ミックスダウンもマスタリングも全部やっているので。 - 楽器の演奏なんかもされるんですか?
ピアノとギターを少しですかね。ストリングスに関しては、知識もあるので打ち込みで作ったりしています。 - ピアノを習ったことがないと聞きましたが本当ですか?
独学ですね。学生時代に小室さんに憧れていまして。ある時、父のパソコンをいじっていいたら音楽を作るソフトを発見して父に隠れてコソコソ作ってました。それで、中学の卒業祝いにシンセサイザーを1台買ってもらって、そこから本格的に作り始めました。
- ファーストアルバムを出すまでの下積みが約10年あったと思うのですが、以前はどのような活動を?
高校を卒業してからずっとロックバンドをやっていたんですよ。昔で言うミクスチャーチックなものだったんですけど。僕は、テクノとかハウスがもともと好きだったんですけどヴィジュアル系のバンドに強引に入ってくれと言われて(笑)。実際やりたくなかったので、そこに自分のテイストを無理矢理突っ込んだんです(笑)。
- 斬新ですね (笑)。
斬新だったと思いますよ。ヴィジュアル系ロックバンドにテクノの要素をのせていたっていう(笑)。
- ハウスやテクノでは、どんなアーティストを聞かれていましたか?
あまりアーティストでは聞いてなかったんですけどガラージから入ってジュリテクも聞いたしハードなのも聞いたしユーロビートも通って。そこからR&Bとかヒッピホップに走ったんですよ。その影響でストリートダンスもやってました。ブレイクダンスもちょっとやってましたね。
- 結構幅広いですね。
どちらかっていうと生楽器よりクラブ系のほうが僕の中では主流だったので。
- 制作の話になりますが、1人で全て作業していて迷うことはありませんか?
昔はよくありました。最近は、現場のお客さんを基準にしているので、そこでノってくれるかどうかで白黒明確になるんですよ。だから今は、お客さんのおかげで迷わずにいられますね。
- カバーも何曲か作られていますがカバーって難しくないですか?
そうですね、プレッシャーはありますけど。正直な話、僕の場合インストだと自分で全部できるので制作費が0なんです。そういう意味では変なプレッシャーを感じずに楽しくできるかもしれません(笑)。お金がかかると制作の時間も考えないとけないし。
- カバーする曲を選ぶ基準はありますか?
基本的に僕が好きでみんなが知っている曲を選んでいますね。
- Oasisのカバーを聞いた時に、聞いたことのないリズムで面白かったです。
これは前半が生ドラムでロックを意識していて、後半はもろエレクトロにしています。ギミックを効かせてみました。
- 生ドラムはご自身で?
鍵盤でやりましたね。基本的に鍵盤を使ってます。
- どういう経緯で全部1人でできるようになったんですか?
基本的に1人が好きなんですよね(笑)。あとはバンドが解散した時にちょっと将来のことを考える時期があって、アーティストさんの裏に入って制作するのが1番かなと思いまして。しばらく裏で活動していたんですがDAISHI DANCEさんのおかげでまたハウスと出会って。DAISHIさんが日本でハウスを活気づけたことに感動して自分でもやりたいと思いました。
- 楽曲を聴いていてCOLDFEETがすごいなと思って。聴いたら1発でCOLDFEETだって分かるんですよね。これは守屋さんがトラックを作ってCOLDFEETが歌をのせたのでしょうか?
そうですね。ローリーさんにメロディーを作ってもらった曲もあるし、こちらからメロディーを作ったこともあります。ケースバイケースですね。
- 歌詞はボーカルにお任せするんですか?
はい、歌詞はアーティストさんの世界観が出るので書いてもらっています。そのアーティストさんが好きで僕からお願いしているので、そこは好きにやってもらいます。
- やっぱり小室さんですね。カラオケとディスコを結びつけたじゃないですか?クラブに遊びに行ってカラオケでも同じ曲を歌えるという。そこがやっぱりすごいですよね。 -
- 守屋さんが作る曲で4つ打ち以外のものはあるんですか?
本当はそっちの方が得意だったんですよ。バンドやめてバラードとかR&BとかメインだったんですけどそれこそDAISHI DANCEさんのおかげでハウスに戻りました。一般の方からはハウスのトラックメーカーというイメージが強いと思うんですけどゆくゆくはJ-ポップをやりたいと思っています。
やっぱりすごいと思うのは中田ヤスタカさんですね。音はとんがっているけどすごくポップでキャッチーじゃないですか。自分もそこいきたいなあと思います。
- でも守屋さんも、すでにポップスの仕事はされていますよね。
そうですね、中島美嘉さんとかビッグバンさんとか。
- ポップスの方と仕事する時はクラブ系のトラックを作る時と考え方は違いますか?
全然違います。まずポップスは1番に歌が来てウワモノが来て1番後ろにビートがあると思うんですけど、クラブは1番前にビートがきて、ベースとかが来てその次あたりにボーカルがくるんですよね、遠近感的に言うと。なのでビートがしっかりしないとクラブでは音圧が足りないというか、踊れなくなっちゃいますよね。あとメロディー過ぎるのも今のクラブでは主流じゃないかなと思いますね。
- 最終的にはサウンドプロデューサーとして成功することが目標だと過去のインタビューで仰っていましたが具体的な目標はありますか?
まず、World Sketchの活動をして守屋友晴を知ってもらうということですかね。認知度が高くなればアーティストさんを育てることもできるし。まずは名前を売ることですね。
- World Sketchという名前は音楽性と合っているなという印象を受けるのですがどういった意味合いでつけられたのですか?
その名のとおり世界進出したいという感じです。
- 昔に影響をうけたアーティストはいますか?
やっぱり小室さんですね。カラオケとディスコを結びつけたじゃないですか?クラブに遊びに行ってカラオケでも同じ曲を歌えるという。そこがやっぱりすごいですよね。メロディーの作り方も今までと違ってインストでも聴けるような印象を受けましたし。
- たしかにTRFとか聴くと、ジャングルだったりトランスだったりの要素をポップスの中に落とし込んでましたね。
そうですよね。ジュリテクみたいな曲もありますもんね。
- 今のポップスもトラックだけ聴くとクラブミュージックですけどね。
安室奈美恵さんとかそうですよね。
- なのでクラブミュージックがもっと浸透してもいいと思うんですけどね。
1番手っ取り早いのはハウスのディーバが出てくればいいと思うんですよね。クラブミュージックのポップアイコンみたいな。
- なるほど。以前、birdさんとかが出てきてジャズ/R&Bのブームがきたような。
そうです。そういうのも含めてボーカルのプロデュースやりたいなっていう。そのためにも今はWorld Sketchで地道に頑張ります。
- ちなみに今お気に入りのボーカルさんはいますか?
Ms. OOJAさんですね。彼女は本物だと思います。
- どういったところが魅力ですか?
歌だけで勝負しているところがすごく伝わってくるんですよね。ライブいってもマイクのノリがすごくいいし。今彼女がやっているのはJ-ポップですけどクラブミュージックも絶対にはまると思うので本人がよろしければ是非一緒にやらせていただきたいですね。リミックスは、1度させていただいたんですけど、コラボレーションかプロデュースでもう1度ご一緒したいですね。
- ボーカルものにこだわりはありますか?
やっぱり聴くのはボーカルなんですよね。インストをできる強みもあるんですけど、やっぱりアイコンができるので。
- R&Bもお好きですよね?
Brian McKnightが特に好きですね。やっぱり歌すごく上手いしプロデュースもしていて曲がめちゃめちゃいい。R&Bのどこに惹かれるかというと、やっぱり声ですね。まず歌がうまくないといけないっていうか。R&Bは綺麗な方が好きですね。
- ファーストアルバムの「Wonderful」がヒットしたことによって生まれたジレンマみたいなものはありますか?
そうですね。今難しいと感じるのはファーストでみなさんが持ったWorld Sketchの印象を3作目で結構ガラッと変えたので、そこをどう説得させるかが難しいですね。ガラッと変わっていいかもって言ってほしいですね。
- 現在も活動の拠点は北海道ですよね?どこをメインに活動されているんですか?
“alife”と”Sound Lab mole”です。やっぱり北海道が好きなので、これからも拠点は北海道でと考えてますけど、東京に行かざるを得ない状況ができたら行こうかなと思ってます。
- どういったところが好きなんですか?
あまりゴミゴミしてないけど都会的でもあるというバランスが好きですね。不便はないですし。
- 道並みもきれいだし、遊ぶ場所もちゃんとあるし、ご飯もおいしいし、女の子かわいいし。
それよくいいますよね(笑)。
- 札幌でおすすめの場所ってありますか?よく行く場所など。
朝6時までやっている「ヒゲ」っていうステーキ屋さんがあって、クラブ帰りによく行きます。プラスチックシアターのあたりにあります。
-守屋さんの話を聞いていて、「クラブ」というキーワードが頻繁に出てきていたのですが、クラブに関して特別な思い入れはありますか?
音もそうですけど人間関係ができる場所だなと思ってるんですよね。友達もそうですし業界の人とも仲良くなれるし。コミュニティーを広く作れたらなと思います。特に札幌のクラブは、治安がいいのですごくピースフルなんですよね。 - 最後に読者に向けてのメッセージをいただけますか?
是非このアルバムを聴いてください。このアルバムの目的は一般のお客さんとクラブを結びつけるということなので、より多くの人にアルバムを聴いてもらってたくさんクラブに遊びにきてくれることを願っています。
- Release Information -
アーティスト:
World Sketch
タイトル:
The World Ends
価格:
2800円
発売日:
1月15日
●トラックリスト
01. The World Ends(Intro)
02. Starlight
03. Krazy ft. Ruco
04. One More Time
05. The World Ends With You
ft. Anna [from FAKY] (Symphonic Remix)
06. One Life ft. COLDFEET (Super Happy Remix)
07. Beyond
08. Victory ft. COLDFEET
09. Believe Me
10. Lub B4 2012 ft. Kimara Lovelace (Big Room Mix)
11. Miracles ft. 加賀美セイラ
12. Blue ft. COLDFEET
13. Don't Look Back In Anger
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