- このアルバムを通して感じたことは作った自分自身に対して予想以上に何かを訴えかけてくれる内容となったことだね。-
- まず始めに自己紹介をお願いします。今回何度目の来日でしょうか?日本はどの様なイメージの国ですか?
僕は1970年代にリバプールでヨーロッパ、アフリカの両親の元に生まれたんだ。当時、リバプールはイギリスの中でもブラックミュージックが1番盛んな場所で、そこでさまざまな人種や文化が交錯する中で幼少期を過ごし、ソウルやファンク、ジャズなどのブラックミュージックを愛する父の膨大な音楽のコレクションを聴いて育ったんだ。今回で日本に行くのは3回目だよ。僕にとって日本は今まで訪れた国の中でも平和で、とてもわくわくする大好きな場所だよ。
- あなたのバイオグラフィにもあるようにブラックミュージックにとても影響を受けているということですが、あなたが生み出す音楽にブラックミュージックのどのような部分が注入されているのでしょうか?
ブラックミュージックの「ハーモニーやリズム」は作曲する上で常に1番重要な要素となっているよ。
- あなたに影響を与えたアーティストは誰ですか?
僕の作品からは想像がつかないかもしれないけど、90年代からから活躍するハウスのプロデューサー Ron Torent、Theo Parrish、Kerri Chandler、Joe Claussellを尊敬しているよ。 Ron TrentはDJとしてもプロデューサーとしても特に尊敬しているよ。
- たくさんのDJやプロデューサーがベルリンに住んでいますが、なぜベルリンに移住したのでしょうか?移り住んだ事でライフスタイルの変化などはありましたか?
ベルリンは現在もハウスミュージックが盛りあがっている場所でたくさんの情報が集まり、交流する場がある。また他の都市へ移動するのに交通の便が良く拠点として最適な場所なんだ。
- さまざまなジャンルのプロデューサーから賞賛を受けていると思いますが、成功の秘訣みたいなものがあれば教えてください。また制作する上で何か特別なアイデアはありますか?
特別な秘訣はないけどジャズ、ヒップホップ、ソウル、レゲエ、ラテンなどの音楽をよく聴き、ハーモニーやリズム、表現方法を研究することは1つの方法だと言えると思うよ。
- 現在オススメのアーティストやDJはいますか?
UKを拠点にしているMiles Sagniaは最近お勧めのプロデューサーの1人だよ。
- 今回のアルバムはどのような趣旨で作曲しましたか?またデジタルでは先行リリースされましたが、レコードでリリースする予定はありますか?
このアルバムは小説の様に起承転結があり、例えると「桜」の様な感じだね。序盤の数曲は「冬の間におとなしく英気を養い、静かにしている状態」で移動中やゆっくりとしている時にきいてもらいたい。中盤は「徐々に暖かくなって葉を付け、つぼみが膨らんで開花を待っている状態」。終盤は「一気に花が開き絢爛豪華な状態」でフロア仕様の部分だよ。日本はちょうど今が桜が咲く時期かな?このアルバムを通して感じたことは作った自分自身に対して予想以上に何かを訴えかけてくれる内容となったことだね。
昨年11月にデジタルで先行発売したけど、実はまだ未完成なんだ。なぜかというと収録に間に合わなかった曲があることと、まだバイナルでリリースされていないからなんだ。だからまだ完結していない。収録されなかった曲はデジタルでリリースしたKeep Me Hanging OnとCan't Help MyselfのKerri Chandler
Remixだよ。この2曲はバイナルオンリーの音源としてバイナルLPに収録されて近々発売されるから必ずチェックしてね。
- 最後に日本の皆さんにメッセージをお願いします!
僕は日本が大好きだからあえて言います。海外にいて抱く日本の印象は「もっと日本人が作ったハウスを聴きたい」ということ。今は少ないと思う。クニユキは日本人で世界的に偉大なハウスミュージックのプロデューサーの一人だよ。彼の様なプロデューサーが日本からもっと世界に羽ばたいてほしい思います。
4月5日は久々に東京でプレーするから会いに来てね!みんなに会えること、それと桜を見ることができることを楽しみにしているよ。
- Event Information -
タイトル:
W presents Tony Lionni ”Just A Little More” Release Party
開催日:
4月5日(土)
時間:
10PM
会場:
module
チケット:
¥3,000 door / ¥2,500 with flyer
出演:
[Black] Tony Lionni (Madhouse/Freerange/Wave), Den (NETA/op.disc), Kenji Endo (Unite Music), MOCA (freerange tokyo), sio (EUREKA!)
[Red] -W exclusive sessions- Tomoya (Brightness) & SASAKI (Phiesta), hiroshi kinoshita & Yui Ebata, Kiccho & Gamou (DAY&NITE), Shogo Furukawa & Naoto Iwatsuki, KOMA & MiHiRO (Juvenile)
[Brown]-Down beat long set- (Hip Hop, R&B, Electronica, Chillout) Satoshi Onishi (strobo), Shintaro Kume & Tropical (CSH4)
詳細:
Fred Everything、Johnny Fiascoを迎え開催して来たW。今回はKerri Chandlerが主宰するレーベル〈Madhouse Records〉からバイナルオンリーのKerri Chandler Remixを含むアルバム Just A Little Moreをリマスター&フルリリースするTony Lionniを迎え、リリースパーティを開催する。彼の作品はヨーロッパはもとより、Francois Kが主宰する〈Wave Music〉からリリースされたEPによってアメリカで高い支持を得ていることが注目すべき点である。過去に来日した際には彼がリリースを重ねてきた〈mule musiq〉のショーケースで披露したライブやFreerange TokyoでのDJが高い評価を受けており、約3年ぶりの登場に期待が高まる。