INTERVIEWS
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Ben Klock

DJ、プロデューサー、そして〈Klockworks〉のレーベルオーナーとして、今日のテクノシーンで大きな影響力を持つBen Klock。2004年のオープンから“Berghain”でレジデントDJを務めた彼が、“Berghain”の前身であるクラブ“Ostgut”にて1999年からレジデントDJとしてプレイしたMarcel Dettmannと共に来日。9月22日(火)、新木場“ageHa”にて開催されるDJ NOBUによるテクノパーティー「RESONANT - Sound of Berlin -」に出演する。今回のインタビューでは、初来日公演時の印象や現在の音楽シーンについて思うこと、幼少期の夢などを聞いた。

Photo:  (c) Flavien Prioreau

 

 

- テクノの黄金期が90年代であっても、個人的には今のシーンもエキサイティングだと思う。-

 

 

- 若いころはどのように音楽と関わっていましたか?また少年時代の夢はどんな大人になることでしたか?

わりと早い時期から音楽が好きで、楽器にも触れていたよ。家にはギター、ピアノ、ドラム、トルコの楽器サズ、オーストラリアの楽器ディジュリドゥ、他にもいろいろな楽器があった。毎日新しい楽器に挑戦するのが楽しかったし、毎日学校の後1、2時間はピアノの練習をしてた。ある時雑誌でRoland Jupiter 8っていうシンセサイザーの記事を読んで、いつか自分のスタジオを持ってシンセを置きたいって思ったんだ。兄が手作りのオーディオミキサーをプレゼントしてくれて、マイクとテープデッキを使って人生初のレコーディングをしたんだ。若い時の夢は2つあって、1つは有名な画家になること、もう1つはロックスターになること。最終的にグラフィックデザイナーとDJになったから、結構近いよね。

- いつごろプロとしてDJやプロデューサーになるべきだと思いましたか?

長年DJとして活動してきたけど、毎日10時間くらいグラフィックデザインに費やして、週末にDJや音楽プロデュースの作業をしていたらアルバムを完成させるのは無理だって2008年にリリースしたアルバム『One』を作っている時に気付いたんだ。それからはグラフィックデザインを少し休んで音楽に集中するようにシフトチェンジした。大きな変化だったしリスクも大きかったけど、自分の人生にとって良い決断ができたと思う。100%音楽に打ち込むようになって、そこからキャリアがスタートしたと言っても過言ではないね。

- あなたが音楽制作を始めた時から音楽シーンは変化していますか?キャリアをスタートした時と現在のテクノシーンを比べた時、1番大きな違いは何でしょうか。

多分1番大きな違いは、90年代はシーン自体がもっとローカルだったことじゃないかな。当時はインターネットとかイージージェット(格安の運賃で知られるイギリスの空港会社)がまだ普及してなかったし、今ほど気軽に遠出できなかったと思うんだ。あと今ほどDJ自身にスポットを当てられてメディアへの露出を余儀なくされるような世界じゃなかったと思う。テクノシーンがきちんとした産業になって、マーケティングにおいてFacebookを筆頭に目紛しいほどのメディアに取り立てられるなんて初期のテクノシーンでは想像もしていなかった。でもシーンが変化していくのを見るのは興味深いよね。僕は昔は良かったなんて言うような人間じゃないから、テクノの黄金期が90年代ではあっても、個人的には今のシーンもエキサイティングだと思う。

 

 

 
- あなたのキャリアの中で重要だった出来事を教えてください。


昔“Cookies”っていうクラブでレジデントをしていて、他にも”Tresor”とかいろいろな場所でDJをしていたけど、”Berghain”のレジデントになってから世界レベルでのキャリアがスタートしたんだ。これが過去の大きな出来事をまとめたリストだよ。

2004年:”Berghain”で初めてプレイ - 人生の転機
2006年:Marcel Dettmannと初のコラボ。2人の初EP「Dawning」とレーベル〈Ostgut Ton〉始動に繋がる。
2006年:レーベル〈Klockworks〉始動
2009年:代表曲となった「Subzero」を収録したアルバム『One』、EP「Before One」リリース
2009年:レーベル〈Mute〉から”Depeche Modeが君にリミックスを依頼したいそうだ”と声がかかる。
2010年:Berghain 04 Mix CD
2012年:Fabric 66 Mix CD
2012 - 2014年:世界中を旅してすばらしい経験を積んだ。

- ステージに経つ時、実際はどんな気持なのでしょうか。

その場所、サウンド、オーディエンス、その時の僕の人生の状況、いろいろな要素で全く違った感情になると思うけど、私生活が上手くいっていない時にステージに立つことはセラピーのような効果があるよ。良いフロウで完全にオーディエンスと一体になれた時は最高の気分を得られて、他のことなんて全部忘れてしまうから。でもいつだって最高のパフォーマンスを届けたいと思うから毎回挑戦でもある。上手くいかない時は本当に最悪だしね。最高のレベルに達しなかったら、それなりに良かったとしても納得できない。でも、良いフロウができた時は本当に最高な気分になれるんだ!

- リラックスしたい時はどんな音楽を聴きますか?

何も聴かないね。だいたい無音か、自然の音を聴くよ。たまに聴くとしてもテクノとはかけ離れた音楽だね。今だったらLucio Battistiっていうイタリアのシンガーを聴いてる。

- 初の日本公演はあなたにとってどんな経験でしたか?

日本の人たちはゲストに対する姿勢がとにかくすばらしくて、とても親切に迎えてくれたし本当に優しくて印象深かったよ。すごく良い文化だと思うし、日本での音楽の価値はとても高いんだ。フロアで目を閉じて自分の世界に入り込んでいたり、音楽で日常から脱出するような感受性が好きだね。フロアは大抵暗くて音楽に没頭しやすい環境が多いんだ。

- 9月22日(日)”ageHa”でMarcel DettmannとB2Bをされることについてどんなお気持ちですか?

彼とは昔から一緒に活動しているし、もちろん今回もすごく楽しみだよ。また日本でプレイすることができて嬉しく思ってる。

 

 

 
- Event Information -


タイトル:RESONANT –Sound of Berlin-
開催日:9月22日(火)
時間:23時
料金:前売 ¥3500 早割チケット  ¥3000(300枚限定)
会場:新木場”ageHa”
出演者:Ben Klock [Ostgut Ton, Klockworks, Berghain Resident/ Berlin], Marcel Dettmann [OstGut Ton, MDR, Berghain Resident/ Berlin]-EXCLUSIVE B2B 4 HOURS SET-, DJ NOBU [FUTURE TERROR / Bitta],dj masda [Cabaret Recordings], DJ PI-GE&KIKIORIX[TRES VIBES SOUND SYSTEM], YOU FORGOT[UGFY / Eild], MR.TIES [Homopatik/Berlin], DSKE, IORI, INNERSCIENCE, 山頂瞑想茶屋
hakobune
LIGHTING&LASER : AIBA [Teal]

■clubberia event page
http://www.clubberia.com/ja/events/240586