Freedom Fightersとは10年以上の経験を持つプロデューサーShahf Efratによる、サイケデリック音楽の最先端を走るプロジェクトである。サイケ・シーンそのものを象徴するヘビー級レーベルHOMmegaと長年契約し、現在はHOMmegaの意志を継ぐStereo Societyの元で自身のサウンドを発信し続ける。リリースした楽曲は立て続けにBeatportのランキングにチャートイン。レーベル・メイトである、あの生きる伝説Infected Mushroomに「今のトップ・アーティストの一人」と称されているのも不思議ではない。大型フェスOZORAやEDC、Tomorrowlandからアンダーグラウンドのクラブまで世界中からオファーが止まない。
Freedom Fightersは渋谷WOMBで7月13日(土)に開催されるThe Church of Tranceの5周年アニバーサリーに出演予定。Astrixとメインアクトを務めたSolstice Music presents "HOMmega 20th Anniversary" @ageHa以来の2年ぶりの来日となる。
サイケデリック・トランスの未来を切り開く存在
FREEDOM FIGHTERSの本当の姿
――初めに、Freedom Fightersプロジェクトの裏に立つ人物、あなた自身「Shahaf Efrat」について聞きたいと思います。今住んでいる場所について教えてください。
俺は美しく発展した都市イスラエル・テルアビブに住んでいるよ。ここは、イスラエルにおいて最も好きな街で
文化、天気、食べ物、そしてパーティー・ライフは最高さ。他にも素晴らしい面がたくさんあるよ。
――普段、家ではどのような日常生活を過ごしていますか。
10:30頃に目覚めると大体いつも音楽を書きたい気分だから、コーヒーを淹れてから世界一好きな所に飛び込むよ。つまり、スタジオだ。一度座ってしまえば、10時間は出ないこともあるんだ。スタジオ日じゃない場合は、友達を呼んでビーチに行く。インスピレーションにもなるし、癒しにもなるからね。そして帰ると、料理をする。俺は料理をするのが音楽の次に大好きかな。夜になるとバーを回ったり、パーティーなどの社交行事に参加するよ。社交的な人だからね。レストランや大きな集まりはまず断らない。俺の毎日はざっとこんな感じだよ。
――食べ物の好みについて教えてください。
洗練された、高級な食べ物が好き。実は日本料理が世界で一番好きなんだ。日本の寿司や肉は、俺にとってナンバーワン!あと、イタリア料理を食べるのはもちろん、作るのも好きだよ。パスタに夢中なんだ。
――兄弟はいますか?ペットは?
ペットは残念ながらいないんだ。犬が大好きだけど、ツアーで忙しいと十分に世話する事が難しいからね。兄弟は3人で、俺は一番下。兄1人、姉が2人。この世において、家族より大事なものはない。
――私たちトランス・ファンはイスラエル=サイ・トランスの楽園として認識していますが、イスラエルに関しての知識はそこまでです。イスラエルの他の面について教えてください。
イスラエルは良いものばかりだよ。美しいビーチに温かい人たち、美味しい食べ物、そして非常に発展したテクノ / ハウス文化(テルアビブは特に)。他には、進化したアート文化、技術、などなど。とにかく自分で訪れてみることをお勧めするよ。絶対に損はしない!
――イスラエルでどのように育ちましたか?
イスラエルの南部でのんびり育ったね。いつも肌足で歩いたり、サッカーをしていた。ゆったりした幼少期を与えてくれた親と家族には感謝しきれない。
――他の国で長く住んだことはありますか?それはどのような体験でしたか?
18歳の頃に半年間ブラジルに住んだことがあるんだ。すごく楽しかったね。ブラジルはいつだって自分の第二の故郷だよ。ポルトガル語も話せるし、ブラジルの文化と食べ物は最高さ。あと、オーストラリアには猛烈に恋をしていて、なるべく行くようにしている。
――子供の頃、一番好きだったことは?
友達と兄と一緒にしたサッカーだね。あと、PCゲーム。でも、15歳になり音楽プロダクションに出会った時から、すべてが変わった。
――自分の成長に大きく影響を与えた、模範的な人物はいますか?
Daft Punkで人生が完全に変わったんだ。『Around The World』をMTVで見て、心臓が止まりそうになった。それを見た瞬間から電子音楽と結ばれた。マイケル・ジャクソンもヒーロー的な存在だったね。
――好きな映画又は本はありますか?好きな理由も教えてください。
残念なことに昔から本というものを好きにはなれなかったけど、好きな映画、テレビ・シリーズならすぐ思い浮かべられる。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は2008年に大ヒットした超大作。世界滅亡後の設定で、この映画は俺のトラック『Wasteland』のインスピレーションの元なんだ。『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』はウィル・フェレル主演のコメディ。自分は内心、未だに10歳の子供だから共感できる部分は多いし、何よりも笑える内容がたっぷり!『ボクらを見る目』はわりと新しいNetflixの犯罪ドラマ。実に驚異的なんだ。『ゲーム・オブ・スローンズ』は有名だから、説明は不要かな?(笑)『ダーク・ナイト』は俺にとって、バットマンは神だ。これ以外にいくらでも挙げられるけど、この辺にしておこう。
――15歳から音楽を作っているとのことですが、始めたきっかけを教えてください。
完全に成り行きだったね。通っていた農業高校にスタジオがあり、Cubaseがインストールされていて、
何となくいじるようになったんだ。そして今に至るよ。(笑)
――最初のクラブ、もしくはフェス体験は?そしてDJは何歳から?
最初のギグは16歳の頃、テルアビブのクラブで。詳細は覚えていないけど、自分のトラックをかけていたのは覚えているね。
――人生において試練は付き物。私生活あるいは仕事において、自身が直面し、乗り越えた困難を一つ教えていただけますか?
確かに人生は山あり谷ありだね。去年は俺の母にとってかなり辛い時期だったんだ。親がアムステルダム在住の兄に会いに行っている途中、母が心臓発作を起こしたんだよ。飛行機はトルコで緊急着陸し、俺も数時間後にはそこへ飛び立った。数日間の滞在だったけど、とんでもない試練だった。幸い、母は今回復している。そしてその半年前。俺の第二の父親でありHOMmegaの設立者であるEyal Yankovichが46歳で亡くなったんだ。彼がいないのは今だに信じられないことで、会いたいといつも思う。でも、あらゆる壁や困難は乗り越えるためにあるからね。人生は一度きりだから、精一杯頑張るしかない。
――多くの人はモットーを元に生きる。あなたのモットーは?
いつか、誰もが愛していた知恵に富んだ方はこう言った:「音楽とは自分の人生のサウンドトラック。」- Eyal Yankovich。これ以外に、自作のモットーがある。「自分自身、そして自分のアートに対して常に忠実であれ。
他の人の真似をするな。」
唯一無地のFFサウンド、その本質と方向性
――あなたは、サイケデリックとヨーロピアン、両方のトランス・シーンにおいて大きく成功している、数少ないサイ・トランス・アーティストの一人です。『Simon Patterson feat. Sarah Howells - Dissolve』のリミックスがあらゆるトランスチャートで1位を獲り、史上最大のダンスミュージック・ラジオショー「ASOT」や、BBC Radio 1に出演するなど、あなたへの需要は垣根を知らない。Freedom Fightersのサウンドがすべての方面から絶賛されるのは何故でしょうか?
まず、その言葉に感謝をするよ。どう答えれば良いか分からない部分はあるけど、確実に言えるのは、俺はどんな時にも自分自身に忠実でいるんだ。周りを考える前に、まず自分のために音楽を書く。自分がワクワクしてスタジオ内で踊りたくならないのなら、リリースはしない。他の人に聴かせる前に、まず自分自身が感動しなければならない。それ以外のことは、流れに任せる。
――Astrixなどのレーベル・メイトと共にSolstice主宰の「HOMmega 20th Anniversary @ ageHa」でヘッドライナーを務めて2年が経ちます。そして今回は、世界的にも知られているあのWOMBにてプレイをすることに。7.13のスペシャルな来日に関して、ファン達が期待できるものは何でしょうか?
WOMBのステージへ上がることを非常に光栄に思っているんだ。俺のヒーロー達がそこでプレイをしてきたからね。以前のインタビューで言ったか覚えていないけど、日本は世界一好きな国なんだ。だからこそ、Freedom Fightersのベストを日本のみんなに見せたい。オーディエンスの期待を裏切らないよう、全力を尽くすつもりだよ!
――あなたのスタイルはとても多様性に満ちたもので、テクノからプログレまで、他のサウンドを幅広く取り入れているため、一つのジャンルに分類するのは難しいことがあります。このユニークなFFスタイルのインスピレーションは何でしょうか?また、トランス以外に好きな音楽・アーティストについてもお聞きしたいです。
良い質問だね!それでは、俺の秘密を教えるとしよう。それは…秘密なんて、ないんだ!俺は、好きで聴いている音楽を書くのみ。好きなものなら、何でもインスピレーションになり得るからね。トランスから、テクノ、ハウス、ブラジルの一昔前の音楽、プログレッシブ・ロック、父から引き継いだレコードまで。すべてをインスピレーションとして捉えているよ。Freedom Fightersのサウンドは俺自身。悲しい時は悲しい音楽が生まれる。ハッピーな時もあれば怒る時もあり、ダークな映画に影響されることもある。言い換えれば、人生そのものが最も大きなインスピレーション。好きなアーティストはDaft Punk、Stephan Bodzin、Union Jack、X-Dream、Dusty Kid、Merkaba、Loud、Hallucinogen、The Doors、Pink Floyd。このリストは永遠に続きそうだからこの辺で終わりにしよう。
――スタジオ・アルバム2つ。一位へランクインしたトラックは数え切れず、世界最大のクラブやフェスもほぼすべて制覇。FFの次なるステップは何でしょうか?
他アーティストの曲を紹介していくプロジェクト「The Swamp」と3つ目のスタジオ・アルバムに専念したいね。それと、自分に大きな影響を与えてくれたアーティストを呼んで大規模なイベントを開催したい。そして、GMS、Pixel、Dekel、Modus、3 Of Life、Sun Project、ON3などの友人と一緒にやっている、俺の新レーベル「Stereo Society」をもっと大々的にプロモートしていきたいと考えているよ。俺たちが作るものはまさしく「Art from Earth」(地球からのアート)。所属アーティストの一人ひとりを、俺は心から信じているんだ。
――年々、サイ・トランスはダンスミュージックの他ジャンルにより影響を与え、サイ・トランスのフェスも規模を拡大していっています。アンダーグラウンドのジャンルであったサイ・トランスの今後の行方は?
輝かしい未来が待っていると思う。その中で、サイ・トランスのシーンは恐らく二つのものに分裂するだろう。つまり、メインストリームのものと、元からあるアンダーグラウンドのもの。どのシーンにおいても、進化は必要なステップだからね。何はともあれ、このシーンは素晴らしいし、このように参加できて、自分はラッキーだよ。
――サイ・トランスのシーンの代表的なテーマと言えば、「平和」「共有」「自己発見」などがありますが、あなた自身はこのカルチャーのどこが一番好きですか?また、Freedom Fightersプロジェクトの裏に、何かテーマ的なものはありますか?最後に、Freedom Fightersというネーミングの由来は?
サイ・トランス・カルチャーに勝るものはない。そこには究極の自由があり、真実を追究する者を引き付ける何かがある。そのシーンに参加できて、心から良かったと思っているよ。Freedom Fightersという名前だけど、Crystal Matrix Recordsよりリリースされた、DJ Paul Taylorの古いコンピレーションが同じ名前で、そこから取ったんだ。「Freedom Fighters」のテーマと言えば「自由」。自由を象徴する名前だから好きなんだ。それと俺の本名「Shahaf」は「カモメ」という意味で、空を舞う鳥も、まさしく自由のシンボルでもあると昔から感じていた。
――今までで一番思い出に残っているギグは?
一番印象に残っているのはやはり、OZORA。大好きな友達とアーティスト仲間に囲まれながらあの素晴らしい場所にいれて、幸せと自由な気持ちでいっぱいになれたよ。祝福されている感じだった。あとは、ブラジルだね。あそこでプレイしていると、本当に自分自身でいられる気分になるんだ。自分が語りたいストーリーを、好きなように語らせてくれるからね。
――10年以上を掛けたくさんの名声を積んできたFFですが、振り返るとどのような旅でしたか?
「名声」という言葉はあまり好きじゃないかな。どちらかと言うと、あまり前に出ず、クリエーションだけに集中したい。もちろん、チヤホヤされるのは悪いことじゃないけど、敢えて外の世界に知られない事が、俺のスタイルだよ。かと言って、ファンにアプローチされて、俺の音楽でどれほど人生が変わったかを言われると、圧倒されるね。そういう愛情こそ、生涯もらい続けたい。「他人のインスピレーションになった!」これ以上嬉しい事はないね。
――最後に、7.13にWOMBへと駆けつけるあなたのファン達のために、ご挨拶を一言いただけますか?
日本は世界で最も好きな国の一つ。このように東京へ戻れるのは光栄だ。だからみんなを最高なサイケデリックの旅へと連れて行くよ。ありがとう!7月13日はWOMBで会おう!
COT 5th Anniversary feat. Freedom Fighters @ WOMB
https://www.facebook.com/events/355203738395583/
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https://www.youtube.com/user/FreedomFightersRiot