MUSIC
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Vapor

Yosi Horikawa
Vapor

「手を伸ばせば届きそうな音の粒子がそこに見える幻の世界は、聞く者の経験を映し出す音楽」

赤い色を赤と知らなかったら、赤色が分からないように、
ドラムの音を知らなかったら、この音はドラムかっ、なんてことは分からないでしょう。


Red Bull Music Academy 2011 Madridに選出、スペインで開催されているSonar Festivalへの出演など世界的評価を得ている日本人アーティストYosi Horikawa。彼の音楽が、どこか懐かしく、こんなにも視覚化できるのは、波の音だったり、雨だったり、会話だったり、電車だったり、私たちの身の回りにあり誰もが経験し知っている音を使っているから、音の粒子として浮かび上がるのだと思います。もちろん、フィールドレコーディングがきちんとできる環境だったり、その素材を3次元の座標軸へ的確に配置し鳴らすことができる技術があって初めて起こる現象だと思います。

自宅で使用しているスピーカーだったり愛用しているヘッドフォンだったり、余計なことは考えずちょっと音楽に向かい合ってみると、あなたの経験がまるで映画の様に物語性を帯びて浮かび上がってくると思います。

Text:yanma (clubberia)