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Rainbow Disco Club Vol.1

Prins Thomas
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Rainbow Disco Club Vol.1

東京晴海で開催されている2010年に誕生した都市型野外フェスRainbow Disco ClubからDJミックスCDシリーズがMule Musiqとのジョイント・リリースでスタート!

 

第一弾に選ばれたDJは、ニューアルバム「III」も話題を集め、今年のRDCを盛り上げた北欧のディスコ王子、プリンス・トーマス!しかも全世界発売が決定!日本が誇る話題のフェスRDCとMule Musiqが世界のファンに届ける全てアナログ音源を使用した現場感覚溢れる世界標準のDJミックス作品!

 

2010年、DJ Harveyをメインアクトに迎えスタートしたRainbow Disco Club。春海客船ターミナルという東京湾を臨む絶好のロケーションとクールなラインナップが東京らしいフェスティバル。大成功を収めた2010年の後、2年連続天災による開催中止という不運に見舞われたが、Dixonをヘッドライナーに迎えた2013年、Moodymann、Prins Thomas、Redbull Music Academy StageにSpecial Secret Guestとして登場したDJ Koze等、充実したラインナップで開催された2014年と着実に日本を代表するフェスティバルへと成長している。



そのがmule musiqとタッグを組みコラボレーションリリース第一弾として2014年のRainbow Disco Clubに出演した(実際は開催中止となった2011、2012年にもブッキングされている)、Prins Thomasが2009年にlive at robert johnsonよりリリースした以来の新しいmix cdをリリースする。


これまでにオフィシャルリリースされたNu Disco、バレアリック路線の2枚のMixからがらりと変わり、近年の彼のDJ Styleを顕著に反映したダークでトリッピーなオルタナティブなダンスミュージックを展開している。


vinylのみを使用したライブミックスはジェットコースター的なスリリングかつスピード感に溢れたprins thomasの新たな一面を垣間みれる作品と言えるだろう。

 

 

もしも、このミックスCDを前置きなしに聴いたら、何の目的で、誰の手によって作られ、どのジャンルに属するか、どれかひとつでも明確な答えを出すことは 難しいと思う。あるいは、そこにいくらかの譲歩が存在して、使用されたトラック名やアーティスト名があったとしても、これが北欧のディスコ大使という美称 をもつPrins Thomasによるものだと導きだすことはできないだろう。なぜなら、このミックスは彼が最新のサードアルバム「Prins Thomas III」の上でみせた顔、ノルウェイジャン、ディスコディガーの視点から放つ、ミニマルなエレクトロニクスに偏倒し(たとえば、それがドナートドジーのも のであろうと、セオパリッシュのものであろうと)、さらに一枚のCDに26タイトルという曲数を詰め込んだ、至極実験的な内容であるからだ。そしてそれ は、僕らがいままでPrins Thomasというアーティストに対して付随させてきたディスコという言葉が、彼の音楽家としてのほんの一片を担うものにすぎなかったという、ささやかで 前向きな勘違いを気づかせてくれる。このCDにおさめられた音は、様々なシーンから搾取されたレンジの広い質感を、最小限の音数で表現した音楽。ハウス、 テクノという言葉から派生しうる先端のラインナップたちを、ひとつにおさめるRainbow Disco Clubというイベントの総体を、最多出演の経験を持つ彼ならではの解釈で体現したものに思える。そういうふうに考えると、やはり、このミックスCDは、 2014年のRainbow Disco Clubのメイングラフィックである、ミラーボールパイロットと、Prins Thomasの名前の双方が揃って記載されてこそ、はじめて完成を得て、耳になじむような気がする。数多くのミックスがネットの海を漂う現在において、 DJミックスが持つべき本来の性質を備えるこの作品を大事に聴きたい。

 

masahiro tsuchiya(rainbow disco club)