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手術の痛みと音楽の関係

 英ブルネル大学の研究で、手術前/手術中/手術後に好きな音楽を聴くと痛みが軽減することが判明した。

 7,000人の患者を対象とした実験の結果、手術前後に好きな音楽を聴いた患者は痛みを10段階で現すと2段階下がり、症状を安定させるための薬の処方も減少。さらにリラックス効果で不安も和らぎ、ほとんどの患者が入院中のプロセスに満足したと感じたそうだ。手術中は部分麻酔で患者に意識がある方がより痛みを軽減するが、全身麻酔の状態でも効果がみられたという。
 この結果を受けロイヤル・ロンドン・ホスピタルでは、帝王切開、子宮鏡検査を行う女性患者を対象に、術前に患者にプレイリストを提出させ、術中はスピーカーを搭載した枕からそのリストを再生するという実験的な試みを行っている。
 
 患者にとって大きな効果が得られることが判明した今回の研究結果だが、一方で手術中に音楽をかけると医者や看護師に悪影響を及ぼす可能性があるという研究結果も出ている。インペリアル・カレッジ・ロンドンが行った調査によると、手術中にダンスミュージック、特にドラムンベースをかけた場合、医者や看護師の集中力が低下し、何の器具を求められたのか複数回聞き返したり、患者の心拍数とキックの音を混同するなどの現象が起きたという。
 
■参照元:FACT
http://www.factmag.com/2015/08/06/surgeons-warned-not-to-play-drum-and-bass-during-operations/

■参照元:The Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/11798619/Listening-to-music-before-and-after-surgery-relieves-pain-and-anxiety.html