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シンガポールの野外フェス\"ZOUK OUT\"レポート

なんだか一段と寒さが厳しくなって、すっかり夏の浜辺が恋しい今日この頃ですが、沖縄以外の人は同じ思いなんではないでしょうか。さて、そんな中、南国シンガポール共和国では、セントーサ島という所でなんとビーチパーティが開催されるっていうので、急遽取材に行ってきました!!世界のトップDJが集まった1万5千人級のパーティは真冬でも超アツかった!! ■ZOUKOUT オフィシャルサイト http://www.zoukout.com

とりあえずZOUK OUTってなんなのよ?

シンガポールは、御存知のように日本からたったの6時間ほ どしか離れていない。にもかかわらず、チャンギ国際空港に降り立つとさっそくムワーッとした南国特有の湿り気の多い空気が漂ってくる。気温はだいたい摂氏 25度くらい。日本から着てきたセーターやらコートやらのままでは、まるで変態かアホウのようなので、さっそく現地仕様のTシャツ、短パンに着替えてみ る。。。。

この時点で、すでに期待度200%、かなり上がっちゃったので、なんかいっぱしのエッセイスト気分で書き出してしまったけど、いったん落ち着いてセントー サ島とZOUK OUTについて解説。セントーサ島というのは、シンガポールの沖合い300~400mくらいのところに浮かぶ3、4kmほどの島で、古くは漁村、シンガ ポールがイギリスの植民地になってから1967年まではイギリス軍の要塞だった場所なんだそう。「セントーサ」とはマレー語で「平和」を意味するのに、 ちょっと皮肉な感じ。現在は政府の計画もあって、水中水族館や熱帯植物園、遊園地、白い砂浜が美しいビーチ、ゴルフ場にリゾートホテル、それにプラスして 手付かずのジャングルなどが、これでもか!と詰まっている一大レジャーアイランドになっているのです。市街中心部からでも車で10分ちょっとで行けるの で、休日の昼間は家族連れやカップルで大賑わいの人気レジャースポットなのです。

そのセントーサ島で去年から始まったビーチパーティーが、「ZOUK OUT」(ズークアウト)。その名のとおり、「ZOUK」というシンガポールの有名クラブが主催する野外フェスです。 ZOUKと連結していて互いに行き来できる「VELVET UNDERGROUND」(ベルベットアンダーグランド)、「PHUTURE」(フューチャー)と合わせると2000人くらいのキャパがあるシンガポール 随一の大型店で、2、3年前にはマレーシアにも支店を出したアジアを代表する名店です。とにかくしょっちゅう海外の有名DJを呼びまくることで、世界的に も名のとおったクラブなんです。

【↓写真キャプション】
上段左:ZOUK OUTの公式ポスター。パンフレットからアーティストパスにいたるまで、すべてこのビジュアルで統一。
上段中:セントーサ島の見取り地図。ZOUK OUTの会場は地図左下の海岸。
上段右:ZOUKクラブの外観。木曜あたりからすでに込み出し、週末はだいたいいつもパンパンに。
下段左:ZOUK OUTのDJスケジュール。計4ステージにそうそうたるDJが満載!!
下段中・右:ZOUK左隣の「PHUTURE」(下段中)と右隣の「Velvet Undergound」(下段右)。どちらもZOUKと行き来できる。

パーティ会場について

セントーサ島のだいたいの地理は地図を見てもらうとわかるのだけど、今回の会場は 島の南部に位置する約3kmのビーチエリアの西端(地図左)にあるSiloso Beach(シロソビーチ)。ちなみに去年の会場はビーチ東端のTanjong Beach(タンジョンビーチ)。急に真反対になったけど、騒音苦情でも来たんですかね?不明。

ともあれ、その長いビーチの1kmちょっとを使って開催されたのが今回のパーティー。 Shangri-La\'s Rasa Sentosa Resort(シャングリラズ ラサセントーサリゾート)という高級リゾートホテルのまん前という、信じられないロケーションだったんです。もちろんDJ 陣はここに宿泊(一部はZOUK CLUB近所の高級ホテル)。

で、その細長いビーチに並ぶように全部で4つのフロアが設置されたほか、SONYのPSPやCoca Cola、RedBull、Pioneerといった協賛社の展示ブースやフードエリア、アトラクションコーナーVIPラウンジなどが配置され、まさに都市 型野外フェスの様相なんだけど、日本でよく見るトランスチックな建造物ではなく、なんか企業っぽいというか、よく言えば洗練、悪く言えば、ちょっとビーチ には場違いな感じのものが多かったのが特徴。個人的にはビーチの自然感と割と人工的な感じのする建造物のミスマッチ感がすごくいい雰囲気に感じました。

特に意味不明に「宇宙遊泳マシン」(昔あった地球ゴマって知ってる?あれの人間サイズみたいなの)とか、両手で巨大な輪ゴムを握って自分自身がビヨーンビ ヨーンって飛ぶような遊戯マシーンとかも置いてあって、無料なこともあってか、結構な数の人が奇声を発しながら遊んでたあたりが、やっぱ同じ東洋人でもア ジアの人は勢いがあるなあ、と感心したところ。あんま本筋とは関係ないけどね。

【↓写真キャプション】
上段左:セントーサ島内でのZOUK OUTの位置がわかる地図。公式パンフレットより。
上段中:ZOUK OUT会場内の地図。ARENA A(メインステージ)のすぐ横の楕円は高級リゾートホテル。超近い!!
上段右:変な宇宙遊泳マシン。
日本だったらこんなに混まないよ!ってくらい並んでたのがおもしろい。
下段左:サーカス風テントもVIPエリアだと、なんかいい雰囲気。
下段中:会場内の展示ブースやフードブース。テントの形がなんかサーカスっぽい。
下段右:日本でいうところのソフトクリームは「ウズマキ」名で大人気!!

ステージを跳ねるARMIN VAN BUUREN

メイン会場はだいたい3000~4000人が踊れる くらいの広さ。両脇に気球が上がってるのと、5、6個のお立ち台兼スモークマシンが設置されている以外はそんなに凝った装飾はなかったけれど、ステージ後 ろの巨大なスクリーンに投影される映像&照明やステージ横からいくつもの筋が放射されるレーザーの迫力は満点!!しかも、スモークは目の前5mくらい先ま で真っ白になってしまうほどのハンパない量が、かなり頻繁に放出されるので、もう上がること、上がること!!特にスモークマシンのまん前にいると突如、身 の回りすべてが白煙につつまれて一瞬で視界がなくなり、そこにレーザーが入ってきたりするともうヤバイ!おまけにかなりの冷気が噴き出すのでクーラーがわ りにもなるのだ。

会場に到着したときには、ちょうどローカルDJからCHUS&CEBALLOSに変わったところで、フロアは一気にヒートアップ。まずはCHUS がプレイを始めると、オーディエンスから雄たけびが上がり、いきなり飛び跳ねるヤツや、お立ち台に登る女の子の数が増える。CHUSは頭でリズムを取った り、手を上げたりしながら、ニコニコ上機嫌でプレイ。 1時間が過ぎたあたりで、CHUSがプレイしている間、後ろでなにやらレコードバッグをずーっとあさっていたCEBALLOSにチェンジ。最初から飛ばし まくっていた音をちょっと下げてから、明るめのトライバルでまたトップモードに引き上げて、ノリノリのままNICK WARRENに交代。

12月初旬に渋谷のWOMBでやったときにも超満員のフロアを沸かせた、他にたとえようのない個性的なプログレッシブサウンドを響かせていたNICKだけ ど、それはここでも健在。ちょっと疲れて休憩しようと思っていた矢先だったのに無理矢理フロアへとひっぱり戻される。 NICKは割と淡々とした表情でプレイを進めていき、ARMIN VAN BUURENにバトンタッチ。

ARMINは、11月の新木場ageHaでのDimension K公演時にもプログレッシブでトランシーななんともいえないジャンルレスな変態サウンドを披露してくれたが、シンガポールでものっけからすごいスピードで 上げていく。片手を挙げてリズムを取りながら、どんどんフロアを全開モードに持っていく。

観客のステップが相当に早くなったころ、途中、Arminがいったんブレイクを入れると、それを待っていたかのように、いきなりステージ横に浮かんでた気 球も墜落するくらいの生暖かい突風が訪れ、ぱらぱらと雨が降りだした。あまりのドラマチックな展開に会場を埋め尽くしたオーディエンスから一斉に歓声が上 がって、再び一気にヒートアップ! ArminもDJブースからステージ最前列まで飛び出てきて、頭上で両手をたたいて観客を煽るほど、盛り上がっていた。

その後は本当の嵐になってしまって、5分の3ほどの人がフロアから木や屋根のあるところに避難してしまったけれど、残った奴らは遺憾なく大馬鹿野郎ぶりを 発揮して、気持ち広くなったフロアで、Arminのあとを継いでクールでタイトなジャーマンテクノを響かせていたSvenのステージに大暴れしていた。

【↓写真キャプション】
上段左:最初から飛ばしまくるCHUS&CEBALLOS。
上段中:淡々とプレイを進めるNICK WARREN。機嫌悪いわけではないらしい。
上段右:アゲアゲ、ノリノリのARMIN VAN BUUREN。メインフロアの個人的一等賞はコイツ!
下段左:いつもアゲアゲ、クレイジーなSVEN VATHだけど、同時にいつも超Coolでもあるんだよね~。脱帽!
下段中:雨が降っても大熱狂のメインフロア。
下段右:雨が降ったほうがなぜか盛り上がるんだよね~。

緊張する?STEPHANE POMPOUGNAC

サブステージ(ARENA B)にあたるVELVET UNDERGROUND(ベルベットアンダーグランド)ステージは、500人くらいのそんなに大きくないエリアだったのだけど、PETER KRUDER、MARTIN SOLVEIG、LIL LOUIE VEGA、STEPHANE POMPOUGNACら、そうそうたるメンバーがプレイ。

PETER KRUDERは聞き逃してしまったが、MARTIN SOLVEIGはヤバかった!!実はこれが始めて聞く機会だったので、最初なんかチャラ目のいかにもヨーロッパっぽいハウスが続いたときには、「曲はいい けどDJはイマイチだな」とか思ったんだけど、途中からエンジンがかかったのか、同じくわりとキラキラしたサウンドながらも、しっかり抑揚のある、つまり アゲどころとサゲどころを心得たプレイになり、すっかりこのフロアに足止めされてしまった。

おもしろかったのは、STEPHANE POMPOUGNACがLOUIE VEGAのあとにプレイするってことで、ステージ横で待機してるときから妙に緊張してて、「もし、お客が引いちゃったらどうしよう」とか言ってナーバスに なっていたこと。でも、ふたを開けてみれば、LOUIE VEGAが自分のセットの最後にゆったり目の曲をいくつもつないできて、10分くらいひっぱりまくったために、客が半分になってしまっていたのを、夜明け とともに引き継いだStephaneが、いま流行のベースを効かせたラテンぽいテックハウスをガンガンにかけて、イビサのアフターみたいな雰囲気を漂わせ て満杯以上の客を呼び戻して上機嫌になっていたのが、おかしかった。

【↓写真キャプション】
上段左:初めて聞いたMARTIN SOLVEIGは、かなりよかった!!最初イマイチとか思ってゴメン!
上段中:緊張してる~とかいいつつ会場を熱狂の渦に叩き込んだSTEPHANE POMPOUGNACは夜明けにピッタリで泣けました!マイベスト。
上段右:夜明けの会場をダラダラ歩いてたら、ふと隣にLOUIE VEGAが!すかさずパチリ!
下段左・中・右:シンガポールでもやっぱり変なカッコのパフォーマーやオーディエンスは健在。

その他のステージ

そのほかにも地元 DJ を中心に HIPHOP や R&B 、HOUSEの中でもわかりやすい感じの曲ばかりかけるので、同行した雑誌 FLOOR 編集長の猪股氏いわく実は一番盛り上がっていたとのうわさもある 「 MANBOJAMBO 」ステージや、さまざまなジャンルの生演奏を聞かせるライブステージなどが、あったのだが、身体の都合で結局ほとんどまったく見れなかった。それでも、通 りすがりに見た感じでは、どちらもものすごく人が入っていて、猪俣氏の言うようにパワーあふれる感じだったなぁ。

【↓写真キャプション】
その他のステージはあんまよく見てないんだけど、すごい盛り上がりだったらしい。

 

女の子はセクシーでファンキー!!

一部の人にはおまちかねの女の子の話です。とにかくシンガポールの女 の子で特徴的に感じたのは、全体的に背の小さい人が多いのと、ウエストがくびれている人が多いってこと!!あとなんか異常に腕や体の線の細い人や、それと は逆に巨乳の人もが目についたなぁ。個人的には別に好きなタイプではないんだけど、やっぱ同じ東洋人でも見た目って違うんだなぁと実感。それはまあ主に中 国系の話なんだけど、マレー系やインド系、それらの混血ともなるとやっぱエキゾチックでいいすね。これも大いなる目の保養ってか楽しみです。ただし、現地 の人いわく、シンガポール娘は気が強いので、彼女と一緒に居ながら違う子に声をかけたりしたらぶっ飛ばされるよ!なんていってたけど、実際に何度かそんな 場面を目撃しました。いっぽう、男の子についてはあんまり観察していなかったんで、よくわからないです。でも、気さくでノリのいいヤツが多かったです。ま あ、それはパーティピープルなら世界共通か。。。イケメン話をご期待の婦女子の皆様、役立たずですいません!!

最後に-その他の楽しいパーティーゾーン

まあ、だらだらと書いてきたけど、まさか真冬にこんなに楽し いビーチパーティーが味わえるとは思ってもみなかったので、期待していた以上に興奮してしまったZOUK OUT。出番前or終わったDJが場内を普通にうろうろしていたりして、気軽に話しかけられるのもビーチの開放的な雰囲気のなせるワザ。

セントーサ島ではZOUK OUT以外にも常設のビーチステージでIBIZAのDJ陣なんかを招聘して毎週末ビーチパーティーを開催しているKM8もあるし、市内ZOUK CLUBから歩いて3分のところにはLiquid Roomというクラブもあれば、バーでダンスミュージックをガンガンにかけてる観光名所でもあるClarke Quayにこの12月オープンしたMinistry of Soundもある。あまりパーティー野郎的には縁のなさそうな観光地だと思ってたけれども、パーティーを楽しむためだけにわざわざ出かけても十分に満足で きる土地だなぁということを実感!特に冬の間は日本では寒いからね、ちょっとした避寒気分で出かけてみる価値は十分にあると思うよ! Keep on Party!!!