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Red Bull University Thre3style Japan Final

 毎年、世界各国で予選が行われ、ワールドファイナルで世界中のDJがその技、クリエイティビティを競い合い No.1 Party Rock DJを決める DJバトルRED BULL THRE3STYLEの学生版コンペティション「RED BULL UNIVERSITY THRE3STYLE」の決勝戦が、北海道、東京、名古屋、大阪、福岡での地方予選を経て、4月27日(土曜日)にYokohama BAY HALLで開催された。

 この日、ファイナリストのプレイを見るべく開場前から外には列ができていた。出演者は、これから持ち時間15分の中で3ジャンル以上の音楽をプレイし、集まった大勢のクラウドをRockし、且つ審査員を務める2011年、2012年のRED BULL THRE3STYLEチャンピオンであるDJ 8Man、ブレイクビーツユニットHIFANAのKEIZOmachine!とジューシー、RED BULL UNIVERSITY UNIVERCITY NIGHTMASTER 2012チャンピオンのDJ WAVAの4者を納得させる必要がある。
 


 
1番手は、福岡予選代表のDJ TUSKEY。彼は、このファイナルで唯一レコードのみを使用するDJだった。レコードというこもあり、曲の頭出しやピッチ合わせの作業、針飛びなど、PCでDJをすることより大変になってくるが、それを感じさせない気迫溢れるプレイを披露。オーソドックスなヒップホップからEDM、ポップスなどを混ぜながらスクラッチ、ジャグリング、半拍ずらしなど、多くのスキルを魅せてフロアーを盛り上げた。

2番手は、名古屋予選代表のDJ MASA。前半はスローなジャパニーズヒップホップでゆっくりスタートし、David Guetta、Afrojack、LMFAO、Pitbullなど近年流行しているEDM系のアーティストの代表曲を連投し会場を盛り上げる。中盤よりオールドスクールなヒップホップやダブステップ、ロックなどをミックスし、選曲性の高さを魅せつけた。
 

 
3番手は、関東予選のワイルドカード枠での出場となったDJ YUSA。序盤は、Fatman Scoop、Zeebra、Mitomi Tokoto、LMFAOなどの曲の特徴的な部分を8小節~16小節使いショートミックスでテンポよく繋げていった。中盤にはポップスのドラムンベース、ダブステップリミックスなどのトリッキー楽曲を多用。終盤を意識してか徐々にメロディアスな楽曲でストーリーを作っていった。

4番手は、大阪予選代表のDJ YOSHIKI。SHINGO☆西成の「大阪UP」ならぬDJ YOSHIKIの地元京都をフィーチャーした「京都UP」を披露。ジャパニーズヒップホップからChumbawambaなどポップスを多くミックスしていき、和やかな空間を作っていった。
 

 
5番手は、北海道代表のDJ KYOHEY。T.REXの「20th Century Boy」とロックでスタートし、これまでのDJとは違う印象を植え付ける。AviciiなどのEDM系を中心に、ヒップホップ、ポップス、ダブステップなどバラエティーに富んだ選曲をショートミックスで魅せていく。ハウス界のディーバLoleatta Hollowayのボーカルサンプリングなどの素材使い、ターンテーブルテクニックも魅せるなど多角的なDJを表現した。

最後は、関東予選代表のDJ HIP。東京でメインに活動しているということもあり、プレイ開始前から多くの声援が注がれていた。Bellini「Samba De Janeiro」を始め、トライバルのリズムで盛り上げていく。中盤にはスローなグルーヴのヒップホプやダブステップかけてから終盤になるにつれて、ビートを上げて行き最後はステージの前へ行き、クラウドを大いに盛り上げた。
 

 
各DJのパフォーマンスが終了し、審査員4名のディスカッションにより大学生No.1 DJが決定した。今回チャンピオンに輝いたのは、DJ TUSKEY。DJ TUSKEYの名前が発表されるとフロアーからは大きな歓声と拍手が彼を祝福した。審査員のKEIZOmachine!は、「盛り上がる曲で盛り上がるのはDJのスキルではない。前のDJがかけた曲を使うのであれば、別の調理をしてほしい。クラブミュージックやDJっていうのは、驚きが大切だと思う。世界を目指すのであればチャレンジ精神と独創性を大切にしてほしい」とメッセージを。また8Manは、「TUSKEYは、自分の足と頭を使ってレコードを買いに行って。ネットの社会だけで生きていないこういう人が上にいったらっていつも思ってます」と厳しくも温かい激励を送った。優勝したDJ TUSKEYにレコードを使う理由や決勝を振り返って話を聞いたら「スタイルです。自分の中でレコード1枚1枚選ぶ姿がかっこいいし音質もいい。あと基礎をきちんとしたかったんです。PCの導入の予定はあるんですけど、実力はまだまだなのでもっと練習が必要です。でもクラブではお客さんに新しい音楽を聞かせるのもDJの仕事なので、クラブではPCを使って、こういったバトルではレコードを使おうと思ってます。今回の大会で他のDJももっと練習を重ねてくると思うし、俺も1位の座は譲りたくないから、練習を重ねてこのまま上がっていきたいですね」と話してくれた。

ハンデかとも思われたレコードのみを使用したDJ TUSKEYの優勝は、エレクトロニクスの技術が発達し、簡単にDJができるようになったからこそ希薄になってしまった、DJの本質を見直させてくれる意義の大きいことだった。今年の結果を踏まえ、来年はさらにレベルアップしたDJのバトルが繰り広げられることだろう。