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Red Bull Thre3Style 2013 Kick Off Party

毎年、世界各国で予選が行われ、世界中のDJが技やクリエイティビティを競い合いNo.1 Party Rockerを決めるDJコンペティション「Red Bull Thre3style」が、今年も10月にカナダ・トロントで開催される。その日本予選に先駆け4月27日(土曜日)にYokohama Bay Hallでキックオフパーティーが開催された。
 


まず、フロアーの視線をさらったのがモデルとDJをこなすVAN CLIFFE / ELLI-ROSE。広い会場に栄える上音が特徴的なディープハウス、テックハウスを中心にディープながら女性らしさを感じる優しい曲調で徐々にフロアを温めて行く。そして、早くもジャパニーズヒップホップ界のカリスマDJ DIRTYKRATES a.k.a. ZEEBRAがブースに表れると大きな歓声が湧いた。スローなグルーヴのヒップホップを中心にプレイ。マイクを握りしめてMCを入れ出すと、フロアーは盛り上がりをみせる。自身もブースで大きく踊り、フロアーとの一体感を作り、フロアーが完全に温まりきった状態で、エレクトロ界の雄80KIDZにバトンタッチ。クラウドの早まった鼓動にビートを合わせるかのごとく、BPM130くらいの早いビートで攻め、中盤にダブスッテプへ変調。横浜ということもあってか、重厚なベースへのフロアーの反応はいい。ゆっくりと揺らし、終盤には4つ打ちに戻し、自身の「Fat La Danse」で盛り上げ、きれいに流れを作った。
 
 
ここから、THRE3STYLEが始まる。まず登場したのは、この日、同会場で行われていたUNIVERSITY THRE3STYLEでチャンピオンに輝いたDJ TUSKEY。Eve、Alicia Keys、Dabo、Joe Buddenなど王道のブラックミュージックをショートミックスしていき、UNIVERSITY THRE3STYLEの時とは違う、フロアーの年齢層や雰囲気に合わせたクラブ寄りなプレイを披露。スクラッチやジャグリングなどのテクニックを魅せると、初めて彼を目にした観客が多い会場からも大きな歓声が上がり、大学生ながらチャンピオンらしい堂々としたプレイをした。
プレイ後DJ TUSKEYは、「セットを準備する時間もなかったので、前半はフロアを見ながら選曲しました。だからクラブっぽくなりすぎたかもしれない。ただ決勝で戦ったDJたちも友人も見ていたのでチャンピオンらしいプレイをしようとがんばりました」とコメント。
 
 
そして次に登場したのが2010年のRED BULL THRE3STYLEのチャンピオンDJ IKU。8Manと並び同コンペティションのアイコン的存在だ。John Lennon「Power To The People」でハートウォームにスタート。DJ IKUのDJは、曲をそのまま使うことが稀だ。必ずどの曲にもエディットなりブレンドなりの工夫が施されており、判別が難しい。それが彼の個性であり、日本チャンピオンとして世界を経験したことが大きく要因しているだろう。攻撃的なトラックはあまり使用せず緩いグルーヴィーなパフォーマンスで通したDJ IKUは、「普段のパーティーって、ジャンルが縛られちゃうじゃないですか?でも俺はいろんな音楽を聞いてきたし、いろんな音楽をかけたい。だから自由にできるTHRE3STYLEが大好きなんです」とコメントした。
 
 
DJ IKUの次の登場したのは日本を代表するレゲエサウンドのMIGHTY CROWN。圧巻のパフォーマンスを繰り広げ完璧なまでにフロアーをひとつにした。しかもハードコアなレゲエからダンスホール、ヒップヒップなど彼らにしかできないTHRE3STYLEも披露し、さらには「Red Bullの世界大会で日本人に優勝してほしいんだよ」とマイクを通じ、激を飛ばした。
 
 
このフロアーの熱量を引き継いだのがRED BULL THRE3STYLE 2011、2012年チャンピオンの8Man。LMFAO「Party Rock Anthem」を超低速でかけてスタートし、これからの展開に期待感を植え付ける。マイクパフォーマンスで会場を盛り上げながらダブステップを始めとするビートミュージックを連投。そして去年よりもビートループやCueを多用して、リアルタイムに別のビートを作り上げていった。そしてDJ TUSKEYをみんなで祝おうと言いMadonna Feat. Akon「Celebration」をプレイし、THRE3STYLEの先輩として彼を祝福した。次に続いたのがDJ ダイノジ。大谷ノブ彦がDJを担当し、エアギターで世界一となった時の曲Jet「Are You Gonna Be My Girl」をかけると大地洋輔が登場。さらにはダンサーも引き連れてステージをフルに使って、底抜けにアッパーでロッキンな盛り上げていった。そしてTHRE3STYLE最後に登場したのが、東京ストリートカルチャーシーンのアイコンDEXPISTOLS。「Red BullのパーティーなんだからみんなでRed Bull飲んで楽しもうぜ」とステージからフロアーに配り出すやんちゃっぷり。ヘッドフォンをマイクにして声をリアルタイムでサンプリングし、それにビートを重ねていった。ブリープハウスやダブステップ、エレクトロなどさまざまジャンルを楽しませてくれた。

この日ラストを飾ったのがハウス界を代表するMASANORI MORITA。軽やかなビートに女性ボーカルのアカペラ部分などをロングミックスして、その場でハウスミュージックを作りだす。パーティーの終わりらしい、クラウドを着地させる心地よいプレイでパーティーの幕が閉じた。