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BIG BEACH FESTIVAL'13

ここ数年でダンスミュージック系の野外フェスで抜きん出た存在となったビッグビーチフェス。clubberiaのアワードでもフェス部門で4年連続1位を記録し、来場客数も回を重ねるごとに増え、規模を拡大し続けてきた。今年も梅雨入りして間もないにも関わらず晴天の下開催された。

ビッグビーチあるあるの1つだと思うが、エントランスをくぐりエリアとなるビーチが見えた時の高揚感は、遊びに行った読者であれば分かってくれるだろう。砂浜に足を取られながら、その抵抗力を懐かしく感じながらメインステージである"BIG BEACH STAGE"へと向かった。


Text : yanma (clubberia)
  "BIG BEACH STAGE"の1番手を飾るのは、若干18歳のトラックメイカー/DJのSEKITOVA。彼は、昨年フルアルバムをリリースしているが、玄人向けのグルーヴィーなディープハウスからテックハウス、ビートダウンまで作り出せるクラブミュージック界の超新星だ。彼の名前が発表された時は、驚きと嬉しさがあったのを覚えている。FATBOY SLIMやBASEMENT JAXXが登場するステージに彼が立つことは、シーンの新陳代謝が促されいいことだと思う。

音量を抑えめでスタートし、ディープハウスでじっくりオーディエンスと一緒にウォーミングアップするように丁寧に土台を作っていく。事前のサウンドチェックを誰よりも綿密に行っていたようで、綺麗に鳴らしていた。徐々に音数と増やし、音量を上げ、こちらをウズウズさせてくれるDJであったのと、ファンクネスなDJを楽しむことができた。

  そして、"ISLAND STAGE"で行われている「RED BULL THRE3STYLE SPECIAL SHOW CASE」を見に移動する。このRED BULL THRE3STYLEは、毎年、世界各国で予選が行われ、世界中のDJが技やクリエイティビティを競い合いNo.1 Party Rockerを決めるDJコンペティション。1人15分の持ち時間内に3ジャンル以上の音楽をプレイし、「創造性」「選曲」「スキル」「ステージ映え」「フロアの盛り上がり」の5項目を競い合うというものだ。
 

■Red Bull Thre3style hokkaido オフィシャルページ
http://p.tl/WoMm

まず最初に登場したのは、日本が世界に誇るターンテーブルリストDJ KENTARO。卓越したスクラッチと「Are you Ready」の声ネタを巧みに使用し、ものの10秒で会場のテンションをマックスまで持ち上げる。そこからヒップホップ、レゲエの楽曲を使用しドラムンベースのビートを作り出すなど、さまざまなルーティーンを魅せオーディエンスをロック。後半は、ダブステップを中心とするベースミュージックで踊らせるプレイへ移行。そして最後には、BURN「DEEP PURPLE」でルーティーンを作り出し、オーディエンスの歓声の中、これ以上無いプレイを披露した。
 
次に登場したのは、12年のRED BULL THRE3STYLEのDJ 8MAN。序盤は、ビーチに合う夏らしいレゲエをメインに構成。中盤からシリアスなダブステップを中心にトラップミュージックなどダブステップ以降の音楽が中心となる。ラップトップを駆使したキュー出しやループで会場を沸かせた。
 
1stショウケース最後は、人力ブレイクビーツユニットHIFANAのKEIZO MACHINE!。スウィングジャズなどのクラシカルな音をメロディーに、ビートはMACHINEのパッドを叩き、リアルタイムに自ら作りだしていく。メロディーはユーモラスに溢れてながらビートは、ブレイクビーツからダブステップと攻撃的で、その対比が見事だった。終盤にはMACHINEを叩きながらスクラッチも入れるなど圧巻のパフォーマンスを魅せた。

なんと、ここでDJ KENTAROがステージに上がりKEIZO MACHINE!と同じブースに立った。そしていきなりセッションがスタートし、会場はヒートアップ。DJ KENTAROがスクラッチを担当し、KEIZO MACHINE!がビートを作りしていく。さらにお互いが立ち位置を入れ替えながらそれぞれの役割を交互に行うと、会場は今日1番の盛り上がりを見せ、1stショウケースは終了した。
 
THRE3STYLEが終わり再びBIG BEACH STAGEへ。本家イギリスの「Big Beach Bootique 5」にも出場経験があり、FATBOY SLYMにもその才能を高く評価されているMAYA JANE COLESを聴きに行った。聴けたのは、ラスト30~40分だったと思うが、比較的抑えめなセットだった。怪しげな男女のボーカルトラックを多用したディープハウスでまとめており、どこか中毒性があり心地よいプレイだった。NINA SIMONネタ?のディープハウストラックがあの広い環境で流れるのも不思議なものだ。
 
そして、個人的み胸が熱くなったのがEROL ALKANだった。決して彼のファンという訳でもないし、何か思い入れある訳でもない。ただ、この日の彼のプレイを見て込み上げてくるものがあった。私が20代前半のころはエレクトロ全盛だった。ハウスのDJをしていたが、エレクトロのレコードも何枚か持っていた。当時は、ハウスの方が好きだったので、どちらかというとシーンの盛り上がりを傍観していたタイプだったが、それでもDJとしての青春時代の音楽と言える。EROL ALKANのプレイは、その当時の盛り上がっているフロアを喚起させるエレクトロがエレクトロだったころのプレイだった。オールドスクールなエレクトロニックサウンドで徐々にスタートしていく。アシッディーなサウンドだったりするが、音色は古いけれど今聴くと新鮮だ。キューブが徐々に奇形拡大するような変態的に音がミックスするごとに追加されていく。名曲THE HOUSE MASTER BOYZ AND THE BUDE BOY OF HOUSE「HOUSE NATION」をプレイしたりと常に楽しませてくれた。ダブステップ以降の音楽が流行る中で、逆にその要素を見せないプレイが懐かしく刺激的だった。
  THRE3STYLEが始まるため、再び"ISLAND STAGE"に移動した。(EROL ALKANは最初の30分くらいしか聴けてないので、もしかしたらダブステップ以降の音楽もかけてるかもしれませんが。。。)。まず1番手は、RED BULL UNIVERSITY THRE3STYLE 2013 CHAMPION のDJ TUSKEY。オーソドックスなヒップホップなスタイルから様子を伺うようにスタートしていくが、ミックスは比較的早めでオーディエンスを飽きさせない。途中、針が折れるアクシデントもあったが、すぐに立て直し、ヒップホップ、ポップス、EDMまでヒットトラックを中心に会場を沸かせた。
  次に登場するのは、10年のRED BULL THRE3STYLE JAPAN CHAMPIONのDJ IKU。誰もが耳にしたことのある馴染みのフレーズを音の素材としてミックスしていく。無駄のないスクラッチと巧みなミックス技術で、アッパーなトラックにも頼らなくてもフロアを盛り上げていった。いったい何ジャンルもの音楽をミックスしていくのか、回を重ねるごとにユーモラス溢れるプレイに会場は笑顔で溢れながら盛り上がった。
 
そして最後に登場したのが、12年のRED BULL THRE3STYLE WORLD CHAMPIONのFOUR COLOR ZACK。リアルタイムにサウンドをMPCに録音していき、録音したネタでメロデーやビートを作っていく。そのサウンドを次の曲、さらに次の曲でもリズムを変えながら使用していくプレイには驚かされた。また原曲をそのまま使うことはなく、違う曲をブレンドするなど何かしら工夫が見られる。さらにミックスしていくペースもさまざまなので抑揚が生まれていく。約25分に及ぶプレイは、常にオーディエンスをロックし続ける、世界王者に相応しい内容だった。プレイ後FOUR COLOR ZACKは、「日本では初めてプレイしたけど、いろんなジャンルを受け入れてくれて、とてもエナジェティックなオーディエンスでよかったです。今日は前のDJ Ikuがプレイしている時にお客さんの反応を見て、そのお客さんに合うような感じでプレイしました。やりたかった事はあったけど、お客さんを見て再構成しないといけないなって思って。」と話てくれた。
 
■Red Bull Thre3Styleグローバルサイト
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https://www.facebook.com/redbullthre3style


■Red Bull Thre3Style Twitter
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■Red Bull Japanサイト:
http://www.redbull.com/jp/ja ビッグビーチでも大きな盛り上がりを魅せたRED BULL THRE3STYLE。現在、日本予選がスタートしており、各地域で熾烈なバトルが繰り広げられている。そして、8月4日(日)には、名古屋"ID CAFE"でJAPAN FINALが行われる。
 
■オフィシャルサイト
http://www.redbullthre3style.com/
  THRE3STYLEが終わりBASEMENT JAXXのライブを見るため、急いで"BIG BEACH STAGE"へ。時間的に終盤に差し掛かっておりじっくり見ることはできなかったが、やんちゃな彼らのステージを楽しく見られた。ただ、ちょっと音を出し過ぎでは?と思ったけれどライブなので勢いということで、そのあたりも彼らのやんちゃっぷりとしておこう。代表曲の「GOOD LUCK」、「WHERE'S YOUR HEAD AT」そして「BINGO BANGO」を披露した。
 

BASEMENT JAXXの代表曲「WHERE'S YOUR HEAD AT」
 
あたりも薄暗くなり、いよいよFATBOY SLIMの登場だ。「LIGHT HERE LIGHT NOW」と流れると、会場中から大きな歓声が沸く。そしてそこからカウントダウンが始まりいよいよビッグビーチの祭司FATBOY SLIMのプレイがスタートする。ベースミュージックを多く使用しているのが特徴的だったが、それ以上に彼とオーディエンスの同期具合がすごい。それまでも、素晴らしいアーティストが素晴らしいプレイを披露してきたのは変わりないが、FATBOY SLIMの時は盛り上がりが別ものだ。「ARE YOU READY」などの声ネタやドラムロールでの盛り上げ、オーディエンスが、その次の音に期待感を持つプレイはさすがだ。また、自身の楽曲を使う時もオリジナルではなく、必ず手を加えたものを使用しており、昔の曲も新鮮に聴く事ができる。今年も映像はパワーアップされ、聴いてよし見てよしの圧巻のパフォーマンスだった。終盤、ALTER EGO「ROCKER」をプレイしたのには驚いたが、そこからFATBOY SLIM「PRAISE YOU」をかけながら、何度もオーディエンスに向かい頭を下げる彼の謙虚さが印象的だった。


Fatboy Slim/ Praise You
  恒例の花火が終焉の終わりを告げる。打ち上がる花火の中には、Fatboy Slimのシンボルでもあるスマイルマークが夜空に咲く。プレイ中に彼が手拍子を煽った時に、あの場にいたオーディエンスが一斉にそれに応える光景には、毎年鳥肌が立つ。ダンスミュージック系のフェスティバルであれほどの光景を見れることはないだろう。それの光景を作りだす、多くの笑顔を作り出すFatboy Slimのパフォーマンスには、ただただ感服するばかりだった。