REPORTS

TIP FESTIVAL 2016

 25年以上にわたりサイケデリックトランスシーンの第一線を走り、70歳を超えてなお世界を飛び回るRaja Ram。彼による人気トランスレーベルTIP Recordsのオフィシャルパーティー「TIP FESTIVAL 2016」が、11月12日(土)新木場ageHaで開催された。

 アリーナのステージに最初に現れたのは、本パーティーの立役者Raja Ramだった。彼は盟友Hallucinogenとのシーン最高峰ユニットShpongleとして壇上に立ち、Hallucinogenは不参加だったものの、ロックやダブ、トランス、アンビエントなど、さまざまなサウンドエレメントをサイケデリックにアウトプットした独創的な世界観で、早速オーディエンスの身体をロック。その後、Raja RamのDJタイムが始まり、それまでミステリアスな空気に包まれていた会場の空気が一気に変わり、エネルギッシュかつアッパーなトランスサウンドが会場を包んだ。彼はプレイ中、自身のトレードマークでもある蛍光色の帽子をフロアに投げ、そのたびに大きな歓声が沸き起こっていたことが印象的だった。

 その後も、トランス聖地イスラエルの次世代ユニットOutsidersや、今回で初来日となったギリシャのプロデューサーMartian Arts、UK系フルオンの第一人者DJ Lucasが登場。豪華アーティストたちが織りなすライブショウケースやDJパフォーマンスに、数多くのトランスファンが熱狂。どの時間帯も、会場の熱は下がる兆しをみせず、毎分ピークを迎えているかのような感覚に囚われていたが、さらに追い打ちをかけるように最後のゲストアクトMad Tribeのライブがスタート。シーン屈指のベテランSpace Tribe(Olli Wisdom)とMad Maxx(Max Peterson)が放つ洗練されたシンセラインや、パワフル且つグルーヴィーなリズムトラックは、サイケデリックトランスフリークスの期待に最後まで応えていた。