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Real Grooves Volume 30 (9/22)

イベント初開催から5年という長い歴史を持つReal Grooves。今回はその30回記念に4人のゲストアーティストが登場するという、まさに副題が示す'Special Event'だった。これほどまでに豪華なアーティストが一晩に揃うクラブイベントがあっただろうか。また人数だけではなく各々の音楽もチリとベルリンというダンスミュージック先進国からのアーティストだけあり素晴らしいものだった。まずSALOONフロアでは、Pier Bucciの実弟であるAndres Bucciがシンプルで太く低いグルーブをキープすると、ミニマルシーンのミューズ、先日リリースされたアルバムも好評のMiss Fitzのキュートなルックスとハウスミュージックの骨格を持つミニマルテクノを紡いでいく。SALOONフロアだけでも1つのイベントとして機能する確かな盛り上がりを見せていた。そしてメインフロアに移ると、前週に行われたレイブ The Labyrinth '08 で見舞われた機材トラブルのうっぷんを晴らすかのようなPier Bucciのアバンギャルドなライブと、Marc Schneiderによる老練なミキシングとオリジナリティのある選曲で、これぞ本物のDJだといわんばかりのさすがなプレイに脱帽。最後はマシュージョンソンからエイフェックスツインのトラックで締めると、これには「世界にはこんなDJがいるのか」と、少しばかりDJをかじる筆者も体と目頭が熱くなった。
毎回、新しい音楽と驚きを提供し、性別、年齢、国籍、職種関係なしに訪れる全ての人に感動を与えてくれるイベントReal Grooves、30回とはいわず40回、50回と歴史を刻んでいって欲しいと感じた。