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DJ HARVEY 2010 tour of Japan at OPPA-LA

湘南随一の音質優良空間、最高のオーシャンビューを誇る江ノ島"OPPA-LA"に、あのDJ HARVEYがやってきた!チケットは限定130枚。発売前からチケット完売説が流れたりと誤報が飛び交い、地元パーティーコアな連中の間でちょっとした騒ぎになったほど。このOPPA-LAの1番の醍醐味は、最高な音とともにサンライズが拝めるという、あの朝焼けタイムに遭遇したときだ。もちろん自然現象なので、運がよければの話。DJ HARVEYとともにむかえられる最高な朝……。チケットを購入できたラッキーな人々は、おそらくみな同じ思いでいたに違いない。

会場に到着したのは午前0時過ぎ。すでにたくさんのハードコアなパーティーピープルが集っていた。
ざっと見渡しただけでも、DJ含め音楽関係者多数で都内組が多かった。もちろん地元のルードボーイたちも勢揃い。久しぶりの友人に遭遇したりと、この客層のミックス具合がすごくいい!とはTaro Akiyama(Sleeping Bugz Records)談。

DJはHIKARU(blasthead)とOPPA-LAスタッフでもあるFRAN-KEY、それからサンフランシスコからDJ GARTH、そしてDJ HARVEYという贅沢な流れ。すでにこの時間からHIKARUのDJで会場は熱帯雨林状態。DJ HARVEYの時間になったらこの空間は一体どうなってしまうのだろうとちょっと武者震い……。HIKARUからDJ GARTHに引き継がれると、DJ HARVEY直系といわんばかりのスタイルで熱気はさらに上昇。初体験だったが、彼のDJは相当よかった!しかもナイスガイ。

そしていよいよDJ HARVEYが登場するころになると、フロアはパンク寸前だった。そしてAM3:00。「生ける伝説」ことDJ HARVEYのプレイがスタート。彼がダンスミュージック界の最高峰といわれるゆえんとは何かを、体で理解できた。彼は職人中の職人で、その技たるや本当に完璧。しかし、彼の魅力はそれだけではない。ブースの前に押し寄せるオーディエンスがこぞってカメラを向けると、嫌な顔ひとつせず、おちゃらけたポーズをして対応する。サービス精神旺盛というより、そういった行為ひとつひとつがごくごく自然体。むずかしい表情の無機質職人ではなく、その余裕な佇まいから醸す雰囲気はとてもエレガントだ。しかもあの笑顔が格別。そう、DJ HARVEYは美しい精神の持ち主なのだ。DJというのは、本当にそのプレーヤーのパーソナリティーが色濃く出てしまうもの。選曲、神がかったミックスはもちろんのこと、DJ HARVEYのプレイの虜になってしまうもう1つの理由はそこにあるように思う。

密度の濃い丑三つ時をとうに越えても、会場にいるすべての人はみな彼のプレイに集中し続け、ひたすら踊る。踊る。ダレている人は誰もいない。オーシャンビューの全窓は、異常な熱気と湿気で結露し、外の様子をうかがい知ることはできない。そろそろかと思うころ、窓ガラスを手で拭うと、群青色の夜明けの情景が確認できた。この時間帯の海と空が溶け合う状態が本当に好きだ。徐々に白々しく変化する江ノ島を背に、DJ HARVEYのプレイも終盤をむかえる。そして予想を遥かに超えた見事なサンライズ!予報では曇りとなっていたが、これもまたミラクルということだろう。

AM7:00過ぎ。夏日かと思うほどの日射しが会場に差し込む最高な朝。まるでサウナから出てきたような状態だが、みな清々しい笑顔だ。誰1人帰ろうとする者はいない。FRAN-KEYいわく「ここで8年くらいパーティーやっているけど、こんな光景見たことないよ」
それもそのはず、みんな随分と長い間待っていたのだから。Return Of "The DJ"!この瞬間を体感できたことに感謝している。

パーティー終了後、地元のルードボーイたちはDJ HARVEYの美しい精神に触発されたのか、そのままビーチクリーンに精を出し、一日寝ずに過ごしたとのこと。DJ HARVEYのスピリッツこそ、エコなのだ。



Text : DJ Pyramid a.k.a pipparatree(Nubian Lady)

Photo : KEEE