コラム第26回目


clubberiaをご覧の皆様いかがおすごしでしょうか?
夏フェスシーズンまっただ中、晴れ男代表CD HATA、今年の流れもいい感じにいきたいと思います。

さて、7/17(金)~20(月)に新潟”マウンテンパーク津南”で行われた「rural 2015」にCD HATAで出演しました。
個人的にずっと気になってたテクノパーティーで、毎年規模が大きくなってるなぁと思ってたんですが、今年の出演者も、旬なアンダーグランドテクノシーンのDJが集まっていてワクワクしていました。



東京から出発する、外国人DJさん達も一緒のアーティストバスで会場に向かったんですが、その中でTAKAAKI ITOHくんと、このコラムにうってつけ、機材の話などしゃべりながらだったので、そんな話をご紹介をしようと思います。



HATA (以下 H)「90年代終わり頃にはもう海外でリリースしてるよね。それってどんなきっかけでリリース決まったの?」

TAKAAKI ITOH (以下 T)「その当時買ってたレコードの裏に書いてあるレーベルの住所にカセットテープ送って、まだメールもない時代だったんで、ある時FAXで連絡が来て話が進んでいきましたね。」

H「そっか、今みたいにメールがないからFAXの時代か!機材的にも、90年代だとPCでオーディオ扱うのもままならない時代だよね。どんな機材使ってたの?」

T「そうですね。まだPCは使ってなくて、TR-909やROLAND JUNO-106、サンプラーはEnsoniq EPS-16+を使ってました。」

H「Ensoniqのサンプラーは俺も使ってて、このコラムにも取り上げたことあるんだけど、音太いよね!」

T「太いですね!EPS-16+は鍵盤付きのタイプとラックのがあるんですが、元々鍵盤付きのタイプを使ってて、ラックタイプも買い直しました。」

H「その時代はメモリーの容量も少なかったよね。」

T「32MBくらいじゃないですか?だからループ素材を使うというよりワンショットでキックやスネア、ハイハットなどをサンプリングしてって使ってましたね。」

H「シーケンサーは何使ってたの?やっぱりハードのシーケンサーだよね。」

T「YAMAHA QX3を使ってましたね。」

H「QX3って分解能はどれくらい?480はない?」

T「そんなになかったんじゃないんですか?でも、あくまで作ってたのはテクノなんでジャストでしか打ち込んでなかったですよ。」

H「そうだよね。ハウスとかヒップホップとかだったら、ちょっとズラしてハネさせたりしてグルーヴ作ったりもするけど、テクノのノリはジャストで機械的なノリを出した方が気持ちいいもんね。」

T「そうですね。それをKAWAIのミキサーを使って、後にMACKIEのミキサーに買い替えるんですけど、ミックスしてDATに録音してました。KAWAIのミキサーはリバーブもついていて、それも使ってたなぁ。」

H「PCはいつ頃から使い始めるの?」

T「2003年か2004年ごろでした。最初はwindowsのACIDを使って、Reaktorも使ってました。Reaktorは出音がいいんですよ!」

H「Reaktorは音がいいってみんな言うね。俺も興味あるんだけど、まだ踏み込めてないんだよね。」

T「プリセットから少しいじるだけでもいろいろ出来ますよ。」

H「俺もReaktorいじってみようかなぁ。今の制作環境はどんな感じ?」

T「一時期、Logicを2年くらい使ってたんですけど、あまり馴染めず、AbeltonLiveをここ4年くらい使っています。」

H「確かに、Logicは、ACIDとかAbeltonLiveとは根本的な考え方が違うもんね。LogicとCubaseはわりと近いかもね、それとは別の方向でProToolsとDigital Performerも近い気がする。ヨーロッパ的な考え方とアメリカ的な考え方かもね?」

T「海外に呼ばれてDJに行った際、移動が多く正直レコードを持ち歩くのが大変で、空港での紛失も頻繁にあって、何かいい方法はないかという時に、スペインのGIGで一緒に出演したイギリスのSURGEONがABLETON LIVEでDJをしていて、これだという感じで使い始めました。それから現在まで10年ほどずっとABLETONでやっていますね。CDJはまともにやった事ないですが 今多く見かけるUSBデータでのDJも興味はありますね。」

H「空港でレコードが無くなったことあるんだ?」

T「ケースごとなくなったことは無いんですけど、中開けられて何枚か無くなってたことはありますね。」

H「え?それって税関の人が中開けたら欲しかったレコードがあってラッキーみたいな?(笑)」

T「テクノ好きな税関の人だったのかもしれませんね(笑)」

H「そうだったら、それはそれで面白いね(笑)。海外で印象に残ってる場所とかある?」

T「はじめて行ったのがスロバキアなんですが、最初なのもあって衝撃は大きかったですね。それぞれの国で特長があって、どこが最高というのは難しいんですが、Berghainも独特の音だったし、ブラジルも凄かったですよ。やっぱりラテンの国なんで、それを意識したDJをやってたら、アレ?って感じで、逆にBPM早めのダークでハードなテクノをやった方が爆発的に盛り上がったりして意外でした。」

H「それってわかるかも。バンドでもロックって洋楽の文化だから、それに寄り添って王道のことをやっても、向こうの人にとっては、いつものよくある音楽を日本人もやってるなぁくらいの反応で、かえって日本語だったり、そういう寄り添うことを考えないで、いつも通りやった方がウケたりする時もあるしね。」

※そんな話をしてる中、外国から来ているDJさん達が、バス備え付けのカラオケをはじめる。
なんせ、バス備え付けのカラオケなんで入ってる曲のレパートリーも限られていて、My Way合唱。
あ~外人さんにとっての演歌的な感じなのかなぁと思いながら。

H「今は仙台に住んでるんだよね。もともと仙台?」

T「生まれは山形で大学で盛岡に出て、そこでテクノにハマりました。それまではマハラジャって感じのユーロビートやイタロハウスを聞いていましたが そこから盛岡で出会ったDJの先輩たちがかけていたNYハウスを知って、そして衝撃のUNDERWORLDのREZでなんだコレは!?ってなって。盛岡で飲み屋を貸し切って毎月DIYでPARTYをやっていました。 その後 レコード屋への就職で仙台に移って、今は市内の取り壊し寸前の古いアパートに住んでスタジオもそこに設けています。 僕が入る前にはそこに大家さんの息子さん夫婦が住んでいて改造したようで、6部屋をブチ抜いた造りになっています。なのでトイレと風呂が6つあって、もちろん今はとっぱらって、どちらも一つずつですが(笑)」

H「トイレと風呂が6つあったらすごいね(笑)、大きい音は出せる?モニタースピーカーは何使ってるの?」

T「Tapco by Mackie PS8って、Shackletonも使ってたモニター使ってたんですけど、GENELECも導入しました。近所には耳の遠いおじいさんが住んでいるくらいなんで、そこそこ音量は出せますよ。」

H「最近、気になってる機材とかある?」

T「一時期PCベースに移行してたんですが、またハード機材を使いはじめてますね。Roland SH-101や初代Nord Leadは、また使いはじめてますよ。CASIOのRZ-1は売ってしまったの後悔してます。モジュラーは気になってますが…」

H「モジュラー確かに気になるけど足を踏み入れてしまうとって考えるよね(笑)」

T「いっきに自己破産(笑)」

H「(笑)でも、それくらい魅力あるよね(笑)。近々、リリースはあるの?」

T「僕のレーベル WOLSから6番のアナログ盤が9月に出ます。スペインのOSCAR MURELOとアメリカのMIKE PARKERリミックス入りです。」

そんな話をしているうちにバスは会場に到着。

台風の影響も心配されていたんですが大丈夫でした。
少し休んだ所で、前夜祭がはじまりました。

前夜祭はインドアステージで繰り広げられます。
サウンドシステムは、Pioneerです。
XY-Seriesの18インチツインサブウーファー「XY-218S」、15インチフルレンジスピーカー「XY-152」が使用されていました。

トップバッターのNAOちゃんがジワジワと空間をつくっていき、GONNOくんへバトンタッチ、どんどんフロアの温度感が上がっていき、Claudio PRCさんへ。



Claudio PRCさんは、2011年の ruralから出演しています。





想像してたのよりハイピッチでリズムにハメみ深くて繊細、かっこよかったです。

インドアステージのフロア反面はガラス張りになっていて、外には麓の街の夜景が広がっています。
夜中の3時半ごろには、明るくなりはじめ、4:20ごろには朝日が出はじめ、空もうっすら赤く奇麗でした。



Claudio PRCさんから引き継ぎ、TAKAAKI ITOHくんへ
流石のワールドクラス
前夜祭からすでにいい空間が出来上がっていました。



外はすっかり霧に囲まれ幻想的な空間 ちょうど、ruralのフライヤーのような色合いで雰囲気が出てます。



ワタクシ、CD HATAはそれからまた少しして、前夜祭のアフターアワーズ的なタイミングと本祭スタートの交差点なポジション
CD HATA解釈のrural的ロマンスグレーな感じで、いい感じに出来ましたよ。



自分の出番が終わったら、あとは遊ぶだけですwww
いろんな友達にも会えました。

OPEN AIR STAGEのサウンドシステムはVOIDです。



スゲー!!!
Funktion-Oneのまっすぐ直進してくる感じとはまた違った、ワイドレンジに包み込まれてくる印象

深夜のCio D’Orさんにはヤラレました。





エグくてしなやかな感じ良かった!!!

ハウスやトランスではなく、あくまでテクノやエキスペリメンタルやインダストリアルな音にこだわっている野外パーティーって日本では珍しいんじゃないかな。
凄い気持ちよかったです!!!



スタッフの皆様おつかれさまでした。
また来年も期待してます!!!

  CD HATA




archive
第一回 「Kaossilator Pro」その1
第二回 「Kaossilator Pro」その2
第三回 温故知新!?
第四回 「PICnome(ピクノーム)」その1
第五回 「PICnome(ピクノーム)」その2
第六回 「CI2+ de CUBASE 」
第七回 音楽制作の移り変わりと時代の変化に対する不可分的相関関係について!?!(タイトルなげぇ?!?)
第八回 「年末スペシャル」MIXに深みあり、人に歴史あり!!!
第九回 新年のご挨拶
第十回 KAOSS PAD QUAD「くわぁ~ドォ!!!」
第十一回 【社会の時間】社会科見学の巻
第十二回 音を見る!!!
第十三回 りらっくスタジオ
第十四回 新年あけまして~!!!旅のお供にmonotron DUO&monotron DELAY
第十五回 やっぱ幅の広さは大切ッスね!!!
第十六回 スペインはバスクからのウェルカム!!!
第十七回 裏の裏は表だったのだ!!!
第十八回 人生がインプロビゼーション
第十九回 一枚のアルバムができるまで
第二十回 やっぱり繋がりって大切ですよね!!!
第二十一回 マ~ヤっぱり2013年もよろしくおねがぁいをしま~す!!!
第二十二回 このコラム 3rdアニバーサリーなのさ~ど!!!
第二十三回 へび年クネクネ振り返る!!!
第二十四回 小さな巨人『littleBits』
第二十五回 わかりはじめたハイレゾリューション
第二十六回 世界基準の田舎テクノフェス その名「rural」
第二十七回 Ableton Liveを酒の肴に
第二十八回 形あるものへの美学
第二十九回 Machine-de-MUSICとMASCHINEで
第三十回 モジュラーシンセは無限大の音作り
第三十一回 シンセ番長の大博物館
第三十二回 "CD HATA & MASARU / Octopus Roope" 音の中身はこうなっている
第三十三回 日本初 音楽カンファレンス&イベント『TOKYO DANCE MUSIC EVENT』
第三十四回 蜻蛉-TONBO-「Tokyo Mad Cave」リリース記念 O.N.O a.k.a MachineLive対談インタビュー
第三十五回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第一弾 kuniyuki studio
第三十六回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第二弾 Hideo Kobayashi studio
第三十七回 Sakiko Osawa「Chronic」リリース 日々研究
profile
DJ HATA
CD HATA


Yahoo公認フェス番長”Dachambo”のシンセサイザー担当
Dachamboは5度のフジロックへの出演しており、ライジングサン、朝霧jam、サマーソニックなど日本のフェスへ多数出演することで、Yahooよりフェス番長の称号を与えられる。
またオーストラリアツアー、アメリカツアーなどワールドワイドに活躍し2016年9月16日ベスト盤アルバム”HERBEST”をリリース
http://goo.gl/ywPyvU

CD HATA名義のテクノDJとしても、野外フェス、クラブイベントで精力的に活動中
remix制作、MixCDリリース、アンビエントアルバムをリリースし、オーストラリアやフランス~スペインツアーなど海外でも活躍し、元i-depの藤枝伸介との「Polar Chalors」Ableton認定トレーナーKOYASとの「CD HATA×KOYAS」kannonsoundプロデューサーMASARUとの「CD HATA&MASARU」等、多彩なリリースを重ねる。

また、300ページに及ぶ「Logic Studio テクニカルマスター」執筆などデジタル機材に精通しており、DJスクールidpsで楽曲制作の講師を務める。
http://www.idpsorg.com/production


『CD HATA』
facebook
http://www.facebook.com/CDHATADachambo
Twitter
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beatport
https://pro.beatport.com/artist/cd-hata/190156

INFOMATION


海外・日本の第一線で活躍する現役DJを常任講師として迎えているDJスクール「IDPS」にてCD HATAも講師をしています。
東京校楽曲制作コースではLogic Proを、楽曲制作オンラインコースではAbleton LiveまたはLogic Proを選択可能となっています。
興味のある方は、カウンセリングの予約をお願いします。

東京校 楽曲制作コース
http://www.idpsorg.com/production

楽曲制作オンラインコース
http://www.idpsorg.com/production_online


DJ SCHEDULE


2017/5/19 (FRI)
『caldera』
at RAF-REC
18:00 - 0:00

GUEST DJ
CD HATA from DACHAMBO

DJ
JOJO(FANTASIA)
SAITOPEN(SANDINISTA/OPEN)
ryohei(BASE the SPACE)
yoshiki(caldera)

Used Cd / Record & Cafe
【RAF-REC】
〒990-0828
山形県山形市双葉町2-1-1

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/294297070999411/





2017.05.20 (SAT)
『ONENESS』

at THEARTER (福島県郡山市清水台1-6-9 八幡プラザ3階) OPEN/START 22:00
DOOR 2,500yen(w/1D)

Special Guest
CD HATA (Dachambo)

Guest DJ
U-SKE (dob masala)

DJ's
HII (ONENESS/GRASSCODE)
Sho Nagamine (HOOP)
Syuhey

Dachamboのサイケデリックシンセストと活躍し、昨年末にテクノトラックをCD HATA&MASARU名義でOctopus Roopeをリリースし勢いが増しているCD HATAさんが1年半ぶりに来郡です!
そして会津の重鎮U-SKEさんも出演です!
良質なダンスミュージックを体感しに是非とも!

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/1845972062332859/





2017/5/26 (Fri) 『TYPE NINE』
@Aoyama TenT
OPEN 22:00~
Charge:1,000yen(with 1D)
- 出入り自由

■Line up
CD HATA(Dachambo)
TOMO HACHIGA(HYDRANT/NT.LAB)
K.N.(hydraulix/original mass recording)
CHIE NAKAJIMA(RE:INSOLENCE)
Gradate (Tokyo Bass Music)
SHIT DUO
SHINICHIRO IMANARI(09recordings)

2016年から都内で不定期開催するテクノパーティー「TYPE NINE」。今回は日本最強(狂)サイケデリックジャムバンド"Dachambo"のシンサイザー担当CD HATAと前回に引き続き再登場となる孤高のダークミニマリストTOMO HACHIGA、そして日本のACID TECHNO第一人者にて、日本のアンダーグランドテクノシーンをリードするK.N.が緊急参戦いたします。

Aoyama TenT
東京都渋谷区東1-2-23 旧ma東ビル3F

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/304063510016494





2017.5.27 (SAT)
『Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO』

今夏、アメリカ・オレゴン州で開催される「オレゴン皆既日食フェス」のプレパーティー「Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO」が5月27日(土)に新木場ageHaにて開催決定!

Dachambo
CD HATA
出演

【 Oregon Eclipse 2017とは?】
オレゴンの大自然の中、アートや音楽に囲まれて1週間キャンプをしながら皆既日食を観測するという巨大野外イベント。
世界中400以上のアーティストが7つのステージに集結し、3万人以上のオーディエンスが熱狂する!

http://www.clubberia.com/ja/events/266803-OREGON-ECLIPSE-2017-TEASER-in-TOKYO/



INFOMATION
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