コラム第35回目


clubberiaを御覧の皆様こんにちは!

3月に入り春まっしぐらですが、CD HATAは2月雪まっさかりの北海道に10日間ほど、CD HATA & MASARU Octopus Roope Release Tour in HOKKAIDOってことでDJ4本とMASARUくんと次回作のトラック制作をしてきました。
MASARUくんのスタジオの近くにkuniyukiさんのスタジオもあるということでお邪魔してきました。
今回はその様子をレポートします。



CD HATA「今日はお招きありがとうございます!ずっと使っている雰囲気ありますよね。生まれ育ったのはこの場所なんですか?」

kuniyuki 「住まいは別の場所に移ったんですが、10歳くらいからここで育って友達がこぞってやって来てはいろいろやってましたよ。拾ってきたドラムを叩いたり、かなりロックンロールなことをやってましたね(笑)。」

CD HATA「秘密基地的な(笑)、生活する場所と作業をする場所が別にあるっていいですよね。ここに来たら作業に集中するみたいな。自宅スタジオだとついつい、あっ洗濯しなきゃとか、集中力が散漫になっちゃったり。」

kuniyuki 「それは大きいですね。自分の中で決め事をきちんと決めてやれば自宅でもストレス無くできるんだろうけど。でも某友人アーティストは自宅にスタジオを作って良かったって言ってましたね。彼は本当に制作中毒で、とどまることなく入り込んでしまって、家族と一緒のスペースにスタジオがあることによって家族がその制作中毒のストッパーになってくれると言ってました。」

CD HATA「なるほど、凄い入り込み方するんでしょうね。そのストッパーが無いと何十時間もご飯食べるのも忘れちゃうくらいとか。」

kuniyuki 「僕の場合は長いことここで音楽を聴いたり作ったりしているので、場所を変えても落ち着かないというのもありますね。父親は絵描きなんですが元々ここはそのアトリエで大きい絵もおけるように天井も高くなってます。」

CD HATA「天井が高いと天井からの変な音の反射が無くていいですよね。そして、このスピーカーが民生機だけどずっと使われてるスピーカーだそうですね。」



kuniyuki 「同じやつのストックも持ってるんですよ。自宅にMACKIEのスタジオモニターもあって、自宅ではリファレンス的に細かい所を確認するようにしていて、ここではもっと音を体感したりしながら作業できるように使い分けています。」

CD HATA「いろんな機材が所狭しと並んでいますね。」

kuniyuki 「これでも機材はかなり減らしましたよ。ソフトシンセが出てきて、元々ハードあがりなんで、ソフトシンセの便利さには衝撃を受けて、僕らの年代は機材をどんどん手放していく人も多かったと思いますよ。」

CD HATA「一回売ってしまって、やっぱりまた買い直すって人もいますよね(笑)」

kuniyuki 「いますね(笑)。このJUNO-60は中学の時に手に入れたもので、ずっと母親の実家に寝かしておいて、去年10何年ぶりに持ってきました。」



CD HATA「ソフトシンセとハードシンセはどれくらいの比率で使ってますか?」

kuniyuki 「半々くらいですけど、mule musiqから出す新しいアルバムを作っていて、それはハードシンセをメインにしようと思っていて、いろいろ試行錯誤していますね。ハードシンセには独自のグルーブがあるから、そのグルーヴに委ねることができますよね。そこから生まれる自分の考え方とかも取り入れていきたいし、でも結局は自分がホストになってコントロールしないないといけないわけで、だからあえて半々にしていますね。」

CD HATA「ソフトシンセはやっぱりリコールが利くっていうのが大きいですかね。」

kuniyuki 「リコールが利くっていうのは便利ですよね。と同時にリコールが利かないハードシンセだからこそ、録音する時の集中度が高いっていうのもあります。」

CD HATA「これで決めなきゃっていう気合いって、出てくる音に反映されますよね。」

kuniyuki 「そうですね。それに近いことで言うと、ライブの時は録音するようにしているんですけど、録音するっていう意識を持つと失敗しちゃいけないっていうのが無意識に働くのか、しっかりした演奏になるんですよ。やっぱり集中力って大事じゃないですか。集中して向かい合うっていう意味ではハードシンセの方が適しているかもしれませんね。」

CD HATA「その時の集中力の度合いとか、後から録音を聴いてもハッキリわかりますもんね。」

kuniyuki 「あと鍵盤のタッチに関しても、さっきの中学の時から使っているJUNOが自分の中で基本になっているんですよ。MIDIやUSB鍵盤だとどうしてもレイテンシーがあったりして、レイテンシーがあると無意識にそのレイテンシーに合わせて早く弾いてしまう癖がついちゃうんですよ。そうすると今度、生のパーカッションを叩いたりするとリズム的に突っ込んでしまったりするんですよね。心のリズムみたいなものにきちんとついてきてくれるのがJUNO-60で、久しぶりに触ってみたらコレなんだなって思いました。HATAさんもそういうシンセってありますか?」

CD HATA「Dachamboが今年で16年目なんですが、Novaton K-stationとAlesis Micronを使っていて、一回機材を入れ替えようと思って、これまで使っていた音色を違うシンセで再現してみたんですけど、微妙にバンドに馴染まないんですよね。この曲はこの音色でっていうのがあって、近い音なんだけど何か違うっていう違和感が出ちゃって、かと言って機材を増やすのも嫌なんで結局同じ物をずっと使っています。3台くらい同じ物を持っていて、故障すると入れ替えて修理に出してって使ってます。」

kuniyuki 「わかります!自分もちょうど今、ライブセットで使う機材を見直していて、使いたい機材を全部持っていこうとすると大変な量になるから、なるべくコンパクトにしないといけなくって、iPadのアプリなんかも試してみたりしたんですけど、いまいちフィットしなくて、やっぱり使い慣れている物に戻ってきて。」

CD HATA「やっぱりJUNO-60はいいなぁ~に(笑)」

kuniyuki 「今考えるとJUNO-60の存在は大きいですね。ただ今現在作っている音楽がすべてJUNO-60から生まれてきているというわけではないですし、新しいRoland SYSTEM-8なんかはJUNO-106やJUPITER-8もモデリングしていて、さらにJUNO-106には無かったエフェクターだったり全然感覚が違う部分もあって、また新鮮でいいですよ。」



kuniyuki 「あとやっぱりJUPITER-8は流石ですね。」

CD HATA「このJUPITER-8は、なんでもお友達の所からやってきたんだとか」

kuniyuki 「そうなんですよ。友達の親族がエレクトーンを買いに行って、持って帰ってきたのはJUPITER-8だったという(笑)」

CD HATA「その親族の方は見る目がありますね(笑)」

kuniyuki 「ずっと使って無かったらしく、鍵盤もツルツルで傷すらついてないんです。」

CD HATA「こんな綺麗なのは珍しいですよね。」



CD HATA「ハードウェアのエフェクターも使っています?」

kuniyuki 「使ってますよ。こっちに実験的なアプローチをする機材を集めているんですが、その中に組み込んでいます。」



kuniyuki 「といっても、ディレイが4つとリバーブが2つと偏っていますが(笑)。ディレイが元々好きなんですよ。」



kuniyuki 「一番上のRoland SDE-3000は近所の中古ショップで最近手に入れました。」

CD HATA「Roland SDE-3000は定番の機種ですよね。最近は安く出回っていますよね。」

kuniyuki 「相場よりもかなり安かったんで思わず買ってしまいました。一番下のKORG GR-1 Spring Reverbは本物のスプリングが入っていて、本体を叩くとスプリングが揺れるシャーンという音もしますよ。あとオススメはこのVesta Kozo DIG-420」



kuniyuki 「これはサンプリングディレイで、流している音に対して録音ボタンを押すとサンプリングされ、ディレイ音として繰り返されるんですがCV/GATEがついていて、その音とアナログシーケンサーを同期させることができるんですよ。面白い効果が生まれますよ。」

CD HATA「これは京都のバンドsoftのメンバーとしてシンセサイザーを弾いていたサブさんが作っているやつですよね。」



kuniyuki 「dicoというブランドです。これはステレオのアナログフィルターでいい音がしますよ!これを通すだけで質感がいい感じにもなってエンジニアの中では、そういう使い方をする人もいますね。この写真の一番上の物もそのブランドの物ですね。」



CD HATA「そして、このモジュラーが!」



kuniyuki 「DOPE REALのモジュラーなんですが、今一番いじっていて楽しい物ですね。今でこそ凄いモジュラーが盛り上がっていますが、昔は情報も無いし何もわからなくて、興味はあったんですがなかなか手が出なかったんですよ。そう思っていた所、札幌のDOPE REALの友人が作ったものを触らせてもらったらハマってしまって、すぐお願いして作ってもらいました。」

CD HATA「流石、ドープでリアルなシンセの音がしますよね!」

kuniyuki 「冨田勲さんが好きで最近聴き直しているんですが、当時おそらくオープンリールにまずシンクのガイドを録音して重ねていきながら、moogのアルペジエーターも使ったりしていたと思うんですけど、こんな協奏曲をまとめていくのって凄い大変じゃないですか。今だったらオートメーションやら便利になっていますけど、一つ一つ作られていて、もう謝るしかないというか(笑)、素晴らしいですよね。」




数々のkuniyukiサウンドが生まれてきた歴史感じる作業スペース
これまであの人やこの人も遊びに来たことがあるようです。
いろいろ面白い話が聞けました。
今日はありがとうございました!




おまけ
この本も気になっちゃったなぁ~!



北海道編は、第二弾なんとあの人のスタジオにもお邪魔してきました。
乞うご期待!!!

  CD HATA


archive
第一回 「Kaossilator Pro」その1
第二回 「Kaossilator Pro」その2
第三回 温故知新!?
第四回 「PICnome(ピクノーム)」その1
第五回 「PICnome(ピクノーム)」その2
第六回 「CI2+ de CUBASE 」
第七回 音楽制作の移り変わりと時代の変化に対する不可分的相関関係について!?!(タイトルなげぇ?!?)
第八回 「年末スペシャル」MIXに深みあり、人に歴史あり!!!
第九回 新年のご挨拶
第十回 KAOSS PAD QUAD「くわぁ~ドォ!!!」
第十一回 【社会の時間】社会科見学の巻
第十二回 音を見る!!!
第十三回 りらっくスタジオ
第十四回 新年あけまして~!!!旅のお供にmonotron DUO&monotron DELAY
第十五回 やっぱ幅の広さは大切ッスね!!!
第十六回 スペインはバスクからのウェルカム!!!
第十七回 裏の裏は表だったのだ!!!
第十八回 人生がインプロビゼーション
第十九回 一枚のアルバムができるまで
第二十回 やっぱり繋がりって大切ですよね!!!
第二十一回 マ~ヤっぱり2013年もよろしくおねがぁいをしま~す!!!
第二十二回 このコラム 3rdアニバーサリーなのさ~ど!!!
第二十三回 へび年クネクネ振り返る!!!
第二十四回 小さな巨人『littleBits』
第二十五回 わかりはじめたハイレゾリューション
第二十六回 世界基準の田舎テクノフェス その名「rural」
第二十七回 Ableton Liveを酒の肴に
第二十八回 形あるものへの美学
第二十九回 Machine-de-MUSICとMASCHINEで
第三十回 モジュラーシンセは無限大の音作り
第三十一回 シンセ番長の大博物館
第三十二回 "CD HATA & MASARU / Octopus Roope" 音の中身はこうなっている
第三十三回 日本初 音楽カンファレンス&イベント『TOKYO DANCE MUSIC EVENT』
第三十四回 蜻蛉-TONBO-「Tokyo Mad Cave」リリース記念 O.N.O a.k.a MachineLive対談インタビュー
第三十五回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第一弾 kuniyuki studio
第三十六回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第二弾 Hideo Kobayashi studio
第三十七回 Sakiko Osawa「Chronic」リリース 日々研究
profile
DJ HATA
CD HATA


Yahoo公認フェス番長”Dachambo”のシンセサイザー担当
Dachamboは5度のフジロックへの出演しており、ライジングサン、朝霧jam、サマーソニックなど日本のフェスへ多数出演することで、Yahooよりフェス番長の称号を与えられる。
またオーストラリアツアー、アメリカツアーなどワールドワイドに活躍し2016年9月16日ベスト盤アルバム”HERBEST”をリリース
http://goo.gl/ywPyvU

CD HATA名義のテクノDJとしても、野外フェス、クラブイベントで精力的に活動中
remix制作、MixCDリリース、アンビエントアルバムをリリースし、オーストラリアやフランス~スペインツアーなど海外でも活躍し、元i-depの藤枝伸介との「Polar Chalors」Ableton認定トレーナーKOYASとの「CD HATA×KOYAS」kannonsoundプロデューサーMASARUとの「CD HATA&MASARU」等、多彩なリリースを重ねる。

また、300ページに及ぶ「Logic Studio テクニカルマスター」執筆などデジタル機材に精通しており、DJスクールidpsで楽曲制作の講師を務める。
http://www.idpsorg.com/production


『CD HATA』
facebook
http://www.facebook.com/CDHATADachambo
Twitter
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beatport
https://pro.beatport.com/artist/cd-hata/190156

INFOMATION


海外・日本の第一線で活躍する現役DJを常任講師として迎えているDJスクール「IDPS」にてCD HATAも講師をしています。
東京校楽曲制作コースではLogic Proを、楽曲制作オンラインコースではAbleton LiveまたはLogic Proを選択可能となっています。
興味のある方は、カウンセリングの予約をお願いします。

東京校 楽曲制作コース
http://www.idpsorg.com/production

楽曲制作オンラインコース
http://www.idpsorg.com/production_online


DJ SCHEDULE


2017/5/19 (FRI)
『caldera』
at RAF-REC
18:00 - 0:00

GUEST DJ
CD HATA from DACHAMBO

DJ
JOJO(FANTASIA)
SAITOPEN(SANDINISTA/OPEN)
ryohei(BASE the SPACE)
yoshiki(caldera)

Used Cd / Record & Cafe
【RAF-REC】
〒990-0828
山形県山形市双葉町2-1-1

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/294297070999411/





2017.05.20 (SAT)
『ONENESS』

at THEARTER (福島県郡山市清水台1-6-9 八幡プラザ3階) OPEN/START 22:00
DOOR 2,500yen(w/1D)

Special Guest
CD HATA (Dachambo)

Guest DJ
U-SKE (dob masala)

DJ's
HII (ONENESS/GRASSCODE)
Sho Nagamine (HOOP)
Syuhey

Dachamboのサイケデリックシンセストと活躍し、昨年末にテクノトラックをCD HATA&MASARU名義でOctopus Roopeをリリースし勢いが増しているCD HATAさんが1年半ぶりに来郡です!
そして会津の重鎮U-SKEさんも出演です!
良質なダンスミュージックを体感しに是非とも!

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/1845972062332859/





2017/5/26 (Fri) 『TYPE NINE』
@Aoyama TenT
OPEN 22:00~
Charge:1,000yen(with 1D)
- 出入り自由

■Line up
CD HATA(Dachambo)
TOMO HACHIGA(HYDRANT/NT.LAB)
K.N.(hydraulix/original mass recording)
CHIE NAKAJIMA(RE:INSOLENCE)
Gradate (Tokyo Bass Music)
SHIT DUO
SHINICHIRO IMANARI(09recordings)

2016年から都内で不定期開催するテクノパーティー「TYPE NINE」。今回は日本最強(狂)サイケデリックジャムバンド"Dachambo"のシンサイザー担当CD HATAと前回に引き続き再登場となる孤高のダークミニマリストTOMO HACHIGA、そして日本のACID TECHNO第一人者にて、日本のアンダーグランドテクノシーンをリードするK.N.が緊急参戦いたします。

Aoyama TenT
東京都渋谷区東1-2-23 旧ma東ビル3F

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/304063510016494





2017.5.27 (SAT)
『Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO』

今夏、アメリカ・オレゴン州で開催される「オレゴン皆既日食フェス」のプレパーティー「Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO」が5月27日(土)に新木場ageHaにて開催決定!

Dachambo
CD HATA
出演

【 Oregon Eclipse 2017とは?】
オレゴンの大自然の中、アートや音楽に囲まれて1週間キャンプをしながら皆既日食を観測するという巨大野外イベント。
世界中400以上のアーティストが7つのステージに集結し、3万人以上のオーディエンスが熱狂する!

http://www.clubberia.com/ja/events/266803-OREGON-ECLIPSE-2017-TEASER-in-TOKYO/



INFOMATION
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