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AL HACA

この世界には定義づけるには難しいものがある。例えば液体だったり量子物理学でいう粒子だったり、一瞬にしてその実物はポジションを変え留めることが出来ない・・・それがAl Hacaの実体なのである。

10年前、Al Hacaはドイツであらゆるエレクトロニカの影響のあるダブ、パンクをプレイするサウンドシステムだった。そしてある日Rockers Hi-Fiのメンバーに発見され、“Killah” (Different Drummer)のリミックスがリリースされることになる。そのトラックは即にアンダーグラウンド・クラシックに。そしてその ‘Cee’ と呼ばれる男は制作を続けAl HacaのデビューLPとなる ‘Inevitable’ をリリースする。レコードのヴォーカルには大物Sizzla, Ras T-Weed等、さらに当時巷で知られていたMC、RQMがフィーチャーされていた。ColdcutがLPを聴き、ラジオ・プレイリストに数曲を加え、Al Hacaは一気に世界に知られることとなる。そしてCeeとRQMはリリースのショーケース・ツアーを始めることになる。ちょうどこの頃に、Ceeのシャープなプロダクションの技にあの名声高いウィーンのベース・サージェオンことStereotypが目をつける。それがKleinから “Stereotyp meets Al Haca Phase I, Phase II and Phase III” のリリースにつながる。ヴォーカルにはRQMの他に、Daddy Freddy, Ras B, Harry Toddler, Lady Saw, Cesar Sampson, Spectacu-lar等含。このリリースはAl Hacaのキャリアを大前進させるものとなった。ジャイルス・ピーターソンに至っては ‘Blaze ‘N Cook’ を BBC Radio 1でオンエアしただけでなく、彼のSingle of the Yearにノミネートした。 共演アーティストには、Peter Kruder, Modeselektor, Roni Size, Nicolette, M.I.A.を連ねAl HacaはUKでブレイクし、そしてUS、アジアでもツアーを敢行。 その間にも、RQMはベルリンのJahcooziのプロデューサー、Robot Kochとトラックを制作。The Tape vs RQM名義で、Kitty Yo RecordsからLP ‘Autoreverse on’ をリリース。Rolling Stone誌は4つ星のレビューを、Maryanne HobbesはBBC Radio1自らの番組で 最も好きなヴォイスの一つとしてとりあげた。その後The Stereo Mcsのサポート・ツアーを実行し、Jahcooziと共にRQMは Tolchaのヴォーカルとして認知される。そして、このAl HacaのFamily Businessが、これまでの経験とネットワークの完成形なのである。

プロダクションは、Ceeと TolchaのビートメイカーであるRasda、そしてエグゼクティブ・プロデューサーにはウィーンの奇才問題児Stereotyp。Stereotypはソロでのフューチャー・ソウル・アルバム“Keepin Me”をG Stoneから全世界リリースしている。 RQM、Coppa, Oliver Grimball, Hubert Tubbs, Sandra Kurzweil, Cesar Sampson, FEFE, Patrizia Ferrara and Vera B?hnisch(L’enfant Terrible)などヴォーカリスト陣は最強である。