INTERVIEWS
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Rasmus Faber

ありがとう。気に入ってもらって嬉しいよ。 DJ/ミュージシャン/プロデューサー/作曲家/編曲家/ピアニスト・・・という感じかな(笑)。 最初の出会いは覚えていないんだ。というか、たぶん物心つく前から音楽には触れていたはず。だけど自分自身でわかるようになってから意識した音楽は、父がジャズミュージシャンだったこともあって、おそらくジャズと言えるだろうね。名前を挙げるとしたらビル・エバンズ、ライル・メイズ、キース・ジャレットといったところから、もっと一般的にも有名なマイルス・デイビスやジョン・コルトレーン。その後はあらゆるジャンルの音楽を広く聴いたから、様々なインスピレーションを自然と受けていると言えるね。 もともとピアニストとして音楽キャリアを積んできたんだけど、他のアーティストとのコラボレーションやセッションもたくさんやってきて、友人でハウス・ミュージックを作っているアーティストの楽曲でピアノを弾いたことがきっかけで、自分でもハウス・ミュージックを作るようになったんだよ。 アルバムを作ろうというアイディアそのものは何年も前から持っていたんだ。今回のアルバムに関して言えば、1年くらい前にハッキリしたコンセプトというか、絵が見えてきてから作り始めたものなんだ。途中、何ヶ月もツアーに出ていたので、その間にモバイル・スタジオで作業を続けた部分もあったし、グランド・ピアノは東京で録音したものなんだよ。そういったパーツをスウェーデンに戻ってから自分のスタジオでまとめて、別のスタジオでミックスして完成させたんだ。 アルバムのタイトルを決めなくてはいけない、という時にざっと曲タイトルを見て1つ選んだだけ(笑)。ウソウソ、自由に捉えられるタイトルだし、歌詞も含めてアルバム全体を表現するに適していると思ったから、このタイトルにしたんだよ。 ありがとう。スウェーデンで活躍しているイラストレーターを見つけて、彼女の作品をサイトでチェックしたら、一目惚れしてしまったんだ。彼女の作品が僕に語りかけてくるような気がして、僕が音楽で表現したいことが絵になっていると感じたんだ。だから僕は是非彼女にアルバムに参加してもらいたいと思って連絡を取ったんだけど、僕が一番好きだった絵が、彼女のサイトにあった絵の中で唯一使用可能な絵だったんだよ!だからすごいラッキーだったよね。そして彼女はブックレット用に新たにイラストを描いてくれたんだ。で、日本にいる優秀なデザイナーが素晴らしいパッケージに仕上げてくれた。凄く満足しているよ。 エミリーは昔からよく知ってるボーカリストで、プロとしての仕事ができる人物。印象的な声を持っているし、「Are You Ready」を作ったときに直感的にエミリーに歌ってもらおうと思ったんだ。久しぶりに一緒に仕事が出来て楽しかったよ。ダイアナはリール・ピープルの1stアルバムで初めて聴いたんだ。今回仕事をした人の中で最もキャリアが長くて、いわゆるディーバ系のソウルフルでダイナミックなボイスとはちょっと違った声を持っている。そこまで歌い上げる感じのボーカル・スタイルではないけど、ディープで説得力のある歌い方がいいよね。彼女はソングライターとしても素晴らしい才能を持っていて、彼女が歌った曲は実際に作詞・作曲にも関わってもらったよ。リンダはスウェーデンでけっこう有名なバンドのシンガーだった人物でこのアルバムに参加しているボーカリストの中ではたぶん最も有名な人。ソロ活動もしているんだけど、あまり彼女の作品で出来ないような作品に仕上がったから、彼女も喜んでくれたよ。クララはスウェーデンに住んでいるけどブラジル出身なので、独特の雰囲気があるんだ。それにポルトガル語は美しい言語だから、ポルトガル語の歌詞があることでアルバムにまた違うテイストを加えてくれたと思うよ。 もし僕がこのアルバムをヴォーカル・トラックとインスト・トラックを同じくらい混ぜたものにしていたとしたら、もしかしたらインスト・トラックが音楽的に薄い、と比較して思われてしまうものになっていたかも、と感じてるんだ。なぜかというと、ヴォーカルは歌詞が乗っているし、だから非常に意味を持つものだよね。同じような意味合いをインスト・トラックで表現するのはかなり難しいことだよね。例えば5曲ヴォーカルで10曲インストが収録されていたとすると、アルバム全体としての印象が薄くなってしまうんじゃないかと思ったんだよ。特にハウス・ミュージックを聴いていない人にとっては、所謂ダンス・ミュージックにおけるインスト・トラックの存在意義みたいのと関係ないところで音楽を聴いているから、薄く感じてしまうかも思ったんだ。このアルバムに収録されているインスト・トラック「Traveller Toccata」、僕にとっては、ヴォーカル・トラックに匹敵する意味合いを含んだ曲だから収録したんだよ。 そうだね、僕もそう思うよ。僕はハウス・ミュージックはクラブ・ミュージックから離れることも可能な音楽だと思っているんだよ。ハウス・アルバムでも凄く家で聴きやすいアルバム、例えばベースメント・ジャックスのアルバムとか、全曲クラブでプレイ可能っていうわけではないけど、クラブ・ミュージック・アルバムだよね。 勿論全ての曲に好きな部分があるし、1曲選ぶのは難しいんだけども、例えば「Everything is Alright」も好きだし、シングルの「Are You Ready」も「Cidade Oposta」も他の曲より少し力強い感じがするから好きかな。アルバムのリアクションを聞くと、皆それぞれ自分の好きな曲を持ってくれているみたいで、それが嬉しいんだ。 ソフトウェアで言うとLOGIC 8をマックで走らせていて…ストックホルムにはメインのスタジオを持っているんだけど、スタジオには昔のキーボードやオルガン、マリンバなどの楽器が置いてあるよ。ツアーに出てる時はLOGICと沢山のソフトウェアをラップトップに入れてポータブル・スタジオを持っていくんだ。 設立は2003年で、前のマネジャーでDefected Recordsを運営しているサイモン・ダンモアと一緒に作ったんだよ。彼がレーベルを立ち上げる手助けをしてくれて、自分の作品をいかにコントロールしていくか、レーベルを運営していくかを教えてくれたから、彼には非常に感謝しているんだ。 基本的には僕自身の音楽を出すレーベルという感じなんだけど、レーベルとしては、1年に何枚もリリースするわけではないから、あまり活発に活動しているとは言えないかもしれないな。もっとレーベル運営にも力を注ぎたいんだけど、音楽的にも分かり合えるレーベル・マネジャーがもう一人いないとダメかな。。僕は自分の音楽を作ることに集中しないといけないからね。でも今はイギリスのPapa Records(リール・ピープルのレーベル)と提携しているから、これからは色々なリリースが出てくると思うよ。 彼らはデモを送ってきたんだよ。僕はデモを沢山もらうんだけど、僕は結構選り好みが激しいから…難しいよね、自分の作品以外に何をリリースしたらいいんだろう?って時々考えたりもするんだ。凄くよく練られている楽曲というか…デモの段階であっても、アーティストが凄く考えてその曲を作ってることがわかるような曲を選びたいと思っているんだけど、最近はあまりいい出会いがないんだ。今このアルバムからのリミックスを沢山作っていて、他のプロデューサーにもお願いしているから、リリースはかなり定期的にできるとは思っているよ。 残念ながら今はリリースを控えているアーティストはいないんだ。 もちろん。スタジオ・アパートメントやヒデオ・コバヤシ…あとキング・ストリートから出ていた新人とか…彼らのテック・ハウス的な音が好きだね。もしかしたらそういったアーティストに「ファープレインでシングルを出さない?」って聞いてみるのもいいかもね。でも最近は僕を含めてアーティストがレーベルを持つ時代だから、難しいかもしれないけど。 一番印象に残っているのは多分日本のギグだと思うな…他の国より、お客さんが凄く音楽が深いレベルで理解しているような気がするんだ。例えば京都のWORLDでプレイした時にそう感じたのは覚えているよ。熊本とか盛岡とか、小さいクラブでも、来ている人たちが皆凄く集中して僕のプレイを聴いてくれるから、小さいクラブでもプレイするのが好きなんだよね。 凄く楽しみにしているよ。沢山の人が来てくれたら嬉しいなと思っているし、一緒にパーティーできることを楽しみにしているんだ。ヒデオやA Hundred Birdsのヨクとも一緒にプレイできることも楽しみなんだよ。 そうだったかな!?ウェブのデザイナーが優秀なイラストレーターでもあって、彼にお願いをした時に、僕がアジアで結構プレイすることを伝えたから、そういうフレイバーを入れてきたのかも。でも彼は漢字をデザイン的に使おうとしていて、「アジア圏の人達が観てヘンだと思うだろうから」ってことで変えてもらったんだよ(笑)。で、彼はヒエログリフ*を使って作ってくれたんだけど、エジプトの人が見たらおかしいと思うかもしれないね(笑)。

*古代エジプトで使われた文字の1種。 ハイキングが好きなんだ。自然に触れるのがね。京都でお寺に行ったり、伊勢神宮にも行ったよ。温泉も一度行ったことあるけど、また行きたいな。 日本には何度も来ているわけだけど、最近日本には凄く深い関係性を感じるようになったんだ。他国でも僕の音楽に対する反応は良いんだけど、日本では更に深く理解してもらっているような気がしていて。。だから日本の印象は、と聞かれることと、スウェーデンの印象は、と聞かれることと同じような感じもするんだよ。恋愛関係に似てるかな…来るたびに深く理解できあっているような気がするよ。 ツアーで海外に出ていることが多いから、ストックホルムに帰ってきたときは友達とできるだけ会おうとしているかも。ツアー中友達と色々話ししたりするには限界があるからね。。だから皆とご飯に行ったりして話しをしているよ。 BeatportやiTunesで曲が売れるのであれば問題がないと思ってるんだ。例えばデジタル配信することで製造費をカットできたりするからね。問題なのは、違法ダウンロードが多いということなんだ。ヨーロッパでは、違法ダウンロードを肯定的に捉える知識人やメディアの人がいて、違法であることが悪い、と思わない人もいるということなんだよ。音楽を作っている人間としてとても悲しいことだし、そういった違法ダウンロードに取って代わる合法なシステムが早く作られないかと思っているんだけど…今ヨーロッパで起きているこのようなことが、日本のマーケットで起きないでほしいと切実に思っている。 もし最初から最後まで読んでくれた人がいたら、今まで読んでくれてありがとう(笑)。是非皆さんと音楽を通じて出会えたらと思っているし、もし今年ギグで会えなければ、是非来年会えたらいいな。皆さんにいいエネルギーを送れたらと思っているし、皆さんからもエネルギーをもらいたいと思ってる。アルバムを聴いてもらえたら嬉しいし、楽しんでもらえたらすごく嬉しいです。