INTERVIEWS

RATN (riow arai + tujiko noriko)

ツジコ・ノリコ(以下T): これは私が考えた。いろいろ〈Jカレー〉とか〈Jビーフ〉とかさ、すごい好きやの、そういうの。〈J〉って感じが。

リョウ・アライ(以下R): まあ〈ジャパン〉ってことですか。

T: 〈ジャパン〉やねんけど、〈Jリーグ〉とかもさ……。

R: まあ〈ジャパン〉ってことですね。

T: (笑)。でも別にこれ日本じゃなくてもいいの。だってカレーとか面白いわけ。インドカレーとも違うけどすごいおいしくて。オムライスとかも。 T: それも私だけが思ってた〈Jカレー〉から。

R: Jの一つの象徴としてのカレーってことですか。

T: そう。

R: だからって音楽をJポップに近づけたつもりはないけど、インターナショナルな活動っていうのがTUJIKOの今までのイメージとしてあると思うんですよ。海外のレーベルから出してるし。でも、日本人だし、日本で好きな人もいっぱいいるから、日本に焦点当ててやってみようかっていうのがあった。 R: そうですね。ヨーロッパでも音響とかエレクトロニカで歌モノって増えてるんですけど、それをストレートにできる人が日本にいそうでいない。それをツジコ・ノリコでやってみたらどうなるかっていうのがあった。ヴォーカルを際立たせて曲のよさをシンプルに伝えることが僕の仕事だったし、元々ツジコのデモにはあったアヴァンギャルドな要素も極力なくしましたね。 R: インストゥルメンタル寄りの即興っぽいものもあったんですけど、そういうのは却下して、曲自体がわかりやすいっていうか普通の歌の構造になるようにした。7分とか平気である長い曲はギュウギュウに詰めて短くしたり。1曲目も最初もらったデモでは10分くらいあったんですけど、なんとか削ってポップスに近い感覚でまとめたんです。今までツジコの音楽を聴かなかった人が聴きやすいように、っていう。 R: 感性は調和されてる感じがすると思うんですけど、コラボレートとしては予定調和じゃない。ツジコがイメージしてる僕の音っていうのがあって、僕がイメージしてるツジコの音があって、それをそのままスルーさせて素直に出来上がったっていうのではないんですよ。 T: みんなが好いてくれるといいねんけど、どうかね。例えばうちのお母さんは〈つまんないねえ、あなたの音楽は。眠い。もうちょっと踊ったり、浜崎あゆみみたいな楽しいのすればいいのに〉って言うの。そういうのはわかる。だからヴォーカルの面で意識したことはなかったけど、そういうのはちょっと意識した。

R: 浜崎あゆみは極端にしても、そういうのを聴いてる人もちょっとは聴いてくれるかなと思うし、普通にJポップ聴いてる人が聴いたらどう思うのかなっていうのはある。とにかく先入観なしで聴いて欲しい。

T: 一緒に歌ってもらえればいいかな。