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cro-magnon - メロウカバー集「cro-magnon plays」を発表

TSUYOSHI(以下T):前作の「MELLOW OUT & ACOUSTIC」が、こんなバージョンのクロマニヨンも好きですって言ってもらったりして、非常に反応が良かったんです。あとは自分たちにとっても、既存の楽曲を採り上げ、演奏して、音に残すっていう行為がとても有意義だったなあと。それで第2弾をやろうということになったんです。 T:前回に比べると、より音色がまとまったというか統一された感じですね。演奏面でも前より上手くなってる気がするし(笑)。あとは今回、マスタリングの仕方がこれまでと違っていて、家とかカーステレオでじっくり聴くのにとても映える音になったと思います。ハイの部分がより開けているというか。

SHIGE(以下S):そうだね、カーステレオとかで聴くとすごく良いよね。大きい音で聴いてもイヤな音が聴こえないし。

TAKUMI(以下TA):それと前回は企画で作ったものを後から1枚のCDに集めた形だったのに対して、今回はこのアルバムのために一から曲を選んだというのも大きいですね。 T:前と同じタイトルで「2」とかにするのは面白くないなあと思って、新たに「PLAYS」としました。とはいえ音はこれこそ「MELLOW OUT & ACOUSTIC」という言葉がぴったりな感じになっていると思います。

TA:選曲も、超メロウっていうものよりは、僕らが生で演奏してメロウに聴こえるっていう曲が多いんです。例えばSly & the Family Stone「If You Want Me to Stay」とか。よりメロウに、アコースティックに演奏するからこそ「Plays」っていうのは、我ながらなかなかハマってるんじゃないですかね。 T:やっぱり昔からよく聴いてる曲が多いですね。

S:すごく好きな曲だったり、あとはいろんな楽曲のネタ元になっている曲も多く選びました。知り合いのDJなんかに「何が良いかな?」って相談したりもしたんだけど、結局あんまり使わなかったり(笑)。

TA:3人で演奏してみて、「いまいちハマんないね」って曲もけっこうあったから。

T:逆に昔からよく演っていたFreddie Hubbard「Red Clay」なんかは、そのハマらなかった曲の代わりにその場で演ってみて、「ああ、やっぱイイね」となったパターンです。 T:そうなんです。もう大学生の頃から。当時、道端で演奏していた時はカバー曲が多かったんで、その頃の“みんなのクラシック”的な曲も今作にはけっこう入ってます。

S:逆にHerbie Hancock「Tell Me a Bedtime」なんかは、ジャズで難しいし僕たちが演奏して大丈夫かなあと思ったけど、演ってみたら意外にも良かったり。曲の良さが前面に出ていて。

T:原曲の良し悪しではなく、よりcro-magnonの演奏と相性が良かったものを集めたという感じですね。 T:3人で一発で録ると、どうしてもミニマルな音になっちゃうんですよね。でも原曲には、例えばStevie Wonder「For Once in my Time」にしてもガッチリとバンドを組んでいて、最低でもドラム・ベース・ギター・キーボードくらいはいる。さらにはホーンもストリングスもコーラスまでいる。だからこそ、僕らの演奏でミニマルになった時に良い形で聴こえる音っていうのを極力目指しました。原曲自体はどれも間違いなく良いので、3人の演奏でその美味しい部分をできる限り残すことを心がけましたね。

S:でもやっぱり昔の音楽って基本的に生演奏だから、プレーヤーとしてはすごく勉強になることが多いんです。特にブラックミュージックは、昔からそう思ってずっと聴いてきた部分があるから。だからこそ僕らが今まで生きてきた音楽人生の中で普通にあるものを出しただけというか、ある意味で普通に演奏しただけみたいな。そういうことを十何年やり続けてきて、前よりは自信も出てきてるし、そういったことが今回のアルバムには良い方向で出てるんじゃないかと思います。 T:あれは元々がスローだし、原曲の歌の部分をメロディーでなぞっただけでは何だしってことで、唯一かっちりとアレンジを加えた曲ですね。

S:ツヨシがよくDJでかけたりする曲なんだけど、とにかく原曲が超カッコ良いんですよ。本物がヤバすぎて、そのままやっても太刀打ちできないなってことで。

TA:でもリハの一発目からシゲもツヨシも言葉よりも先にビートが始まっていて、僕のメロディーもこれに合わせれば良いんだって感じでした。最初に合わせた時点でいけるなって。

S:ただ、やっぱり原曲を知ってるからこそ良く聴こえたっていうのはあるんじゃないですか? S:いやあ、それは嬉しいですね。原曲を知らないのに、これを良いって言ってくれるのは。

T:それこそが、今作を出す一つの目的でもありましたからね。cro-magnonを入り口としつつも、こんなにすごい元曲があるんだって発見してもらえることが。 T:レコードを掘ってると、昔の良曲を別の人がカバーするって日常茶飯事じゃないですか。それをDJがかけて、こんなバージョンもあるんだってハッとさせられたり。そんなノリをこの曲にも上手く出せたんじゃないかなあと思います。違うバンドのこんな12インチ・インストバージョンがあるんだ的な。

S:これはMASAYA(FANTASISTA)くんがクラブで一度かけてくれて、相当に盛り上がってましたね。 T:思わず出ちゃった系です(笑)。まあ、そこは完全に僕らの色ですかね。

S:ついつい哀愁が出ちゃった感じ。“ハイボールバージョン”みたいな(笑)。ぜひ飲み屋で聴いて欲しいですね、平日の。もしくは我慢して我慢して家に帰って缶ビールをプシュー!の時とか(笑)。。 T:もちろん白昼夢の最中のBGMとしてもぜひ(笑)。ありがたいことに「4U」の時くらいからレコーディングに慣れたというか、力の抜ける感じが分かってきたところがあって、それがその辺りに出てるのかもしれないですね。 S:演奏はこれまで通り、ライブショーという形で日々がんばっていくんですが、次のアルバムは少しじっくりと作り込んでみたいなあとも思ってます。ちょっと凝った曲というか、打ち込みをバラしてビートを作って合わせたり……。二十歳くらいの頃から、ああいうのやりたいねって良いながら置き去りになったものが、今の状況ならできそうな気がするんで。 S:そうですね。まずは音楽でこうしてご飯を食べられてるわけだし。あとは例えば憧れのDJだった人と同じステージに上がったり、憧れのドラマーと同じフェスに出たり。 S:ロイ・エアーズとやった時は、「二十歳のオレらに教えてやりたいね」とか言ってましたから。たぶん信じないよねって(笑)。 T:逆にそこを徹底してやらないと、僕らがやってる意味がないんじゃないかと思うんです。

S:それが強みでもあるし、ある意味で仕方ない部分でもあるんですよね。自分たちがやりたいことを、その時々のベスト・ベストでやってきたからこそ、ライブ観たりCD聴いて気に入らないって人がいたら、もうそれは合わないんだなあって思うしかないんじゃないかと。別に売れることとかテレビで流れることが悪いと言ってるわけではなく、僕らだってできればテレビで流れたいけど、結局僕らにはこういうやり方しかできない、やりたいことしかできないのがcro-magnonなんだと思うんです。