INTERVIEWS

Francois K.

たしか2009年の7月ぐらいだね。 もちろん。オファーをもらった段階では内容に関してそれほど厳しい縛りはなく、自由に決めることができたので、ストレートにAIRのパーティーをイメージした内容を目指したよ。 むずかしいね(笑)。スムーズでゆったりとした始まりから、徐々にピークタイムに持っていく自分のプレイを凝縮した形といえるかな。また、Robert BoscoやFloppy Sounds、Areaなど、僕が立ち上げたマネジメント事務所"FORWARD MANAGEMENT"のアーティストをフィーチャーするというのも、「FORWARD」のコンセプトとなっているので、それも意識しているよ。彼らは常に新しい音楽を作っている。Robert Boscoはまだ22歳かな? 非常に若くて優れたアーティストだね。 DAWソフトを使ったよ。僕はコンピレーションやミックスCDを作るときは、ほとんどDAWでやっているんだ。曲の組み合わせを含めていろいろなアイディアが試せるし、ミックスの微調整もフレキシブルに行えるから、コンセプトに近づけやすいんだ。 それがミックスCDのむずかしいところであり、逆におもしろいところでもあると思うんだ。そういった制約がクリエイティビティを生むことはよくあるからね。具体的にいうと、最初は尺の問題は考えずにパーティーのある時間帯を切り取った感じで作っていって、ディープな始まりからピークタイムへ向かい、あえて最後にアンビエントな雰囲気に持っていって。ガンガンに盛り上がっているところで、すーっとエネルギーを抜くような。これは実際のパーティーでもよくやるんだけど、オーディエンスにとっては意外性もあるみたいだね。そうしてでき上がったミックスは、CDの尺よりも30分くらい長かったから、あらゆる部分を削って尺に収めたんだよ。 これは一言で説明するのはむずかしいね。曲の一部分を削ったり、ミックス部分を短くしたり、あらゆる手を尽くすので。しかもそれは僕の何十年というエディティングの経験によって、ほとんど手癖のように行われるから、自分自身意識しないほどなんだ。ただ、この作業で1つ気をつけたのは、最初にでき上がったものとプロポーションを変えないということ。流れやグルーヴ感はそのままに、長さだけを短くするように意識したよ。 実際にクラブでプレイしているのと同じフィーリングだよ。試行錯誤できるのはDAWのいいところだけど、事前にすべてをプランニングすることはないかな。DJは本能でプレイすることが大事だと思うしね。なので、曲を聴きながら次の曲を選んでいく作業は、ロジカルには説明できないものがあるよね。あとで聴いて自分でも「なぜこの曲を選んだんだっけ?」と不思議に思うこともあるからね。現場ではそれが対オーディエンスになる。僕はオーディエンスの欲しているものを感じ取って、届けているだけなんだ。さらに、フレッシュな感覚を自分もお客さんも楽しめるように、同じ順番の選曲は2度とやらないことにしているよ。なので、毎回どんな方向にいくのか自分でもわからないんだ(笑) どうもありがとう。