INTERVIEWS

Taisuke

始めたきっかけは、とりあえず見て「かっこいい」と思ったことですね。お姉ちゃんがダンススタジオに行って、それについて行って。はじめは違うジャンルをやってたんですよ。その1年ぐらいあとに"Cool Crew Jr"ってクルーを組んでたときの「パパ」っていうマーさん※ていう人が、たまたま先生としてそのスタジオに教えに来たんです。で、周りが女の子しかいなくて、オレと相方のトシキと2人だけが男で、それに気づいてオレらの前でブレイキンをやったんですよ。ウィンドミルとか、そういう技をやって、それをかっこいいと思って。そこからですね、やりたいと思ったのは。 そのときは8歳ですね。 そうですね、あんまり何も考えてないです。 逆に相手と戦ってるっていうよりは「自分と戦ってる」かもしれないです。自分のムーブを頭の中でいろいろ浮かべながら、何個か決めてやるんですけど、その曲によっての「あそび」とか。 そうですね。 そうですね。なので、結局考えていたムーブができないってこともあるんですけど。 そうですね。こないだもバトルに出たんですけど、敵と戦うんじゃなくて、自分のムーブの整理というか。自分がどれぐらい動けるかとか。 ぶっちゃけあんまり練習してないです。ていうか、練習ができないんですよ。っていうのはケガしてるんですよね。足をケガしてるから、できるだけあんまり動かないようにしてます。 その代わり筋トレをしてます。でも一昨日はお店でイベントやって、そのときは踊って。昨日も軽く踊って、それから家に帰って練習しに行って。ほんとになるべく動かないようにしてるけど、どうしても動きたいっていうときは動く。だけど、左足をケガしてるので、左足にあんまり負担をかけないように練習してる感じです。そこまで毎日じゃなくて、自分が気が向いたときに。 踊りたいときにですね。 こだわり……、まあ人ができないことをするだけなんで。っていうのと、自分が持っているものを生かす。バネだとか、キレだとか、すべてにおいて波をつけるっていうのが一番ですね。 そうですね、自分がここまできたのはDJ Marさん(※1)とか。カツ君(※2)とか、ヤマ(※3)さんとか、小さいころからお世話になってるんで。

(※1 DJ MAR= ZULU KINGZ所属。B-BOYのバトルDJ、イベンターとしても活躍。)
(※2 カツ=日本のB-BOY。ALL AREA/ZULU KINGZに所属。)
(※3 ヤマ=DJ TEEとして大阪を中心に活動。B-BOYのバトルDJとしても有名。) 知識ですよね。教えてもらってからスタイルが変わって。さらにまた変えようと思って、アメリカに行って、"Zulu Nation"(※1)に入って。それかなって。そのときに一番影響を受けたのはk-mel(※2)だったんですけど。

(※1 Zulu Nation=Afrika Bambaataa(アフリカ・バンバータ)が起ち上げた組織。ヒップホップが現代社会や文化と密接に関わることで、その存在を、社会的、文化的に昇華させようという目的で組織された)
(※2 k-mel=ZULU KINGZ所属のアメリカのB-BOY。キャリアも長く日本でもその存在は有名) 違いは何気にけっこうあって。韓国とは絶対練習量が違うんですよ、むこうのほうが恵まれてるから。フランスもそうだろうと。でもフランスだったら勝てると思うんです。あとは行動力ですかね。 そうですね。日本人は日本国内で終わってるかもしれないですね。アメリカはアメリカでシーンがでかいじゃないですか。だからLA行ったり、ニューヨーク行ったり、マイアミに行ったりできるし、その行動力がある。とくにヨーロッパは全部が近いから、ヨーロッパはとくに行動力が違うんじゃないですか?海外行ったときにけっこういろんな国のヤツと会うんですけど、日本人っていないんですよ。 完全にあります。自分もそうなんで。まだぜんぜん英語も話せないし。 がんばって話すしかないですね。文章を見てもあんまりわかんないですけど、話してるとそっちのほうがわかりやすいんですよ。だからとりあえず自分がわかる範囲で話したりする。 そうそう、そうですね。 今まで2回出て、1回目は勝つっていうよりは、舞台で踊れることを楽しんだっていう感じだったんですよ。2回目のフランスは、楽しんだけど勝ちたいっていう気持ちがあって。今回、今決まっているメンバーの中で3回目って、オレだけなんですよ。何気にベテランの位置にいて。 そうですね、完全に優勝するしかないので。日本でやる大会だし、日本のシーンを変えないといけないっていうのもあるから、とりあえずそこ。今回は楽しむんじゃなくて「勝ちにいって、楽しめれば」と。 自分よりも若いヤツがいるんで、その選手ですかね。Thesisっていうんですけど、オレの2つぐらい下なんですよ。で、そいつも優勝するんじゃないかっていわれてるし。あとはブラジルの選手ですね。Neguinとか。このあいだ会ったんですけど、そのときはソロバトル優勝してたし、アクロ(※)とかもいろいろできるんですよ。だからそういった部分でああいう舞台でもすごく映えるっていうのと、あとスタミナがすごい。

(※アクロ=アクロバット。バク転や宙返り的な動き) はい、だからその2人は1回戦では当たりたくないなっていう。ムーブを貯めてる状態(※)では当たりたくない。多分上にいけばいくほど、楽になってくると思うんですけど。

(※ムーブを貯めてる状態=自分のとっておきの技を、のちの対戦相手のために残しておくこと) やってることは違うんだろうけど、見栄えが一緒だったりするんで、そういう意味ではその選手たちとはベスト4とか決勝とかでできればいいと思うんですよね。 今の小さい子はすごく環境的に恵まれていると思うんですよ。オレらのころはキッズの大会とかなかったし。今の子たちって勉強が足りないと思うんですよ。その、ベーシックとか基礎を知らない子たちが多い。だからみんな技に走っちゃうのも多いと思うんで。ベーシックができないと次には進めないと思うんですよね。 そうです。……っていうのと、踊れない人が多いんですよ。リズムをとれない子が多い。 はい。海外の子たちにもリズムは取れないヤツもいるんですけど、大体アメリカのヤツだったらリズム取れるし。やっぱり環境が違うんで、そこは練習しないといけない部分じゃないかなと思いますね。 とりあえず、一般の人たちに認められればいいのかなっていうのはあります。今からのシーンもそうだし。ダンスは今すごい注目されているっていうのもあるんで、それで見られ方が変わって、ダンスでもちゃんと食べていけるようになれば、小さい子たちも希望を持てるし。いろんな人に認められたりとか、スポンサーがついたりすればいいなって。 ハハハ。それは自分の彼女がタイプです(笑)