INTERVIEWS
>

Miss Kittin

最高ね。日本は大好きなの!まだDJとして有名になる前、まだプロモーターに航空券を買ってもらえない時代に、お友達と遊びに来たことがあるの。ずっとずっと前なんだけど。その頃から日本は好きな場所なの。日本のアニメ映画の「となりのトトロ」も大好きよ。とくにトトロに出てくるあの小さなブラックボール、なんだっけ?(「まっくろくろすけ」のこと)とってもキュートね! スモールルームで同じく出演したPRINCESS SUPERSTARと一緒にいたときがとっても楽しかった。ただ、メインフロアは少し大きすぎる気がしたわ。女性DJをメインとしたイベントだったことに関しては……そうね、私は単に女性だからっていうのだけで、取り上げられることにはあまり関心がないの。 そう言われることに対しては、とても誇りに思うわよ。でも、女性だからって特別視するんじゃなくて、もっとシーンの中に入れてほしいの。私は今まで、男とか女とか、関係なくやってきたつもりだし、それでいて成功したって思ってる。たとえばELEN ALLIENも同じだと思うわ。 たとえば、物事がうまくいかなくって、もし私が不平を言ったら、「MISS KITTINは女王様みたいに振る舞うからだ」って、(そうじゃないのに)言われるかもしれない。でも、もしそれが男だったら「だって、彼がボスなんだから文句くらい言ってもいいじゃない」ってなるわね。女性が自分の考えを言うと、彼女はビッチだとか、女王様みたいとか、傲慢だとか言われがちだと思うの。でも、男の場合は別になんとも言われないじゃない。これはテクノの世界に限ったことではなくて、どの仕事でも一緒だと思うわ。とっても残念なことね。 ええ、とっても!もうプレッシャーに押し潰されそうだったの。だから、あんなテクニカルプロブレムが起こったんじゃないかしら。あれは天からのお告げだったのよ。「MISS KITTIN、あなたは全然リラックスしてないわね」って!パーフェクトに成し遂げたいと思っていたから余計ね。 そうね、このLIVEはパーフェクトではなかったけれど、クオリティーそのものっていうよりも、こういうハプニングがあってこそLIVEはLIVEであるし、それだからこそ、おもしろくなるんだってことを示してくれてると思うの。もし、誰かと恋に落ちたとするじゃない?でも、その人は完璧人間じゃなくって欠点があるけど、それも含めて、人は惚れてしまうんじゃないかしら。ミックスも同じことよね。パーフェクトじゃないから、なんでもおもしろみが出てくるのよ。 みんなからジョークでしょ、クレイジーねって散々言われたわ!最初はスタジオでもなく、友達のお家でTHE HACKERと遊びながら作ってたの。すぐ近くに私の祖父のお家があって、祖父が使っていた机の上であの詩を書いたわ。次の日にその詩をHACKERに持っていって見せたら、「YOU’RE NOT GONNA SING IT!」(君はそんなの絶対に歌えないよ!)って言われたの。でも、どんな歌詞をつけようが歌うのは君本人なんだから、自分のしたいようにすれば、って言われたの。そのとき彼、笑ってたわ。でも、馬鹿げている歌詞だと知りながらも、HACKERは気に入ってくれてたみたい。
他の友達からも、こんなのあり得ない、ジョークとしか思えないって言われたわ。誰もが、間違ってもこんなにヒットして伝説的なトラックになるとは思ってなかったから。でも、私はそのとき彼らに言ったの。「そうよ、ただのジョークよ。それが何か?」って。だって私自身、いまだにジョークだと思ってるわ(笑)。みんな私が真剣にやってないって言ったの。そうよ、真剣になんてやってないわよって言い返した。彼らはネガティブだったけど、私は真剣じゃないって言ってても、ポジティブだったの。だって、遊び心ってとても大切よ。シリアスな歌詞なんて書きたくなかった。テクノはシリアスだけど、エレクトロはもっともっとファニーなものよ! 「BUGGED OUT」というダブルCDをリリースしました。これは「LIVE AT SONAR」とは、全然違う趣旨で、もっとトラディショナルなミックスCDよ。それと新しいトラック制作にも取りかかっていて、今年の夏にビッグフェスティバルやギグでたくさんプレイするつもりよ。でも、これからは今までよりもツアースケジュールを緩めたいの。トラベルしすぎるとあまりにハードだから。最近思うの、DJという仕事は女性の体にとって優しくないことが多いわ。 他の人に歌を書いて提供したい。本を書いてみたい。友達や家族ともっとたくさんの時間を過ごしたい。そうね、もしDJをしないのなら、1年か2年くらい休暇に出かけて何にもしたくないわね。たぶん、子供を産んでお母さんになってるかしら。 たぶん可能だけど、もしそうなったら、もうDJはしたくなくなると思うの。DJとしてやるべきことやできることは全部やってきたと思ってる。これ以上なにができるかしら? DJは大好きだから辞めるなんてことはないと思うけど、でも、たまにふと頭をよぎるの。すべてを離れることってできるのかなって。全部知り尽くしてる物事を去るって、実はあんまりエキサイティングではないかもね。今のところ、人生は私に微笑んでるし、常に新しいチャレンジが待ってるわ。今は時の流れに身を任せてるの。だから、全然心配してないし、退屈もしてない。いつもエキサイティングな気分よ! ファミリーよ。家族と昔からの友達ね。DJという仕事は毎週末ギグに出ているから、家族や友達と会えないの。たくさん仕事をして、常にトラベルして、自分の大切な人と会う時間が全然なかったの。今になってホームに戻る必要があるんだって気付いたの。気付くまでにとても長い時間がかかったけれど。 そうなの。「マネキネコ」のことね!招き猫のタトゥーは東京で入れたのよ。私はKITTIN(猫)だからパーフェクトでしょ(笑)?知り合いにタトゥーアーティストがいて彼に入れてもらったの。招き猫のタトゥーをリクエストしたら、彼は私がそんなこと知ってるなんて、とてもビックリしてたわ。普通の招き猫は金運を高めるっていう意味で、手にコインを持ってるわね?それを私のはスクエアボックスに変えてもらったの。なぜかと言うと、私の招き猫はお金だけではなくて、すべての幸運を運んでくれるようにカスタマイズしてもらってるの。オリジナルのマネキネコよ!でも、決して忘れちゃいけないのは、本来幸運っていうのは自分自身で運んでくるんだってこと。招き猫に頼ってるんじゃなくて、私自身が幸運を呼ぶパワーを強めてもらってるの。今のところそのパワーは効いてると思うわ!