INTERVIEWS

DJ OGAWA

SHINMI: やっぱり素晴らしいDJやアーティストの良さを、思いっきり出してもらえるような店にしたいなというのは、いつも考えることです。それで、お客さんにはずっとダンスしていられるような、音楽を聞いていられるような居心地の良い環境を作れればと思っています。
OGAWAさんはもうずいぶん前からの大先輩で、もちろんDJとして名古屋やそれ以外の地方でも活躍されてるのは知っていて、当時CLUB MAGOはテクノ色が強かったということもあって、ハウスで一晩をちゃんと創れるDJのパーティーをCLUB MAGOでお願いします、ということでスタートしたのがSMASHでした。やっぱり、ONE NIGHT ONE DJみたいな昔のNYなどのCLUB、DJのスタイルをリスペクトしていますし、CLUBとしてそういう風にありたいなという思いはあります。 OGAWA: SMASHを始めた2001年は、クラブシーンが最盛期を迎え始めたころ。90年代までは、クラブはまだ少数派的な部分が強く、ジャンルに関係なくクラブに行く行為が格好良かったり、クラブに身を置くことが心地よかったりしていた。音楽を含めクラブという存在自体に対し、みんなが純粋に愛情や情熱を持っていたと思う。時代や場所が変わっても、音楽やクラブが持つ普遍的なものを信じ、SMASHもそういった場として位置づけている。MAGOから相談があった時、その信じてきたことを具現化できる可能性を感じた。11年を振り返ってみると、"普遍的なもの"を軸に、音楽スタイルを含め、試行錯誤しながら常に塗り重ねてきた。始めた当時に考えていたことが少しづつだけれど、できているかな。 SHINMI: ライティングは、今回のアニバーサリーでも来てくれる、ご存知日本のTOPライティングエンジニア、AIBAさんが手がけてくれました。予算面も含め、とても親身になって見てくれて本当に感謝です。AIBAさんは本当に音楽、クラブが好きな人なんだと思います。だからあんなに素晴らしいのだと思います。音響は、機材うんぬん以上に、メタモルフォーゼなどでもお馴染みのエンジニア、ASADAさんのチューニングによるところが大きいです。ジャンルなんかはもう全然関係無くて、音の再現力に毎回僕らがびっくりするくらいなんです。DJやアーティスト、お客さんも含めて、こういった素晴らしい人たちとの出会いにCLUB MAGOは支えられています。

OGAWA: 機材関連の充実といった環境が整ったDJブースは多々ありますが、時間を忘れさせられるDJブースっていうのはなかなかない。機材などへのこだわりはもちろん、ライティングに対してもしっかりとしたオペレーションを組んでいるのは、DJにとっては至れり尽くせり。まあこれだけやりやすい環境が整ってたら良いDJをすればそれがよりよく伝わりますね。 OGAWA: 去年の10周年の時、僕がDJ始めたころからずっと来てくれている人が、成人した自分の娘を連れて親子でフロアで楽しそうに踊ってる姿を見た時はDJしながらちよっと感動して涙が出ました。わりと昔から遊んでいる年配の不良親父たちから20歳くらいの若い子までが1つの空間、1つの音楽で踊っていても不思議と違和感ないのがうちのパーティー。
あとは東京や他のところからも全然知らない人がSMASHの噂を聞きつけて遊びにきてくれたり。毎年ゲストで来てもらっていますがHERNAN CATTANEOもMAGOの環境とSMASHの雰囲気をすごく気に入ってくれてて毎回ベストパーティーって言ってくれるのはたとえお世辞でも誇りに思いますね(笑)。 OGAWA: 2009年にEMMAさんのレーベル"NITELIST MUSIC"からOGAWA&UNIC名義で「SMASH(NM21029)」をリリースしてもらい、パーティーに1つ芯ができたという実感を得ました。だから、今の感覚をイメージした新たな"SMASHらしいトラック"を作れるといいなと思っています。コマーシャルで消費されていくだけのものではないようなものをMAGOから発信していきたい。