INTERVIEWS

Eddie C

- まずは自己紹介をお願いします。

Eddie Cと言います。カナダ出身で現在は1年程ベルリンに住んでいます。ヴァイナルとアウトドアをこよなく愛する36歳の射手座です。
  - あなたの印象としてカナダのロッキー山脈のビートメイカーという印象が強いのですが、なぜベルリンへの移住を決めたのか教えて下さい。

僕は長い間、カナダの中西部のロッキー山脈の中にあるバンフという街に住んでいたんだけど、そろそろ変化の時ではないかと考え始めたのが移住を決めた理由だよ。それにはベルリン以外には考えられなかった。自分が大好きな事をする為に、これ以上の場所はないと思ったんだ。
  - あなたのクリエイションはカナダの自然から大きな影響を受けていると言われていますが、故郷を離れる事に何か思う事はありませんでしたか?

少し誤解があるかもね。僕の故郷は東部のオンタリオで、家族はそこに住んでいるんだ。そして僕らはクリエイションの為に、車でも5日間かかる、西カナダの山中に引っ越したというのが本当の所なんだ。そして移住の1月前にオンタリオに戻り、そこからベルリンに出発したんだ。(もちろん持てるだけのレコードを持ってね!)正直、引っ越す前はカナダの自然から影響を受けているなんて全く考えていなかったんだよ。でも、今振り返ってみると確かにそうだったなと思っているよ。ベルリンへの移住が僕のルーツを明確にしたんだね。それは、新しいアルバム『Country City Country』にも明確に表れているよ。
  - 新しいアルバムについては、後で詳しくお聞きしたいと思います。ベルリンでの生活はどうですか?

ベルリンは本当に素晴らしい街だね。今はここ以外の場所に住むなんて事は考えられないよ。冬は本当に寒いけど(笑)でも街のライフスタイルは凄くゆったりしていてリラックスできるし、クリエティブで驚きに満ちあふれていて。もう言われ尽くしている事ではあるけど、やっぱり皆パーティーが好きだよね。
  - 日本では一般的に「ベルリンのクラブシーンはテクノやミニマルなサウンドが主流」と捉えられています。あなたが身を置いている、スローモーハウスやニューディスコのシーンはどのような感じでしょうか?

大型のクラブに関して言えば、確かにその通りかもしれないね。でも、ベルリンには本当に沢山の小型のクラブがあって、しかも常に新しいクラブが立ち上がっている。レアなディスコやエクスペリメンタル・ミュージック、とにかく全ての音楽がこの街には詰まっていると感じているよ。
  - 何かお薦めのクラブや現地のアーティストなどがいたら教えて下さい。

本当に沢山あって何がいいか迷うな。例えば、"Loftus Hall" "Soju Bar" "Farbfernseher" "The Zone"は僕のお気に入りの場所だね。でもこれはまだ1年間の滞在で見つけたものに過ぎないし、きっとまだまだ沢山のいい場所があると思うよ。
アーティストに関してはもっと多くの人がいて、しかもどんどんベルリンを訪れるから、挙げるときりがなくなっちゃうよ。でも、僕が仲良くしているのは、もう何年も付き合ってきたカナダ出身の友達ばかりだね。
  - あなたのカナダ時代からの友人でベルリン在住のアーティストと言えば、Mike Shannonが有名だと思うのですが、彼との親交のいきさつを教えて下さい。また、あなたの新しいレーベルであるRedmotorbikeもカナディアンによるレーベルですよね?そのメンバーとの親交のエピソードなども教えて頂けますか?

マイクは今でも凄くいい友達だよ。カナダでは1995年から1999年まで同じ街に住んでいて、デトロイトに近いという事もあって共にテクノミュージックのシーンから大きな影響を受けたんだ。マイクは当時からアンダーグラウンドなシーンで沢山のパーティーに出演し、自身でもそのオーガナイズする有名人だったよ。マイクとは一緒に大学でラジオ番組をもったり、街の近くのクラブでの一緒にDJをする中で仲良くなっていったんだ。そこで多くの有名アーティストとも共演の機会をもらったよ。彼らとは今でもコンタクトをよく取っているよ。というのもベルリンにもカナダ人のコミュニティっていうのがあって、ビクトリアやトロントの出身者とかもいるからね。

Redmotorbikeはそれとはまた別のコミュニティだね。これは7 inches of loveやCommon Edit、Honey Discoなんかと同じファミリーでやっているレーベルだよ。ほとんどはカナダの西海岸出身のアーティストなんだけど、中には中部のエドモントンや東海岸のモントリオール出身の人もいたり、最近はニューヨークからのゲストも呼んでいるね。
  - さて、あなたの新しいアルバム『Country City Country』ですが、先ほど「カナディアンである影響が表れている」と言っていましたね。どのような点でそう感じますか?

今回の収録されている作品のうちの何曲かは、まだバンフに住んでいた頃の作品のリワークだし、ヴィクトリアで作った作品のリワークも同様に収録されているよ。曲名やその他の様々な部分でも僕が山奥に住んでいた頃の影響が色濃く出ているしね。例えば、"Sunrise Pass"は僕の大好きなカナディアンロッキーのスキーコースからきているし、"La Palette"というのは僕がバンフでプレイした中で、最初のクラブの名前から取っている。

もちろんベルリン滞在の影響も作品には表れているよ。壮大な音楽の歴史を持つ街だからね。ベルリンはまだまだレコードによるコミュニティが根付いているから、様々なレコードにいつもインスピレーションをもらっているし。でも、カナダにいる頃もベルリンからレコードは買っていたし、ここ最近だけの事ではないから、、、そういう意味で移住による一番の影響をというのは、ベルリンの解放的な空気とベルリンのクラブが持っているDIY精神かもしれないね。
  - アルバムの前半はヒップホップやファンク、レゲエなどオールドスクールなサウンドのサンプリングが多いですね。これは前作である『Parts Unknown』からの明らかな変化だと感じました。あなたはかつてヒップホップのDJであったという事は知られていますが、何故「今」このような表現を再度提案したのでしょうか?

ひたすらサンプリングで音楽を作ってきたんだけど、それを発表する時期がきたと純粋に感じたからだね。昨今のエディット音楽は、本物のサンプリング文化というものを忘れて「ただの編集作品」を作っている人が増えていると感じ始めたんだ。だからこそ、自分のアルバムの中でサンプリングをベースにした(コラージュとインストのヒップホップを使った)オリジナルのショーケースを展開したいと考えていたし、やっとそれができたと思っている。そのような点で、この作品はただの「エディット」じゃない。だから、きみが「サンプリング」と表現してくれた事は本当に嬉しいよ、ありがとう!
  - 一方で後半では、前作からの流れを引き継ぐような、ソウルフルで繊細な音楽がbpm100前後のゆったりしたテンポで綴られていますね。これはあなたを特徴づけるスタイルだと思いますが、このような音楽のスタイルに行き着いた経緯を教えて下さい。先ほどあなたが「大きな影響を受けた」と言っていたデトロイトのサウンドともまた違うと思うのですが。

きみの捉えるヒップホップというのは 4/4キックの事なのかな?実は前半/後半を通して同じようなベース音とサンプリングを施した作品なんだけど(笑)
僕が2000年代の初期に作った楽曲はインストのヒップホップの音楽による作曲がほとんどだったんだ。そこから派生して2005年 / 2006年にビクトリアでジャンルやスタイル、年代に執着しないミッドテンポにフォーカスしたイベントを開催していたんだけど、そこでミッドテンポの曲をどんどん掘り出したのが今に影響しているよ。Jay Deeや初期のMark E、Lindstrom、Prins Thomasとかね。もちろんコズミックスタイルに傾倒する時期もあったね。
デトロイトに影響を受けたと言ってもそれは一部でしかないし、逆に僕は世界中の音楽に影響を受けて今に至ったと思っている。今でも、どこかに行く時は必ず現地のいいレコード屋の噂を聞いて、新しいレコードを探しに行くようにしているよ。
  - アルバムのコンセプトを一言で表すと?

都市と田舎、その両方で暮らす事の必要性を表している。人生を通していつでも戻れる場所としてね。
  - 今回のアルバムをリリースしているMule Musiqを始め、Crue-L、Let's Get Lostと日本のレーベルからのリリースも多いですよね?日本のシーンについてのあなたの印象はどうでしょうか?

世界基準のアーティストやクラブが日本には沢山あると思っているし、個人的にも日本のアーティストは大好きだよ。もっと欧州にツアーにくる日本人が増えるといいなと思ってるんだけど。
  - 一昨年の"SECO"での8時間に及ぶロングセットは多くの人に驚きと感動を与え、あなたの日本での人気を間違いないものにしましたね。その時の思い出などがあれば是非教えて下さい。

ありがとう、あの日は本当に楽しい一晩だったよね!当時リミックスをした9dwの「Black Cofee」のライブバージョンも最高だったし、何より僕の撮影したビデオや君がくれたビデオが全てを物語っているよ。本当に沢山の人たちとパーティーを楽しめたな。SECOは本当にいい場所だったし、次の公演が待ちきれない!
 

- 2月2日に東京で、2月3日に大阪で「Country City Country」のリリースツアーが組まれています。日本のファンにメッセージをお願いします。

日本で今作の最初のリリースパーティーを開催できる事を大変名誉に思います。2箱の中に出来る限り多くのレコードを詰め込んで行く予定です。また大阪は初めて訪れる場所という事で、どんな場所か期待に胸が膨らんでいます。みなさんも楽しみにしていて下さい。

ところでこの時期はやっぱり寒いのかな?晴れているといいんだけど。。。 『Country City Country』

アーティスト:Eddie C
レーベル:Endless Flight
品番:MUEF11
フォーマット:CD
発売日:2013年1月23日
価格:¥2,415(税込) Eddie C 'Country City Country' Release Party
開催日:2月2日(土)
会場:SECO
時間:23時
料金:2,000 / 1,000 (with invitation ticket in CD)
出演:Eddie C - Open To Last Set - LOST WEEKEND
開催日:2月3日(日)
会場:Circus
時間:20時
料金:2,500/1D
出演:Eddie C  / 二見裕志 / ALTZ.P / NEWTONE CREW


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