INTERVIEWS

Amp Fiddler

ミスター・デトロイトが帰ってきた。2016年12月にソロとしては10年ぶりのアルバム『Motor City Booty』をリリースしたばかりのAmp Fiddler。George ClintonのP-Funk All Starsに参加する大べテランであると同時に、J DillaからTheo Parrish、Moodymannまでジャンルを跨いだデトロイトシーンを牽引するキーマンだ。そんな彼から新作やPファンクへの想いを聞いた。

Interview & Text:Awane
Thanks:Toshiyuki Kasajima (ULTRA-VYBE,INC.)、#3 Funkateer

 

 

——現在はデトロイトに住んでいますか?
そうだよ、デトロイトのイーストサイドのコナント・ガーデンに住んでるよ。それで、デトロイトをリプリゼントしながらツアーを回っているんだ。いろんな人たちに俺らがユニークで、ほかとは違うってことを知らしめてるのさ。

 

 

——デトロイトの音楽シーンはどうですか?
クールだし、ゆっくりだけど徐々にまたビッグになってると思うよ。

 

 

——そのデトロイトを象徴する“Motor City”という言葉が入っている新作のコンセプトは何ですか?
『Motor City Booty』はデトロイトのファンク、それから過去から現在までのモータウンミュージックについてのアルバムだ。モダンなシンセサイザーとクラシックなサウンド、伝統的なメロディーと新しいボーカルのアイデアが一体となったソウル、ファンク、ブギーだよ。

 

 

——アルバムタイトルはParliamentのアルバム『Motor Booty Affair』から取ったんですか?
違うよ。ヨーロッパではファンキーなものに対して「ブーティー」って使うことをYam Who?が知ってて、このタイトルを思いついたんだよ。Yam Who?は、アルバム『Afro Strut』の「Come See Me」で初めてコラボレートして以来ずっと友達なんだ。Dames Brownのシングル「Soul Fly」をプロデュースしたときは、プロモーションを彼が手伝ってくれたりもした。『Motor City Booty』は、Yam Who?とお互いにインターネットでパーツを送りあって作ったんだよ。アートワークもYam Who?がディレクションしたんだ。James Wilsonっていうアーティストに作ってもらってね。俺は会えてはないけど、才能あるアーティストだよね。

 

 

——Dames Brownに本作で参加してもらったのは何故ですか?
かなり前から彼女たちのことは知ってて、とくにメンバーのTeresaなんて、近所で育って学校も同じだったからバイブスはすでにわかっているしね。だからアルバムで一緒にやろうって決めたんだ。仕上がりは完璧だったよ。

 

 

——Dames Brownに本作で参加してもらったのは何故ですか?
かなり前から彼女たちのことは知ってて、とくにメンバーのTeresaなんて、近所で育って学校も同じだったからバイブスはすでにわかっているしね。だからアルバムで一緒にやろうって決めたんだ。仕上がりは完璧だったよ。

 

 

——制作にはどんな機材を使いましたか?
DAWはLogicで、ベースとリードにはNord Lead 2X、クラビネットとオルガンはNord Electroを使ってるよ。あとRolandのJupiter-6、それからMemory Moog。Memory MoogはDerrick Mayに返さなきゃいけないんだ。壊れてたけどOmar Sが直してくれて、それを使っているよ。

 

 

——あなたはTheo ParrishのThe UnitやMoodymannのバンドなどにも参加しています。それぞれのバンドでの役割と彼らとの関係について教えてください。
Theo ParrishとMoodymannは2人とも親友だよ。よく一緒にレコーディングしてるんだ。だからライブをやる機会があれば喜んで一緒にやるよ。それぞれのバンドでの自分の役割は第一にキーボードプレイヤー、第二にボーカリストだね。

 

 

——近年、Pファンクが再評価されているように思います。George ClintonがBrainfeederとサインしたり、Kendrick Lamarの『To Pimp a Butterfly』にファンクの要素が濃かったり。あなたはどう見ていますか?
ファンクの復活はボムだね!若いアーティストが愛してくれるのはいいことだよ。Georgeがそこに絡んで行くことで説得力も増すよね。もちろんGeorgeは現役だし俺らはこのチャンスを活かして未来のファンクと未来の世代のために作り続けないとね。そうやって音楽は次の次元に進化するんだ。ファンクはここにあるぜ! 

 

 

——Pファンク主要メンバーのひとりBernie Worrellが昨年亡くなってしまいましたが、彼とのエピソードを教えてください。
1984年から彼を知ってるんだ。死ぬその日まで俺の先生だったよ。彼のバンド、Woo WarriorsでGabe Gonzalezとプレイしててマザーシップツアーを一緒に回ったりしたんだ。

 

 

——自宅スタジオを無料開放している活動Camp Ampについて教えてください。
もともとは、George Clintonがカリフォルニアのホテルを自費で借りて1989年に始めたんだよ。みんな毎日そこでレコーディングしていて、いつしか「Camp Amp」と呼ぶようになった。Michael "Clip" PayneとかPaul Hill、あとJeffrey Connersとかがいたね。デトロイトに戻って俺は自宅の地下にあるスタジオにもその名前をつけたんだ。Slum Villageとかそのほかのミュージシャンとかバンドがよく来たよ。

 

 

——J DillaにMPCの使い方を教えたというのは本当ですか?
J DillaにはMPC60の使い方を教えた。George Clinton & P-Funk All Starsで行ったララパルーザで彼をQ-Tipに紹介したんだ。

 

 

——あなたの話では、すごい人の名前がたくさんでてきますね。そんなあなたのプロのミュージシャンとしての初めての仕事は何でしたか?
Enchantmentっていうドゥーワップグループ(※1)のキーボーディストだったよ。
※1. 50年代半ばから1960年代初頭のアメリカで流行った合唱のスタイルの一種。コーラス・グループ。

 

 

——最後の質問です。あなたが参加した最近の作品や楽曲でとくにオススメがあれば教えてください。
バンドキャンプにある『Basementally 2』と『Basementally 3』かな。この2枚は 『Motor City Booty』を出す前にリリースしたやつなんだけど気に入ってもらえると思うよ。それからWill Sessionsとやった「Lost Without You / 7Mile」もチェックしてほしい。今年の新しいソウル/ファンクシングルさ。