INTERVIEWS

Marco Shuttle

 彼の作るアブストラクトなテクノ。音が鳴っている空間の境界線を感じさせない。果てしなくディープで果てしなくドープで。Marco Shuttleはそういう音楽を作るプロデューサーだ。その才能は日本でも人気のDonato DozzyとNeelが立ち上げたレーベルSpazio Disponibileからリリースされたアルバム『Systhema』で遺憾なく発揮されていた。
 

 

 

 
最初にアイディアを固めてそれに沿って作業するよりも、何も固めずに音楽を作っていくことで自分の美学に深く入り込むことができる

 

 

 
ーーアルバム『Systhema』のテーマはありますか?

僕はプロジェクトに取り組むとき、はっきりしたスタート地点や明確なコンセプトを決めないんだ。作業しているうちにどんどんアイディアが固まっていく。最初にアイディアを固めてそれに沿って作業するよりも、何も固めずに音楽を作っていくことで自分の美学に深く入り込むことができる。その結果、完成したときにその作品が何であるのか、自分のなかでより鮮明に理解することができるんだ。

 
ーーあなたの音楽には聴く人を没入させるようなトランス感がありますね。
僕は現実というスイッチをオフにする媒体としての音楽に惹きつけられるんだ。サウンドを通して感じ取ることができる非現実的な抽象的世界感をもった音楽。だからミュージシャンの道を選んだときから、人々にそういった音楽を提供することが自分の使命だと思っている。

 

 

 
ーー『Systhema』はDonato DozzyとNeelが昨年立ち上げたレーベルSpazio Disponibileからリリースされましたね。DonatoとNeelという、人を非現実的世界に導くことに長けているふたりとはどのように知り合ったのか、またどんな経緯で現在に至ったのか教えてください。

僕らは人を音の虜にさせるプロフェッショナルだからね…(笑)なんてね。NeelとDonatoとは、人間として、またアーティストとして強い絆で結ばれているよ。でも出会いは最近なんだ。友達と呼べるようになってまだ3年半しか経ってない。初めてふたりに出会ったのは2013年に開催された日本のフェス「The Labyrinth」なんだ。僕も出演したんだけど、そこでふたりに出会ってすぐに深い絆が生まれた。出会ってまだ3年半しか経っていないことにびっくりするよ。ずっと昔からふたりのことを知っているような気さえするんだ。実際僕らは音楽に対してかなり近いビジョンを持っていて、出会ってからは頻繁にやりとりしていた。時々生まれた時からふたりのことを知っていたんじゃないかとすら思うほどだよ。

 
ーーSpazio Disponibileは、極上のヒプノティック&メンタルテクノを発信していますね。Spazio Disponibileが扱う音楽と類似性がある、オススメのアーティストもしくはレーベルがあれば教えてください。
トリッキーな質問だね。つねにたくさんの新しい音楽が生まれては進化しているから、その音楽に名称をつけるときは細心の注意が必要だと思う。ヒプノティック&メンタルテクノは、徐々に現代のミニマルテクノになりつつある。だから音楽について話をする時、なるべくその音楽の名称を特定したくないんだ。でも、テクノの軌道にありながら自由にジャンルを行き来する、実験的音楽のフィールドで言えば、Felix Kと彼のレーベル、Hidden Hawaiiは大好きだね。あと∑ (シグマ)っていうプロジェクトもすごく好き。去年『Schleifen』っていう素晴らしいアルバムリリースしたんだけど、その前にも何枚か最高の7インチをリリースしているんだ。実験的電子音楽レーベルのPan、特にValerio Tricoliのレコードも気に入ってる。もっとダンスフロアー寄りのレーベルで言えば、Tikita、Midgar、もっとテクノらしいところでいうとHead Front Panel(John Heckle)とか、普段から自分のセットでよくかけているトラックはたくさんあるかな。もっと根本的なところで言えば、圧倒的に自分のセットでプレイすることが多いJeff Milllsは言うまでもなく大きな影響を受けたアーティストだよ。

 

 

 
スタジオではただただ思い通りのサウンドを実現させようと集中してる



ーー制作するときの機材は何を使っていますか?
ほとんどのビートは最愛のRoland TB 808で作っているよ。ユーロラック モジュラー、Korg Polysix、Roland SH101、Sherman Filterbank、リバーブとディレイには複数のペダルを使ってる。シーケンサーは、ユーロラックシステムの中のMake Noise Reneをよく使ってるよ。とてもクリエイティブなシーケンサーだよ。


ーースタジオで機材を使うとき、人間とマシーンの間にスピリチュアルな繋がりはありますか?
スピリチュアルだとは思わないかな。スタジオではただただ思い通りのサウンドを実現させようと集中してるよ。


ーーあなたは同世代のイタリアンテクノプロデューサーをどう定義しますか?
もしドローンっぽい、ヒプノティックなイタリアンテクノのことを言っているなら、僕は音楽的にそこには属さないと思う。それに2002年以降一度もイタリアには住んでいないから、僕はそこには含まれていない。もっと言えば、現代のイタリアンテクノはイタリアで発祥したってわけでもないと思う。


ーー最後に、むかしから変わらず好きなエレクトロニックミュージックを教えてください。
むかしから変わらずってところを無視して言えば、Valerio Tricoliの『Clonic Earth』と、William Basinsky の『A Shadow In Time』、あとLulluabies for Insomniacsっていう新しいレーベルからのリリースはかなり聴き込んでいるよ。

 

 

 
- Release Information -

タイトル:Systhema
アーティスト:Marco Shuttle
リリース:5月9日(火)
価格:2,473円

[トラックリスト]
1. Adrift
2. Thebe
3. I Fail, You Fall 4. Eris
5. Con Sequenza 6. Venera 3
7. Olga
8. Ende

■リリースページ
http://www.clubberia.com/ja/music/releases/4894-SYSTHEMA-Marco-Shuttle/

■Soundcloud
https://soundcloud.com/spaziodisponibile/marco-shuttle-systhema
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