INTERVIEWS

CAPTAIN HOOK、サイケデリックシーンで最も端正なトランスを奏でるアーティスト

取材:Shahar(Trancentral)
翻訳:Masaaki Obari(DANCE ON THE PLANET)


 
 自らの人生のストーリーを日本の美しい刺青で両腕に刻むCAPTAIN HOOK。ハンガリーOZORA、オランダPsy-Fiといったトランスシーン最高峰のフェスティバルにも出演し、今、サイケデリックシーンで最も端正なトランスを奏でるイスラエルのアーティストだ。
 
 そんな彼が、Iboga Recordsから7年ぶりのオリジナルアルバム『ORIGIN』を3枚組の限定アナログ、CD、ダウンロードで11月29日にリリースした。日本への再来日が待望されるCAPTAIN HOOKへ、世界のトランス / サイケデリックシーンの今を伝えるメディアTrancentralがインタビュー。そしてageHaでサイケデリックパーティーを数多く手がけるオーガナイザー / メディアであるDANCE ON THE PLANETが翻訳した。




僕が作ってきたすべての音楽は、人生のそれぞれの時期や移り変わりを映す愛から生まれた。

——やあ、リシェフ。最近は何をやってるんだい?
 
やあ、シャハール。基本的には、締め切りに向けて自分のアルバムをまとめ上げ、マスタリング(CDとアナログレコードの両方)を完全に終らせた。アートワークとテキストも完成したところだよ。そして、リリースのキャンペーンのためにプロモーションチームとレーベルと仕事をしている。それに、今回のアルバムのために33年物の32チャンネルミキサーを手に入れたから、スタジオを再調整したんだよ。


——Iboga Recordsからリリースされる新しいアルバム『ORIGIN』について紹介してもらえるかい?
 
『ORIGIN』このアルバムは、僕が音楽、とくにトランスミュージックについてのフィーリングを反映している。6つのソロ曲とRitmo、Tetrameth、Lishとの3つのコラボレーション曲を含む、80分、9曲からなるアルバムだ。光栄にも僕は、才能溢れるアーティストと仕事をすることができた。それはアートワークも同様でAyelet Ishによるハンドメイドで、マスタリングはオーディオエンジニアのIdo Ophirが担当してくれたんだ。

——君は、PledgeMusic(※1)を使ったキャンペーンで最初にアルバムを販売することを選択したよね。それはどうしてかな? 君とレーベルであるIbogaは、リスナーに何を提示しているのかな?
(※1:一般のリリース前にコアなファン向けに楽曲をグッズなどをセットにして予約販売できるWEBサイト。www.pledgemusic.com)
 
僕たちは様々なメディアでこのアルバムリリースをアナウンスしてから、ファンのためにアルバムの事前予約オプションを提供することに決めたんだ。アナログレコード(3面折のスペシャルパッケージ)、CD、そしてデジタルダウンロードのすべて。そしてCAPTAIN HOOKのTシャツとステッカーを、アルバムのアートワークを活かして制作した。PledgeMusicを通してこられらのアイテムの様々な組み合わせを注文することができるようになっている。これらは僕たちがファンのために用意したささやかなサービスなんだ。

アナログレコードはPledgeMusicでは完売済み。Diggers Factory!で1セット32ユーロ、500セット限定販売している。
 
Pledge link
https://www.pledgemusic.com/projects/ibogarecords-captain-hook-origin
 
Vinyl link
https://www.diggersfactory.com/vinyl/226413/captain-hook-origin



——私たちはこのアルバムを事前に聴く特権を持っていて、OZORA 2017とPsy-Fi 2018のダンスフロア、そしてフルセットのムービーの両方でも君の音楽を聴くことができた。それは君の前作のアルバムとは非常に異なっていたんだけど、何がこの変化の要因になったのかな?
 
そうだね…、僕の前作は7年前にリリースされたスタジオアルバムに遡る。その間、僕の中に何か言いたいことが生まれ、ここ2年間で新しいアルバムを作るという情熱ができたんだ。
 
僕はそれぞれのアルバムが異なる意味を持ち、異なるコンセプトと異なるバイヴ、異なる音楽を持っていると感じている。この7年間で僕は定義によってではなく、経験によって、音楽に、トランスミュージックにより強く結びついた。僕が理解していることは、トランスはブレイクでも、ドロップでもなく、心の状態のことだ。それは、あなたの心があなたの体を、そして魂をトランスの状態に誘引する対話を作り出す、反復的なヒプノティックなパターンの旅であり、僕はリスナーとこの気持ちを分かち合うためにこのアルバムを作りたいと思ったんだ。
 
——そのように方向性を変えることは恐くなかった? 多くの成功したアーティストはそのような変化を敢えてしない。ファンやイベント主催者は過去のあなたに期待を持っているから。
 
思うに、恐怖は信念の欠如と同じだ。僕はダンスフロアで15歳の子どもとしてこの旅を始めた。音楽を集め始めた。愛を持ってDJをして、音楽を作ってきた。この神聖な音楽への愛は何年もの間、僕を駆り立ててきた。僕はこのオルタナティブなライフスタイルを生きている。メインストリームのスーパースターDJになりたい、あるいはMTVに出たいからじゃない。それが単純に大好きだからやっている。僕が作ってきたすべての音楽は、人生のそれぞれの時期や移り変わりを映す愛から生まれた。僕がアーティストとして心に従えなくなったときには、ヘッドホンを置いて引退するよ。


——このアルバムの制作過程はこれまでと何が違っていたかな? それが音楽にどのような影響を与えたんだろう?
 
メインチャンネルの各トラックは、外部イコライザーを備えたミキサーを介して従来の方法でライブ録音され、外部エフェクトに信号を送り、DAWに信号を戻している。ベース、リード、アトモスフィアそしてエフェクト。 これによって、僕が目指していたサウンドデザインのオリジナリティがアルバムに与えられた。このアプローチが、僕が芸術的な自由をもって創造し、マシンを通して感情を完全に表現するのを助けてくれた。いくつかの曲は長さが14分にも及び、それ自体が創造の旅だったよ。僕はこの旅をみんなにも体験してほしいと思っている。



——君がこれらのトラックをすでに何度もプレイしていたと思うんだけど、新しい音楽に対するクラウドの反応はどうかな?
 
フロアが即座につながってひとつになることもあるけど、ときには人々がチューンインするために、1つもしくは2つのトラックが必要になる。その反応は、現代のいわゆるサイトランスとはまったく違うけれど、常に冒険だよ。




——君は無視できないほどの日本の刺青を入れているけれど、それらについて教えてくれるかな?
 
そうだね。僕は日本の刺青文化の大ファンなんだ。動物、花、形についての寓話、それらを刺青にしたときの角度、色についてなど日本の神話を読んできた。そして、その意味とストーリーが非常に関連しているように感じている。 だから僕は自分のストーリーを日本の刺青の伝統的な方法で表現しているんだよ。
 
——君は日本と日本の文化につながっているのかな? 日本のクラウドが新しいアルバムにつながると思うかい?
 
僕は日本の文化、食べ物、マナーが大好きなんだ。去年はクラブギグのために大阪に行った。それは未来への旅のようなものだったと同時に、その土地の非常に強い歴史を感じることができたよ。そして、国民性、民族性、性別にかかわらず、オープンな心を持つ人は誰でも『ORIGIN』に接続できると感じているよ。
 
ーー今後の計画は?
 
すべてのメディア形式でアルバムをリリースして、世界中でツアーをしたり音楽を共有したり、より多くの音楽を作ったり、リミックスを作成したり。方法論として僕の創造的なプロセスを共有し、他のアーティストの助けになること。来年に向けてはいくつかの秘密のプロジェクトに取り組んでいるよ。


 
CAPTAIN HOOK from his Studio
 
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