INTERVIEWS

- Marcus Henriksson - 来日直前インタビュー。1月4日、表参道VENTに登場

 MinilogueやSon Kiteとしてもよく知られていて、日本でも絶大な人気を誇るMarcus Henriksson。 Marcusは1993年にDJとして音楽のキャリアをスタート。1999年以来、Karl Axel Bissler、System 7、Mathew Jonson、Sebastian Mullaertなどのミュージシャンともコラボレーションを重ね、6枚のアルバムと80枚以上のシングル、そして世界中をツアーしてきた。スタイルやトレンドに縛り付けられず、カラフル且つトライバル、そしてサイケデリックな彼独自のスタイルで今までに多くのファンを魅了してきた。

 Marcus Henrikssonは表参道VENTで1月4日(土)に開催される「Liquid Drop Groove」に出演予定。Marcus Henriksson x J.A.K.A.M. x Kuniyukiによるユニット「Mystics」としての初ライブも披露する。





――最近の活動や今最も力を入れていることは何でしょうか?

数多くのプロジェクトに現在携わっているよ。ソロアルバムもついに公開できる準備が整ってきていて、とてもワクワクしているんだ。個人的にファンであるKuniyukiやJ.A.K.A.Mと共に進めている新しいプロジェクトであるMysticsも順調だよ。ブルガリア人アーティストとコラボレーションして制作したアルバム ”Vataff Project” の公開もまもなくで、僕自身のレーベルであるHome Recordからシングルのリリースもしている。Son Kite名義でアルバム制作にも着手していて、すぐにこれらをシェアできると思うよ。

――音楽的に今やりたい事はどんな方向性になりますか?

胸が躍るような楽曲を制作することかな(笑)

――世界初ライブのMysticsとは?

1年前にJ.A.K.A.Mや彼の友人であるミュージシャン(Keiko Oikawa : Violin,,,  Kenji Ikegami : Shakuhachi)とレコーディングをするため日本に来た時、日本の伝統的な楽器をダンスミュージックの脈で使えないか試みた、それがMysticsの始まりなんだ。Mysticsの世界初ライブをJ.A.K.A.MやKuniyukiと共にVENTで実現できることが楽しみだよ。

――Kuniyukiとのコラボについて、新たな構想はありますか?

マスターのKuniyukiと同じステージで共演できることに、敬意と感謝、そして喜びを感じているよ。僕は長年、彼のファンの1人であり、友人である。彼との出会いは何年も前の日本だったかな。その後、2011年にMule Electronicsから共同制作したアルバムをリリースしたんだ。Kuniyukiと再び共演出来ることを今から待ち切れないよ。

――J.A.K.A.Mとコラボの経緯に教えてください。

J.A.K.A.Mを初めて知ったのは、数年前に彼の楽曲を紹介された時かな。彼独特のアコースティックな楽器を用いた電子音や、世界中の辺境的なサウンドを組み込んだその楽曲に、衝撃を受けて文字通り恋に落ちた。僕はレコード屋を巡ってバイナルを買うのが好きなんだけど、渋谷はレコードのディグをするのに世界有数の良い場所だよね。前に渋谷のレコード屋でお気に入りのJ.A.K.A.Mのバイナルと出会ったんだ。それから、自分のセットには必ずといっていいほど彼の楽曲を組み込んでいる。

――アジアや日本でやりたい事はありますか?特に日本は、あなたにとっても多くのアーティストにとっても新たな発信の場であると思います。

新しい可能性の探求は大好きだよ。日本に来るようになって、もう20年になるかな。実は持っているレコードのほとんどが日本で入手したものなんだ。日本で出会ったレコードは世界中どこを探しても見つからないことが多くて、僕は日本の精神性に深く影響を受けているといっても過言ではないのかもしれない。僕のヨーロッパでの活動の遺産と、日本の精神性を持って臨んだ数々のレイブでの経験を融和させていく過程はとても喜ばしいことだった。なので、大ファンである2人の日本人プロデューサーとのコラボレーションは夢が叶ったような出来事であるし、それらをMystics自体がこれから物語っていくと信じてるんだ。

――世界のシーンは今どんな音楽、どんなメンタリティでしょうか?

僕の観点からすれば、世界は刺激的で新しい方向性に揺れ動きながらも進んでいると思う。音楽はその精神的支柱となっていくはずだよ。

――サイケデリックというワードそのものが見直されていたり、受け取り方が変わり、新たなシーンとしてあなたやLDGを中心に世界的に新たなムーブメントが起きそうですが、どう捉えていますか?

サイケデリックという言葉が初めて発明されたのはイギリスの精神科医Humphry Osmondなんだ。その言葉の由来は、古代ギリシャ語のpsychē =「魂を目に見える形にして、明らかにする」というところから来ている。つまり、サイケデリック体験という言葉の意味は、魂や心のイメージと接触をするということを意味しているんだ。そのような体験を引き出す音楽を僕はサイケデリックと呼んでいる。
それは音楽のスタイルの1つではないし "Psychedelic Trance" と呼ばれる業界基準のジャンルを意味するものでは無いと思っている。何時間もぶっ通しで催眠的なドラムコードに合わせて躍ることで、結果的にサイケデリック体験を経験するんだ。そのような体験は超越的な作用との接触を引き起こすだろうね。
内なる力は僕たち皆が持っているもので、個人がどこにいてもアクセス可能な力なんだ。
それは過去の傷を癒し、人を恐怖や限界から解放する。そのためには献身と集中が必要で、まるで瞑想のようだよ。他人との接触なく音楽と自分自身とだけ向き合って何時間も踊りつづけて、身体と精神を探求し続けるような個人としての在り方が重要だと思っているんだ。サイケデリック体験を経験するためには、オープンなマインドでいなければならない。ある種の音楽をサイケデリックと定義するのに限界があるうように、定義されたジャンルの中での音楽体験は真のサイケデリック体験とは程遠いものとなってしまうよね。
世界の浅瀬で生きていると、体調を崩すどころか水の流れに支配されてしまうんだ。僕たちは水そのものであって、流れそのものかもしれない。流れは現在の社会構造そのものから来る制限された視点だと言えるね。
僕たちは水であり、自ら変化していく、ムーブメントそのもの。もし自分たちを水ではなく、流れだと信じるならば、僕たちはすぐにその流れに支配されてしまう。
内なる超越的な場所を僕たちは心のホームと呼ぶんじゃないかな。その場所から世界を俯瞰することで、新しい視点を世界に対して持つことができる。人はそれぞれ個性があって、内なる宇宙や星を持っている。その場所に到達するためには、自ら働きかけないといけない。
そう、飛びっきり素晴らしい仕事をしないとね。サイケデリック体験は、自分の限界を超えて考え方を変えていくといった個人の成長には必要不可欠だと思う。
あくまで、サイケデリック体験を助長する物質を摂取することを勧めているわけではないよ。まずは自分自身の内なる船の操縦の仕方を知ることが重要だと思っているんだ。
自分を静思し、内なる力を呼び覚ます。Psychedelic Technoで何時間も踊り通すことは、そこに到達するための1つの道であると信じているんだ。

――LDGとの関係性を教えて下さい。

LDG主催のYUTAと出会ったのは、何年か前に代々木公園で行われていたダンスイベントの時だったかな。それは良い出会いで、僕のセットが終わった後に現在のダンスシーンについて語り合ったのを覚えているよ。僕は、未来のテクノの在り方や、ダンスカルチャーについての話をしていて、つまりそれは、Psychedelic Technoのこと(笑)宇宙に導かれたような僕らの出会いから、良いことがたくさんあったよ。
それと、2020年のLDGからのリリースには期待していてね。





Marcus Henriksson at Liquid Drop Groove  

DATE:2020-01-04 SAT
OPEN:23:00
VENUE:VENT
LINE UP:
=Room1=
Marcus Henriksson (Home Records / Cocoon)
Kuniyuki -LIVE-
Mystics (Marcus Henriksson x J.A.K.A.M. x Kuniyuki) -LIVE-
YUTA (Liquid Drop Groove)
MARIA. (Liquid Drop Groove)
VJ Naoto Tsujita (six)

=Room2=
DJ Josko (Liquid Drop Groove / Rebel Hifi)
ITA & Tez (Primitive / BoshkeBeats)
DJ G. & KOJIRO (Liquid Drop Groove / Re:birth)
MGTM x Dsk (御月民 / B-LIB)




Marcus Henriksson x J.A.K.A.M. x Kuniyukiによる大型ユニットの誕生、その名もMystics。日本における音楽活動において精神面・音楽面も含め多大な影響を受けたと語るマーカスが、友人の勧めによりJ.A.K.A.M.のヴァイナルに出会う。一聴して彼の大ファンとなったマーカスが共同での楽曲制作を申し出たのがきっかけ。そして2011年mule よりKoss x Henriksson x Mullaert名義のアルバムをリリースしその後もRe:birth などにてセッションを積み重ね親交を深めてきたKuniyukiを加え現在のMysticsとしての活動が始まる。現在アルバム楽曲を鋭意製作中、その最中ではあるが世界初ライブを2020年1月4日VENTにて行うこととなった。そして2020年2月には18年に行われたMarcus x Kuniyukiの Jamセッション音源を J.A.K.A.M.がミックスした楽曲2曲が、Kuniyuki + Marcus +  J.A.K.A.M.名義でイスラエル/ベルリン拠点のMALKA TUTIよりリリースされる。三者三様の個性がぶつかり融合するこのMysticsの世界観に乞うご期待ください。
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