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Ruled By Passion, Destroyed By Lust

The Asphodells (Andrew Weatherall & Timothy J. Fairplay)
Ruled By Passion, Destroyed By Lust

25年にもおよぶキャリアにおいて、疑いようのない音楽センスと、蓄積された深い知識と経験によりいつの時代も第一線で活躍してきた英国音楽界で最もリスペクトされているDJ/プロデューサー、アンドリュー・ウェザオール。その偉大なる才能、アンドリュー・ウェザオールの最新プロジェクトがこのジ・アスフォデルスだ。今回、彼がパートナーに選んだのは、インディーダンス・ユニット、バタントに所属し、ロンドンやドイツの名だたる名門クラブを筆頭にヨーロッパ中でDJプレイを行うティモシー・J・フェアプレイ。本作においてはトゥ・ローン・スウォーズメンの『Wrong Meeting』、そしてアンドリュー・ウェザオール名義でリリースされた『A Pox on the Pioneers』でフィーチャーされたロックン・ロール・サウンドからは離れ、より純粋なエレクトロニック・サウンドに回帰すると共に、また新たな境地にたどり着いている。ずっしりと反復するビートに重なるしなやかなメロディ。楽曲はどれも特徴的で不気味で危険な色気を纏ったサウンドはまさにウェザオールの刻印が捺されたものであり、ギター・サウンドは荒々しい衝動に満ち溢れながら、ダビーにそして、サイケデリックに深く鳴り響く。さらに英国を代表する詩人ジョン・ベッチェマンの詩をフィーチャーした「Late Flowering Lust」とネオ・サイケデリアの旗手A.R.ケインの名曲をカバーした「A Love From Outer Space」の2曲がこれほどまで、自然に心地よく一枚のアルバムに収録されているのは驚きで、これまで彼がそうしてきたようにまた新たなダンス・ミュージックの潮流を予見する特別な空気が宿っている。ウェザオールとフェアプレイの類稀なセンスによってまたダンス・ミュージック史に名を残す確かな名作が誕生した。