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フジロックやサマソニなどフェス主催7社らが野外音楽フェスの発展を目指す共同団体を設立

 3月22日(月)、野外音楽フェスの地方経済への貢献や持続可能なフェス文化形成を目的として、「野外ミュージックフェスコンソーシアム」が設立。「FUJI ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」など音楽フェス主催事業者7社らが発起人となり、コロナ禍での安全・安心な野外音楽フェス開催の拡大を目指すという。

 「夏フェス」と呼ばれることも多い野外音楽フェスは、日本全国では年間300件近く開催されていて、数万人から数十万人を動員する大型イベントも多く存在している。しかし昨年は、コロナウィルス感染拡大の影響により全国的に開催中止が続出、文化的にも経済的にも大きな損出を招いた。

 そういった状況を踏まえ、本コンソーシアムは、野外イベントは屋内でのイベントに比べ「密閉」が少なく感染リスクが低いことに加え、各イベントが連携しルール作りと周知を行うことで、安全・安心な野外音楽フェス開催の拡大を目指す。具体的には、地方との連携事例の共有やコロナウイルス感染症対策などを中心とした安全安心なイベント開催に向けたガイドラインの策定と周知、政府や行政・自治体への要望を行っていくことを発表している。



以下設立趣意書より引用


1 趣旨
「野外音楽フェス」と呼ばれる、全国津々浦々にて開催され、多数のアーティストが出演する音楽コンサートの実施数はこの20年間で増え続け、年間300ほどのイベントが開催されている。数万人〜数十万人を動員する大型イベントも多く存在する一方、様々な特徴やテーマを持ち合わせたイベントも増加し、規模の拡大と多様化が進んでいる。これらの音楽フェスの特徴としては、
・地方において各地方に協力を仰ぎながら実施し、人の移動や土地への愛着が発生
・音楽のみならず、食、観光、自然、ファッションなど多様な文化の発信
・各地方での交通宿泊費・事前消費は音楽フェス売上を超える規模
などが挙げられ、いちイベントにおける経済波及効果は約100億円にも及び、日本における音楽フェス全体の経済波及効果は3700億円となる。

※尚美学園大学 江頭満正 准教授算出「音楽フェス」は単なる音楽イベントではなく、「音楽フェス経済」を築く「音楽フェス文化」を新たに生み出している。

しかしながら、日本における音楽フェスの定着の歴史は浅く、課題も多く存在している。
そこで、各地方とより深く連携し巻き込むことで「野外音楽フェス」を発展させ、地方の経済にも貢献、持続可能な音楽フェス文化の形成を目的として、野外ミュージックフェスコンソーシアムを設立する。

本コンソーシアムでは地方との連携事例のイベント間情報共有や、安全安心な野外音楽フェス開催に向けたガイドライン策定とそれらの広い周知、デジタル技術の導入等を実施する。これにより、いちイベント主催者では達成の難しい目標や課題の解決を、共同して行うことでの実現を目指す。

コンソーシアムを組成することで、政府や行政・自治体に対して団体としての要望や依頼を行い、またイベント開催における調整事項の共有や、最適化を実現する。コロナウイルス感染症対策については、政府・管轄省庁との折衝及び交渉を行う。

従来の野外音楽フェスは、地方に協力を仰ぎながら実施されてきたが、これからはより深く連携、巻き込みながら野外音楽フェスを発展させる。また野外音楽フェスは、そこに集うファンと共に作り上げるイベントであり、子どもたちにとっては自然を体験する機会にもなる。野外音楽フェスの発展を通して、地方、ファン、そして将来的なファンとなる子どもたちとの「共生」を実現し、地方の創生、持続可能な野外音楽フェス文化を作り上げる。

 野外音楽フェスは主催者のみならず、アーティスト、自治体、関連産業、ファンと共に作り上げるイベントであり、With コロナ/Afterコロナの時代にて、多様な主体が集うエコシステムをとして発展させたい。野外ミュージックフェスコンソーシアムの組成は、日本全国にて持続可能なフェス文化を形成するものであり、まさしく発展的な地方創生に寄与するものである。

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