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Sven Vathエッセイ「30 Years on the Decks!」発表

先日お伝えしたとおり、「日独交流150周年」を記念して来日し、「21世紀のテクノ」 について語るディスカッションを、東京ドイツ文化センターにて開催する"Cocoon"の首領Sven Vathが、きたるDJ30周年に向けて、エッセイを発表した。これまでの30年で培われたDJ精神が熱く語られるこのエッセイは、ジャンルを越えてすべてのDJ、プロデューサー、そしてフロアへ踊るファンの心を大きく揺さぶる内容となっている。Svenや"Cocoon"およびテクノに興味がないでも楽しめる内容となっているので、ぜひ一読してほしい。

2月3日には港区赤坂にあるドイツ文化センターにて、18:30からマルチメディアディスカッション「21世紀のテクノ」が開催されるので、そちらもお楽しみに。

■東京ドイツ文化センター
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/jaindex.htm

■Sven Vath
http://www.myspace.com/svaeth

【日本語版】

「30 Years on the Decks!」
(...from a DJ's mind)
ターンテーブルでの30年 ―DJの精神とは―

"Hey Mr DJ play that song - keep doin' it, doin' it - all night long"......(Tony Touch)
「おい!ミスターDJ、あの曲をかけてくれ― 一晩中それをひたすら続けて……」

……この言葉は全てについて正確に説明している。そこには、ファンタジーとアイディアに溢れた曲、騒ぎたくなって恋におちる曲、一緒に合わせて歌いたくなる曲、心と魂の曲がある。でも、それは歌が入っていないインストルメンタルの曲についてもいえる。コンピュータで作曲されようが、「手」で作られようが、それは関係ない。ここでいう曲とは、切望され、溢れ出る自由を与える音像をもった曲たちのことであるから。わたしにとってそういった曲とは、もの語り、希望を与える輝く力をもったトラックのことだ。それは鳴動し、君を聴取へと誘う―ときにそれは抽象的ではるか遠い宇宙のもののように響き、ときにそれは良く知られていて親しみやすいものである。そして、そのトラックとは、ひとつひとつの瞬間を捉えて決して立ち止まらず、それがかけられた―それは爆音でかけられなければならない!―まさにその瞬間に、わたしたちを宇宙の中心へと進路を向けるものなのだ。トラックを選ぶDJたちについてだけ言っているのではないよ。音楽を聴いているひとやフロアで踊っているひと、そういったひとたち全員が探し求めているものを与えてくれる音楽のことを言っているんだ。あるトラックはわたしたち自身の隠された、あるいは狂っている面を表わしている。あるトラックは笑顔をもたらし、また泣かせる。音楽は心に触れ、そして心を動かす。曲はわたしたちの身体を動かす。そこにはディスコのスタイルで踊ること、ブレイクダンス、クールにグルーヴに身を委ねること、そして究極までレイヴすることまである。必要としているのは、わたしをただ踊らせ続け、そして二つのとても大切な要素―自分が生きている世界を感じ、けれど同時にそれをほんの短い間だけだが忘れさせること-を結合する曲だ。本当によい曲だけがそうできるんだよ。

"This House Is Mine"- Discover and impart......(The Hypnotist)
「この場はわたしのもの」-発見と分け与えること

大量の中から質的に際立った音楽をみつけること、それがわたしの使命だ。
ひとを掴んで決して離さない幻視的な曲。ひとの好奇心をそそる曲。何か新しいものを生み出し、ひとの間に一体感を与える曲。DJにとってダンスフロアで力を発揮する曲、でも保守的でなくアレンジにおいて自由さがあり新しいアイディアにオープン-特に、古いものと新しいものコンビネーションにおいてオープンであること―な曲。それはラウドで強力でなければならないが、他方で繊細で潜在的で、ソウルに満ちていて、静かな曲もある。また実験的な奇抜さがあって、まったくこの世のものと思えない曲。本物でなきゃダメだよ。何かのコピーだったり真似ごとではダメだ。何か新しいものを生み出す革新的な音楽。それがわたしを突き動かす。音楽はそうでないと。わたしは常にそれ探していて、そこに達したいと思っている。探求と創造の30年、ノンストップだ!

"The Sound Of Music" - Techno, House and...(Falco)
「サウンドオブミュージック」-テクノとハウス、そして・・・・・・

クラブミュージック-これはダンスフロアのために、特別にあつらわれたサウンドのことだ。エレクトロニックなサウンドがどんどん現れてきてクラブでかけられるようになってきた時代、それは本当に興奮する出来事だった。1981年にドリアン・グレイでクラフトワークを初めて聴いたことを、今でも鮮明に思い出すことができる。それは本当にわたし自身の頭蓋骨をぶっ飛ばしたよ。ドリアン・グレイには当時のドイツで最高のサウンドシステムがあった。まるで自分がUFOの中にいるような気分だったよ。レーザー光線やスモークが音楽(そのときクラフトワークの「コンピュータワールド」がプレイされていた)と一体になってね。これが自分の必要としている全てだってわかったよ!その日以来、エレクトロニックミュージックは自分にとって常に、もっとも面白くて自らを解放してくれる音楽であり続けている。音楽の進化は、特にダンスフロアの革新においては、エレクトロニックなものだよ!もちろん、「音」がものごとを決定づけるのだけれど、例えば、909や808、101、303といった有名な魔法の番号がつけられたローランド社の機材、ミニモーグ、MS20やMonopolyといったコルグのシンセサイザーによる荒々しいアナログなサウンドがテクノやハウスミュージックのサウンドを最もかたちづくってきた、とおそらく言えるんじゃないかな。
最近の過去数年のあいだ、アナログレコードのサウンドに関するたくさんのコメントや議論があった。しかし、どんな風に見ても、良いプリアンプ/ミキシングコンソールにある良いピックoアップのシステムでプレイされたレコードは(もちろんそのレコードはよい製品でなければならないけれど)、その他のどんなデジタルのライバルよりも良い音がする。アナログレコードこそが、良い音に価値を置くひとにとっての表現手段なんだ。
わたしは音楽を探すために、常にたくさんの時間をかけてきた。むかしは最新のレコードをチェックしたり、他のDJやプロデューサー(※曲を作るひとの意)たちと情報交換してテクノやハウスといった音楽について議論するために、しょっちゅうレコード屋に足を運んだもんだよ。残念なことに、今はあんまり自由な時間がないから、ひと月に2回くらいしかそういった贅沢な時間にあてることができない。ほとんどツアーに出ているからね。でも、フランクフルトのフリーベースの連中が親切にもいくらかのレコードを自宅に送ってくれる。はっきり言って、レコード屋での社交的な雰囲気だったり、その場で他のDJたちと情報交換したりすることがなくなって寂しく思ってるよ。レコードを送ってもらう以外では、定期的にたくさんのプロモ盤が送られてくる。でも、音楽を聴くときの自分の「儀式」は何も変わってない。いまも、多くの時間をアナログoレコードを聴くこと自体に捧げている。わたしの信条は、新しい音楽を見つけて選び出し、それらを繋げて、そして、そこから何度も何度も完全に新しい音楽の旅を創り出すことにある。これが、これまで30年間やってきたスタイルなんだ。
音楽がメロディックである、あるいは抽象的であるといったことにかかわらず、音楽の本質、それが常に大事なんだ。わたしの目と耳は常にダンスフロアに向けられてきた。なぜならわたし自身、ダンスフロアで生まれ、実際にフランクフルトとイビザのダンスフロアで育ったから。それが、いまだにパフォーマンスを続けている理由だよ。音楽の物語はそこで展開されなければならないんだ。

Technology & development: the famous turntables, my working tool - I was never interested in the development of playback possibilities......
テクノロジーとその発展:とびきりのターンテーブルが仕事の道具、プレイバックの可能性の発展に興味を持ったことは一度もない

長い間、DJはプレイバック(※録音されたものをただ再生するという意)の技術に興味をもってこなかった。というのは、いずれにしても与えられた道具はターンテーブルだけだからだ。曲をミックスすること、それが、これまで、そして今もわたしにとってもっとも重要なことだ。途切れないようにセットをミックスすることが挑戦なんだ、とくに何時間も続く場合はね。自分の強みは即興性にある。思いついたことを「じゃあ、やってみるかな」ってね。また、DJをしているときに大事なのは、自分が一歩後ろにさがって、ものごとがあたかもそれ自体で進んでいるようなところにまでもってくることで、それはとっても情熱のいる仕事だよ。いつも、自分が楽器を演奏するかのようにDJを始めるんだ。2枚のレコードの間に生じる摩擦が―それは時に微弱にまたときには素早く―、次の遁走を知らせてくれる。音楽は結びつき、ミックスのなかとダンスフロアの上で全く新しい力学が生まれる。エネルギー、というより魔法かな、それがクラブの中に広がり、まさにその瞬間に個々のものやひとが溶け合って、わたしたちは、真にひとつの「わたしたち」になるんだ!

わたしは自分が「同期ボタン」を使って自分が仕事している姿を想像できない。だって、摩擦からくる緊張がなくなっちまうし、とっても大事なこと―ミックスすることの楽しさ-が失われてしまう。エフェクトの機材をいじったり、作為的にブレイクをいれたりすることは好きじゃないな。もちろんこまかいイコライザーが付いているやつでそれによっていいサウンドが生み出されることもあるけど、わたしは自分がかけている音楽が、エフェクトとか後からの加工とか編集が必要ないっていうことを強調したいんだ。選んだ曲にはすでに確かなオリジナリティがあるんだからさ。だからそれを保持するだけで十分だし、さらにそこから何かを発展させるなんてね。仮に自分が作者やプロデューサーだったら、自分の曲がバラバラにぶった切られてエフェクト漬けにされたら嬉しくないよ。そんなことしたら、その曲には何が残ってるんだい?現在、とても大きな変化がある。それはDJがプロデューサーのように振る舞い、プロデューサーがDJのように振る舞っているということ。テクノロジーにのせいにしてくれ!

わたしはDJだ。曲を選び媒介する。わたしのパフォーマンスと注意は全て、自分が選んだ音楽と観衆、その場の瞬間に捧げられるんだ!曲の選択とセットの質に全てを捧げる情熱を持ったDJへの重圧は大きいよ。いま、DJになるのにレコードをリリースしたことが求められているけれど、それはDJの質について何をどう説明しているんだい?

技術の進歩のなかで、そういったことはプロデューサーとDJによって始められたのだけれど、DJは選曲者と媒介者としての自分の立場を維持するのが難しくなってきている。業界の規模が大きくなり、いまではアナログレコードでDJをすることの芸術性や技術というものが破壊されている。新しいソフトウェアや様々なデジタルの方法のせいでね。さっき言ったようなエフェクトやDJの機材の技術がどんどん発展して、音楽はいま本当に危機に瀕していると思う。曲の個々の魅力が損なわれて、魔法のような瞬間がコンピュータ化された時間によって置き換えられてしまっているんだ。

こんな状況のなかで誰がカッコいい野心に満ちた曲を書くことができるのだろう?取り替え可能なビートが支配的なときに誰が、メッセージやムードを持つ曲を必要とするのだろう?たしかにコンピュータを使うことに卓越したプロデューサーやループからいろいろ生み出すプロデューサー、エフェクトを多用するラップトップDJは新しい扉を開いたよ、でも、いま生み出されているたくさんの曲は現在発展しているそういった方法によって、逆に多くを失っている。まあ、そもそもそういった曲は質を第一に考えていないんだけど。少なくとも、こういった新しいやり方がダンスフロアでは重要視されてきているな。

どうあろうと、意見が一致することは、曲がシーンを結びつけたかどうかどうかだよ。始めと終わりがあり、ストーリー性と具体的なムードがある曲。「Knights of Jaguar」(DJ ローランドのアズテック・ミスティックによる大ヒット作)がもっともよい例だよ。でも、こういう曲にはそれが披露されるべき機材と場所が必要だ。Technics SL-1210というターンテーブルの製造が終わりになるいま、そういった気分を作り出すのはますますむずかしくなってきているし、今後はもっとそうなっていくだろうな。もしピアニストがもうグランドピアノは製造されないっていう事実に直面したら、どう言うだろう?まあ、仕方なく電子ピアノで続けるんだろうね、そっちのほうがもっと可能性があるんだろうし!本当に悲しいニュースだよ、今まであった文化が徐々に消えているんだから。

"Put the needle on the record..."(Criminal Element Orchestra / M/A/R/R/S)
「レコードに針を降ろして……」

アナログレコードでDJをする自分にとって自らの音楽を見つけるのはどんどんむずかしくなってきているけど、みんなの前でDJするのを楽しみしているよ。もしCDをプレイしたとしても許してほしい。もう過去にそうしてしまったし、これからそうすることが増えるかもしれない。でも、アナログレコードが依然わたしにとって一番だし、これからもアナログレコードを支持しリリースしていくよ。二つのターンテーブルとミキサーが自分の楽器だ。これまでの30年間そうだったし、これからもそうだ。もし若い世代の多くが、完璧なサウンドと曲、ムードの魅力をわたしと分ちあってくれて、そしてついてきてくれたら、それ以上にうれしいことはないよ。

過去30年間にみんながくれた信頼、愛、好奇心、そして汗に感謝します。そこには常に愛があった、これからもずっとそうだよ!
ありがたいことに、踊ることと音楽に対する自分の情熱は変わらなかった。だから、これからもみんなの前でターンテーブルを使ってパフォーマンスするのが自分にとっての最大の快楽だ。

ダンスフロアで会おう、そして踊ろう!
愛をこめて
Sven

追伸:もちろん、これまでの30年間に対する考えと経験について語りたい。それについては後ほど。多分、2011年の終わりにはそうできるかな。

再追伸:わたしが運営しているコクーンと契約している80%のDJはアナログレコードを使っているよ。


【英語版】

"30 Years on the Decks!"
(...from a DJ's mind)

"Hey Mr DJ play that song - keep doin' it, doin' it - all night long"...
(Tony Touch)

...and that is exactly what it is all about: songs with fantasy and thoughtfulness, songs to freak out and to fall in love to, songs to sing along to, songs with heart and soul. However, it's also about instrumentals, no matter whether they are composed with the computer or made 'by hand', it's about songs with soundscapes that inspire longing and exude freedom. For me, it's about tracks that have the power of radiance, that tell stories or spread hope. Songs that sound and invite you to listen - sometimes abstract and extra terrestrial, sometimes well-known and catchy. Tracks that should never stop, that keep the moment, and turn all of us into the centre of the universe, exactly in that moment when they are played - played loud! And I'm talking not only about the DJs who pick the tracks, but even more about the listeners and the dancers - music that gives us what we are all searching for. Many a track shows us the hidden or crazy side of us, many tracks make us smile and some even make us cry. Music touches us and it moves us. Songs make us move, from Disco dancing via Breakdancing to cool groovin' and, of course, right up to ultimate raving. I need songs that simply keep me dancing on and on, songs that combine these two crucial elements: to feel the world that we live in, but at the same time to be able to forget it for a short time - only a really good song can do that.


"This House Is Mine"- Discover and impart...
(The Hypnotist)

Finding music that qualitatively stands out from the masses - this is my mission.
Visionary music that never lets you go.
Music that makes you curious for more.
Music that has the power to create something new and to unite people. Music by and for DJs, ideally in a forceful dance floor sound, however not conservative but free in arrangement and open for new ideas, especially open for the combination of old and new. It should be loud and powerful but also subtle, subliminal, soulful and silent, right up to experimental bizarre and totally weird. It must be authentic, not something that's copied and imitated. Revolutionary music that creates something new. This is my impetus and that is how music should be, this is what I'm looking for and that is what I want to reach. Searching and creating for 30 years... non stop!


"The Sound Of Music" - Techno, House and...
(Falco)

...Club Music - this is the custom-made sound for the dance floor. It was a very exciting time back then, when electronic sounds became more and more present and established in the clubs. I can vividly recall when I heard Kraftwerk for the first time in 1981 at the Dorian Gray. It literally blew my skullcap! At that time, the Dorian Gray had the best sound system in Germany and I felt like being in an UFO: laser lights and fog clouds ("Computerwelt" was playing) in combination with that music... that was all I would need! Since that day, electronic music has always remained the most interesting and liberating music for me. The musical revolution, especially the revolution on the dance floor, is an electronic one!
Of course, the sound as such is the determining aspect. Rebellious analogue sounds, for instance made with Roland machines with the famous magic numbers 909, 808,101 and 303, with the Mini Moog or the Korg Synths MS20 and MonoPoly, have probably formed the sound of House and Techno the most.

Over the last few years, there have been many comments as well as discussions on the sound of a vinyl disc (which is, by the way, still the main analogue music carrier). However, no matter how you look at it: a well-manufactured record, played with a good pick-up system on a good pre-amp / mixing console simply sounds better than any of its digital competitors. Vinyl is THE medium for everybody who sets high values on good sound.

I've always invested a lot of time in finding music. I used to visit record shops several times a week to check the latest records, exchange experiences with other DJs and producers and discuss about Techno and House music. Unfortunately, I only can afford this luxury two times a month now, due to time restraints, but the guys at Freebase Frankfurt are kind enough to send me the records home, as I'm on the road too often. Admittedly, I do miss the social environment of a record store and the exchange of information with the DJs on the spot. Besides that, I get many promos sent to me regularly. However, there has been no change in my 'listening ritual': I dedicate a lot of time to my vinyl listening sessions. My credo is to find and select new music, to connect it and to create a totally new musical journey out of it again and again, and that has been my style for the last 30 years. Substance and quality of that music have always been the essential part of it - no matter whether the music was abstract or melodic: my eyes and my ears are always orientated towards the dance floor. I come from the dance floor, I literally grew up on the disco floors in Frankfurt and Ibiza, and they are the reason I'm still performing. This is where my music should be able to unfold.

Technology & development: the famous turntables, my working tool - I was never interested in the development of playback possibilities...

For many years, DJs have not been interested in playback technology, as the only tool were turntables anyway. Mixing has been and still is essential for me. The challenge is to mix a set in a seamless way, especially when it lasts for several hours. For me, it is always connected with butterflies in your tummy, with stimulation and excitement. I would say that my strength is the improvisation, this "Let's try again!". While playing a set, it's a passionate task to work towards that point where you can let yourself fall back in such a way that everything works as if by itself. I start playing just like that, like I would play an instrument. The friction between two records always announces - sometimes subtle, but sometimes rather quickly - the next fugue. The music intertwines and totally new dynamics emerge in the mix and on the dance floor. Energy, even magic starts to flow around the room and this is exactly the moment when everything loses itself and when you have the feeling that exactly now - and exactly here - we are WE!

I could never imagine myself working with a 'sync button', because I would miss the tension and, besides that, something very essential: the fun of mixing! I'm also not a fan of effects and artificial breaks. Sure, some shenanigans with the equalizer are rather normal and can be indeed impressive when used but I want to emphasize that the music I play does not need any post-processing, edits and the like, as it already contains a certain originality and is not only able to keep its character, but to even develop and unfold it! Also as an author and producer, I would not be happy if my song was totally cut up and drowned in effects, I mean, what remains from your song then? There's a big fluctuation nowadays, the DJ acts as the producer and the producer acts as the DJ. Blame it on technology!

I am a DJ, a selector and mediator, my performance and my attention are fully dedicated to the music I selected and my crowd - and to the moment! The pressure on passionate DJs, who apply themselves to the music, the choice and the quality of their set, has risen enormously. Today, it's simply required that a practising or upcoming DJ has already produced a record. Ok, this may help, but what does it tell you about the qualities of a DJ???

Due to that technological progress, which was also initiated by producers and DJs, the DJ has difficulties to maintain his position as a selector and mediator. The industry has upgraded and is now on the cusp of destructing the arts and crafts of vinyl DJing with all those new software tools and digital possibilities. There is indeed a risk for the music that technology comes more and more to the fore, but the usage of effects and DJ tools can also lead into ..... The result could be a simple sound, static and dogmatic. That individual fascination would simply be lost and the magic moment is replaced by computation.

Who would still be able to write good and ambitious songs in such a setting? Who would still need messages and moods in the songs when replaceable beats are predominant? The 'bit producers' and the 'loop-' and 'effect-lapjockeys' have also opened new doors for us, but the vast number of productions - and quality is often not the most important aspect here anyway - lose too much with the way this working method is now establishing. At least too much of that has become what is important on the dance floor.

After all, it was always the big consensus that songs have united the scene. Songs that have a beginning and an end, with a story, a concrete mood: "Knights of the Jaguar" is a prime example here, for sure. However, songs like this one depend on an appropriate medium that gives them room to unfold. After the announcement that the production of the ingenious turntable Technics 1210 is coming to an end, it should get more and more difficult to develop a feeling for exactly this in the present generation, and even more in the coming generation. What would a piano player say if he was confronted with the fact that grand pianos will not be produced anymore? However, he could continue playing on E-pianos - which have more possibilities anyway! Sad news, not only for vinyl DJs, because thus a part of our culture is slowly disappearing. An important part, without which this whole movement would not have been possible.

"Put the needle on the record..."
(Criminal Element Orchestra / M/A/R/R/S)

Although it gets harder and harder for me as a vinyl DJ to find my music, I do look forward to the coming years and to perform for you. Please forgive me if I play CDs here and there - you know I already did that in the past, too, and it may get a little more in the future. Anyway, vinyl is still the Champion's League for me and I will continue supporting and releasing it! I still consider two turntables and a mixer to be my instrument, for 30 years already, and nothing should change about that. Even more: I would be more than happy if many of the present and coming generation would share exactly this fascination for perfect sound, songs and moods with me and follow me.

I want to thank you for your confidence, your love, your interest and your sweat in the last 30 years - There was always love in the air and there always will be!

Thankfully, my passion for dancing and music has remained unchanged and, so that also in the future, it will be my biggest pleasure to perform for you on the decks.

I wish you and your families a Merry Christmas and a loud (or quiet), but above all, a Happy New Year 2011!

See you on the Dance floor - let's dance!

 Love,
 Sven

P.S. Of course, I want to tell you more about my thoughts and experiences in the last 30 years. More about that later, maybe at the end of 2011, as I'm already working on that and will keep you updated.

P.P.S.
80 % of the DJs that are signed to Cocoon Artist Booking are playing vinyl.